更新日: 2021.10.29 その他暮らし

テレワークが資格チャレンジを後押し! 今さらですが、そこでの基本の「き」とは?

執筆者 : 上野慎一

テレワークが資格チャレンジを後押し! 今さらですが、そこでの基本の「き」とは?
長引くコロナ禍で、在宅テレワークが当たり前のようになってきました。今まで思いもよらなかった時間が生まれますが、その使い方は人それぞれでしょう。折角の機会なので、資格や検定の試験にチャレンジしてみよう。そんな方も少なくないようです。
上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

テレワークをきっかけに資格チャレンジ

株式会社レボが、テレワークをしている全国の20代から40代の男女1099人に聞いた「自由な時間とその使い方」の調査(※)では、次のような概要が分かります。
 

<テレワークになってから自由な時間は?>

「増えた」が80.3%。増えた時間は「1時間以上2時間未満」38.2%、「2時間以上3時間未満」32.7%など。

 

<増えた自由な時間をどのように使っている?>(複数回答可)

「睡眠」41.6%、「趣味」37.9%、「運動」34.4%、「家族との団らん」28.8%、「自己投資(資格の勉強など)」23.7%など。

 

<自己投資のためなら月額いくらまで費用をかけられる?>

「4000円以上6000円未満」21.1%、「2000円未満」20.9%、「10000円以上」20.9%など。

 

<現在、資格の勉強をしている?>

「はい」40.7%。資格の上位は「簿記」17.1%、「ファイナンシャルプランナー」14.4%、「宅地建物取引士」11.0%など。

 
時間の余裕ができた一方、コロナ禍による将来への不安もある。この調査結果からも、そんな心情が感じられます。
 

試験に多い「択一式」の問題

ところで、複数の選択肢から正解を1つ選ぶ「択一式」の試験問題は、世の中にとてもたくさんあります。例えば選択肢が4つならば、「4択」といわれます。記述式や論述式の問題と組み合わせた試験もあれば、全部が択一問題のものもあります。
 
択一問題だけにすれば、採点結果が採点者によってブレないので公平です。マークシート方式と組み合わせると、採点作業のための手間や時間も省きやすくなり、合否の判定や発表を早めることができます。
 

「当てずっぽう」が正解になる確率はどのくらい?

こうした択一問題、「まったく分からない」問題を当てずっぽうで解答したとしても、結果的に正解になる可能性はあります。

仮に、4択問題全50問の試験で「まったく分からない」問題が8問あって、全部を当てずっぽうで解答したとしましょう。この8問のどれか1問でも正解になる可能性は、どのくらいあるでしょうか。
 
4択なので4分の1、つまり25%くらいだろうと直感的に考えるかもしれません。しかし結論は、ほぼ90%です。意外なくらい高く感じられますが、【図表1】のとおりです。
 

 
まったく分からない問題に何も解答しなければ、確実に得点はありません。しかし、この例で8問とも当てずっぽうで解答しておけば、少なくとも1問が正解で得点となる確率は、ほぼ90%もあるのです。
 
また、外国語の検定試験(全問択一のマークシート方式)で“都市伝説”のような受験テクニックの話を聞いたことがあります。半分を占めるリスニング試験で、その言語で[まず問題が読まれ、続いて解答の選択肢が順番に読まれていく]パターンの場面に関するものです。
 
話の内容は、「正解の選択肢が読まれたときに、自信のある人はすぐにマークをする。周囲の机に響く鉛筆のマーク音が一番大きかった選択肢こそ、正解の可能性が高いのだ」というものです。全受験者が同じタイミングで同じ問題に耳をすましながら取り組む状況での、1つの指摘なのでしょう。
 

まとめ

先述の「当てずっぽう」や“都市伝説”のようなテクニック。勉強や学習の本質とはまったく無関係のものです。とはいえ、択一問題ならばまったく分からないときでも、どれか解答しておけば得点が積み上がる可能性が高まるのは、そのとおりでしょう。
 
自己投資として資格試験や検定試験へチャレンジするには、勉強のために毎月数千円台、場合によっては1万円超えのおカネを続けて投じるかもしれません。受験料だって、1回で数千円台や1万円超えの負担となります。
 
しかも資格や検定は、合格した後も実力を定点観測されるケースが少なくありません。資格を継続するにはフォローアップの研修やテストの受講が必須だったり、近時に受験した検定スコアでないと実力として認められない。そんなことも珍しくないのです。
 
そのとき(たまたまも含めて)合格することよりも、いつでも(合格水準以上の)一定レベルの実力を保持しているのが目指すべき本質です。いまさらですが、時間と手間とおカネを折角投じるのであれば、合格はゴールではなくスタートラインであるとの認識が肝要なのでしょう。
 
[出典]
(※)株式会社レボ「【テレワーク中の男女1,099人に大調査!】テレワークになってから自由時間が増えた方は8割!増えた自由時間の使い道とは…?」(PR TIMES 2020年11月12日リリース)
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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