更新日: 2021.10.04 子育て

家計急変!そのとき、子どもの通学を支える給付金

執筆者 : 杉浦詔子

家計急変!そのとき、子どもの通学を支える給付金
新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、保護者の死亡や失職など予測できない事由によって家計が急変した場合に、大学や専門学校、または高等学校に通学中の子どもが学業を続けるための給付金制度をご紹介します。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

家計急変とは

家計急変とは、保護者が仕事を失ったり、勤務先が倒産するなどの理由で、収入が激減することをいいます。さらに新型コロナウイルス感染症の影響により、内定を取り消されるなど求職活動に支障があった、保育園の休園などで育児休業から復職ができなかったなど、本来なら得られていたはずの収入が得られなかった場合も家計の急変に含まれます。
 

子どもが高校生の場合

失職や倒産、新型コロナウイルス感染症の影響による減収などで家計が急変し、子どもの学業の継続が困難となった世帯では、都道府県の支援事業が受けられます。
 

(1)授業料軽減

都道府県が定める要件に該当した場合、子どもの学校の授業料が軽減されます。
 
高等学校の授業料については、両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合の年収(年収約910万円未満の世帯)を目安に、原則として高等学校等就学支援金制度(授業料の実質無償化)が適用されるため、授業料軽減制度は高等学校等就学支援金制度を受けられていない方が申請の対象となります。
 

(2)高校生等奨学給付金

生活保護の対象世帯、年収約270万円未満相当(住民税所得割非課税相当)となった世帯を対象に、教科書費・教材費など、授業料以外の教育費を支援するのが高校生等奨学給付金です。
 
授業料軽減制度や高校生等奨学給付金は、各都道府県において制度の詳細が異なりますので、具体的な要件や手続きなどについては子どもが在籍する高等学校、またはお住まいの都道府県への確認をお願いします。
 

子どもが大学生や専門学校生の場合

子どもが大学生や専門学校生で、家計が急変した場合には、返還不要の給付奨学金(家計急変採用)に申し込むことができます。家計急変採用は、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)を通じて随時が受け付けられておりますが、原則として家計急変の事由発生から3ヶ月以内の申し込みが必要です。
 
<手続きの流れの概要>
 

(1)申し込み

家計急変の事由が発生した場合、まずは在学している学校に相談して給付奨学金案内(家計急変採用)などを受け取り、必要書類を学校に提出後、インターネット(スカラネット)で申し込みます。
 

(2)マイナンバーの提出

給付奨学金の申し込みにはマイナンバーの提出も必要です。マイナンバーに関する書類は学校を通さず、所定の提出用封筒でJASSOへ直接郵送します。
 

(3)推薦

給付奨学金は学校がJASSOに推薦します。学校は推薦のために、申込者の家計急変事由、事由発生日、申請書類、学業成績・学修意欲を確認します。
 

(4)選考結果の通知

給付奨学金の選考結果は、学校を通じての通知となります。採用されると給付奨学金の支給が始まります。
 

(5)採用後の適格認定(家計)

給付金の支給期間中は支援区分の見直しのため、生計維持者の給与明細書などに基づいた適格認定が3ヶ月ごとに行われます。
 

まとめ

家計急変は最も避けたいことですが、該当するような状況となった場合には利用できる制度がないか、早めに学校や自治体に確認してみましょう。
 
出典
文部科学省 「公立高等学校等における授業料減免について」
文部科学省 「高校生等への修学支援」
独立行政法人日本学生支援機構 「家計急変採用-給付奨学金(返還不要)」
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

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