更新日: 2021.10.20 子育て

都道府県別「男性の家事・育児力」ランキング1位の県は? 2021年の男性の育休取得実態は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

都道府県別「男性の家事・育児力」ランキング1位の県は? 2021年の男性の育休取得実態は?
家事と育児は女性の仕事、という固定観念がいまだに残っていそうな日本。2022年の4月には、「育児・介護休業法」の改正により男性の育休がさらに推進されるそうですが、どこまで変われるのでしょうか。
 
積水ハウス株式会社が2019年から毎年発表している「男性育休白書」の2021年版(※1)では、男性の育休実態について深堀り調査の結果が発表されています。今回はこちらをひもといてみましょう。
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男性の家事・育児力全国ランキング2021、気になる結果は?

この調査は、全国の小学生以下の子どもをもつ20代〜50代の男女9400人を対象に行われたもの。まずは、男性の家事・育児力の全国ランキングを見てみましょう。

【「男性の家事・育児力」全国ランキング 2021 TOP20】

 
1位:沖縄県 216点
2位:鳥取県 192点
3位:奈良県 186点
4位:長野県 185点
5位:山形県 165点
6位:岩手県 160点
7位:大分県 159点
8位:島根県 157点
9位:愛媛県 156点
10位:高知県 154点
11位:山梨県 148点
12位:福島県 144点
12位:新潟県 144点
14位:徳島県 143点
15位:栃木県 141点
16位:長崎県 139点
17位:千葉県 138点
18位:福井県 137点
19位:富山県 134点
20位:東京都 126点
20位:神奈川県 126点

積水ハウスが独自設定した「男性の家事・育児力」を決める指標は、以下の4つです。
 
1つ目は女性の評価で、男性が行っている家事・育児の数と、男性が子育てを楽しみ、家事や育児に積極的に関与しているかどうかの4段階評価。2つ目は男性の育休取得日数。3つ目は女性から見た男性の家事・育児時間。4つ目は男性本人による「家事・育児参加による幸福感」の4段階評価。
 
家事・育児力の数値については、この4指標5項目(男性が行う家事・育児の数、男性の家事・育児関与度、育休取得日数、男性の家事・育児時間、家事・育児幸福度)を数値化して都道府県別にランキングし、1位:47点〜47位:1点を付与して各項目の点数を足し上げることで算出したものです。
 
さて、唯一200点を超えてダントツ1位に輝いたのは、沖縄県でした。いわゆる主要都道府県といわれる中でTOP20に食い込んだのは、共に20位の東京都と神奈川県のみ。地方のほうが男性の家事・育児力が高いということなのでしょうか。
 
早速、TOP3の詳細を見てみましょう。

【「男性の家事・育児力」全国ランキング 2021 TOP3 の指標別スコア】

 
<1位:沖縄県>
・男性(夫)が行う家事・育児の数:7.0個
・男性(夫)の家事・育児関与度:0.63
・育休取得日数:4.9日
・男性(夫)の家事・育児時間:17.1時間/週
・家事・育児幸福度:1.15
 
<2位:鳥取県>
・男性(夫)が行う家事・育児の数:7.7個
・男性(夫)の家事・育児関与度:0.59
・育休取得日数:5.3日
・男性(夫)の家事・育児時間:15.4時間/週
・家事・育児幸福度:0.92
 
<3位:奈良県>
・男性(夫)が行う家事・育児の数:6.7個
・男性(夫)の家事・育児関与度:0.61
・育休取得日数:11.3日
・男性(夫)の家事・育児時間:16.0時間/週
・家事・育児幸福度:0.91
 
<2021年全国平均>
・男性(夫)が行う家事・育児の数:6.3個
・男性(夫)の家事・育児関与度:0.39
・育休取得日数:3.7日
・男性(夫)の家事・育児時間:13.3時間/週
・家事・育児幸福度:0.92

ほぼすべての項目で、全国平均をしっかり上回っています。奈良県の育休日数は頭ひとつ飛び抜けていますが、これは自治体・企業が協力してなにか積極的な取り組みをしているのかもしれません。
 
沖縄県については、男性の家事・育児幸福度が高いというところも好印象ですね。本人が嫌々やっていたりやらされていると感じていたりすれば、家事・育児も続かないでしょう。女性も男性も、協力して家事・育児を楽しむことが一番ですね。
 

男性の育休の実態とは

次に、男性の育休取得の実態を見てみましょう。
 

【男性の育休取得率(回答者:男性)2021年】

・20代:31.6%
・30代:15.3%
・40代: 9.4%
・50代: 7.9%

 
どの年代も、2019年の調査よりポイント数を上げてきています。これは、世の中に男性の育休が普及しつつある現れなのではないでしょうか。特に20代の若い男性の取得率が高いというのは、明るい未来の兆しともいえそうです。
 
ちなみに、育休取得男性の取得期間については以下のとおり。
 

【育休取得男性の取得期間(n=1,151)】

1位:1週間以内 56.5%
2位:1週間〜1ヶ月未満 25.4%
3位:1ヶ月以上 18.1%

 
多くの人は1週間以内の短期間にとどまっていることがわかります。1ヶ月以上しっかり育休をとる男性は、まだ2割以下なのですね。
 
女性としては正直夫が1週間育休をとったところで、トータル的な負担はほぼ変わらないという意見もあるのではないでしょうか。あっという間に過ぎ去ってしまう新生児の期間を夫婦で協力して過ごすことで、その後の家事・育児にもいい影響が与えられそうです。
 

育児休業給付金は、育休中の男性にも支給される

厚生労働省のイクメンプロジェクト(※2)では、男性の育休取得に関する情報がまとまっています。
 
男性の育休のポイントとしては、以下の3つ。


・夫婦で育休を取得すると、子が1歳2ヶ月まで休業可能。(父母それぞれが1年を超えない範囲)
・妻の産休中に夫が育休取得(出産後8週間以内)した場合、夫は2度目も取得可能。
・配偶者が専業主婦(夫)でも取得可能。

そして、気になる育児休業給付金については以下のとおり。


・育休中の男性にも給付金は支給される。
・夫婦で育休を取得した場合、それぞれに給付金が支給される。
・手取り賃金で比べると、育休前の最大約8割が支給される。

たとえ夫婦で育休をとったとしても、育休中に賃金が支払われないなど一定の要件を満たす場合には、それぞれに育児休業給付金が支給されます。
 
育児休業給付金は、育休開始時賃金の67%(休業開始から6ヶ月経過後は50%)が支給されるというもので、非課税のため所得税はかからず、もちろん翌年度の住民税算定額にも含まれません。
 
さらに、育休中の社会保険料は労使ともに免除され、給与所得がなければ雇用保険料も生じません。その結果、手取り賃金で比べると育休前の最大約8割が支給されるということになります。
 
育休をとりたくても収入が減るのが心配で休めない……と考えている男性も、ここまで補償があるとなると一歩踏み出せるのではないでしょうか。また別の問題として、本人は取得の意向が強くても企業が追いついていないというケースもあります。
 
最初に触れたように、来年4月の「育児・介護休業法」の改正(※3)で、企業側に雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置が義務化されます。さらに来年10月には、従来の育休とは別に「産後パパ育休」の創設も。
 
これからますます男性の育休が進み、家事・育児は男女共同で当たり前に行う時代が訪れることを期待したいですね。
 
出典
※1 積水ハウス株式会社「男性育休白書 2021」
※1 積水ハウス株式会社「男性育休白書 2021」
※2 厚生労働省イクメンプロジェクト「育児休業を取る 育児休業制度とは」
※3 厚生労働省イクメンプロジェクト「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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