更新日: 2021.10.21 暮らし

脱プラスチック。プラごみの現状と家計の支出との関係

執筆者 : 長崎元

脱プラスチック。プラごみの現状と家計の支出との関係
突然ですが、クイズです。
 
2015年に、世界で生産されたプラスチックの量は推計でどのくらいでしょう?
 
(1) 380万トン
(2) 3800万トン
(3) 3億8000万トン
 
正解は、(3)3億8000万トンです。
 
OECD(経済協力開発機構)によると、1950年の生産量はおよそ200万トンでしたが、生産量は右肩上がりで増加し、実に190倍となっています(※1)。
 
今回は、プラごみの現状を知り、プラごみを減らすために私たちができること、プラごみ削減を意識することで家計にどのような影響があるかを考えてみましょう。
 
長崎元

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

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プラスチックはどのくらい作られている?

プラスチックは安価で軽量。安全性も高いとされており、さらに加工がしやすいため、数十年という長い期間、重宝されてきました。
 
米ジョージア大の研究チームがアメリカの科学雑誌サイエンス・アドバンスで発表した調査(※2)では、1950年から2015年に生産されたプラスチックの総量は83億トンだとされています。
 
この数字は、人間全員の体重の約26倍にあたるというから驚きます。皆さんの身の回りにあるプラスチック製品は比較的軽量のものが多いと思います。例えばペットボトルやレジ袋です。一つひとつは簡単に持ち運べるものです。
 
それが積もりに積もって83億トンなので、いかに多く作られているのかが分かるのではないでしょうか?
 

プラごみはいま、どうなっている?

さて、このように大量に生産されているプラスチックですが、最終的にどうなっているかご存じでしょうか?
 
皆さん、予想はされているかと思いますが、大半は廃棄されています。廃棄されるということは、それだけ多くの人がたくさんのプラスチック製品を購入しているということです。
 
先述の研究チームの発表によると、1950年から2015年にかけて生産された83億トンのプラスチックのうち、約3分の2にあたる63億トンが「ごみ」になったとされています。
 
このごみの多くは埋め立て処理されます。残りの一部は焼却処理、一部はリサイクルされるのですが、残念ながらすべてのごみが適切に処理されることはなく、一部が海に流出しています。流出量は世界中で年間800万トン(環境省ホームページ(※3)より引用)とされています。
 
2019年11月下旬、英スコットランドの海岸に打ち上げられたクジラの体から100kgのプラスチックごみが発見されたとニュースで報道されました(※4)。胃がプラスチックで満たされ、他の餌を食べることができずに死んでしまったと考えられています。つまり餓死です。
 
これは一例にすぎません。浜に打ち上げられ、人間が解剖して調べたから分かった事実であり、海の中で人間に気づかれることなく去っていく生き物は少なくないのではないでしょうか?
 
近年、大きな話題となっているマイクロプラスチックもプラごみの一種です。
 
海中を漂っており、非常に細かいため回収が難しく、生物が意図せずに飲み込んでしまうため、生態系にも大きく関わる可能性が示唆されています。魚や海鳥の体内からマイクロプラスチックが発見されたというニュースを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
 
私たちの食卓に並ぶ魚にも、これが含まれている可能性は考えられます。他にも、ワカメなどの海藻類や調味料の塩、マイクロプラスチックはすでに私たちの生活にも深く関わっており、海の生き物だけの問題ではありません。
 
プラスチック製品は、生活の中にあふれています。例えば100円均一ショップにいけば、キッチンツールや掃除用具、食品、子どものおもちゃなど、あらゆるものが安価に手に入ります。
 
すべて100円(今はさまざまな価格の商品があります)という安さについ、「壊れたら捨てて買い替えればいいや」「試しに買ってみようかな。合わなければ捨てればいいや」と、気軽に購入してしまいがちです。
 
これはプラごみを増やすだけでなく、家計の支出という意味からも、あまり得策とはいえません。
 
安価なものが多く、買い替えがしやすいプラスチック製品。いま手に取った商品が本当に必要なものか、いますぐ買わなければいけないものかを、一度考えてみましょう。「いますぐは必要ない」という判断になれば、衝動買いや無駄遣いをひとつ減らすことができます。
 
無駄遣いが減ると当然家計の支出も減ります。家計を見直していくうちに、もしかしたら自然とプラごみを減らすことにもなるかもしれません。
 

私たちに何ができるか

世界中で問題となっているプラごみ。これに対して、私たち一人ひとりが向き合うことが必要です。
 
あまりに大きな問題なので、つい「私ひとりが何かしたとしても変わらない」と思ってしまうかもしれませんが、一人ひとりができることからやっていく。これが世界的な観点からは将来的に大きな結果につながります。
 
また、以下を試すことで、家計においても影響があるかもしれません。
 
では、私たちに何ができるか?1つは『3R』です。3つのRから始まる英単語を指しています。
 

(1) Reduce ・・・減らす

・買うものを減らしましょう
・レンタルを活用しましょう
 

(2) Reuse ・・・再利用する

・買い物袋を持参しましょう (レジ袋の利用は控えましょう)
・中古品を検討しましょう
・使い捨ての箸やストローはやめましょう
 

(3) Recycle ・・・再資源化

・ごみを分別して捨てましょう
 
この中で最も大事なのは、(1)Reduceです。ごみの量を抑える。これが最も効果的な対策と考えられています。
 
前述のように、安価なプラスチック製品は買い替えがしやすく、無駄遣いの原因になる可能性のあるもののひとつです。購入する頻度や個数を減らせば、ごみの量も減っていくでしょう。
 
一時的に必要だけど長期的には使用しないものなどは、わざわざ新品を購入せずレンタルや中古品をうまく活用すれば、お財布にも環境にも優しく働くかもしれません。私たちが今日からできそうなことを考えてみましょう。
 

1.買うものを減らしましょう。

食材なら、食べきれる分だけの購入を目指しましょう。
 

2.レンタルを活用しましょう。

継続的に必要なものかを考えてみて、一度きりの使用などであれば、レンタルやシェアを活用しましょう。無駄な出費も避けられて環境にも良く、一石二鳥です。
 

3.買い物袋を持参しましょう (レジ袋の利用は控えましょう)

 

4.中古品を検討しましょう

 

5.使い捨ての箸やストローはやめましょう

 

6.ごみを分別して捨てましょう

 
これを見てみると、今日からでもできそうなものがほとんどです。そして、その多くが、家計において実は出費を抑える効果もあります。
 
先ほど、3Rの中で最も大事なのがReduceと書きました。反対に、残念ながら最も効果が薄いとされているのが、Recycleです。
 
ごみの回収方法や再生品の品質・価格などで多くの課題があり、プラごみのリサイクル率は高くありません。私たち一人ひとりの取り組みのみならず、国や世界的な対応が求められます。
 
まずは、個人でできること、「減らす・再利用する・分別して捨てる」
 
今日から少し意識してみませんか?
 
家計において、一つひとつの経済的なメリットは決して大きくありませんが、これを機に「地球環境を意識すると毎月どれだけ出費が抑えられるのか?」を計算してみるのも面白いのではないでしょうか。
 
もしかしたら、プラごみを減らすことで家計に変化があらわれ、新たな側面から家計を見直すきっかけになるかもしれません。
 
出典
(※1)OECD(経済協力開発機構)ホームページ
(※2)Science Advances「Production, use, and fate of all plastics ever made」
(※3)環境省「海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取組」
(※4)NIKKEI STYLE「クジラの胃に100 キロのごみ なぜプラスチック食べる」
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

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