更新日: 2021.11.09 その他暮らし

神奈川県の飲食店への協力金の交付状況って?

神奈川県の飲食店への協力金の交付状況って?
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が8月下旬より急速に減少し、神奈川県では、9月末に緊急事態宣言が解除されました(2021年10月時点)。これまで行われていた「飲食店への時短要請」も、10月をもって解除され、同時に協力金の交付も終了となりました。
 
今回は、さまざまな議論を呼んだ「飲食店への協力金」について、振り返って考えてみたいと思います。
長崎元

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

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新型コロナ、飲食店への協力金とは

協力金は、そもそも国が飲食店が新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関係していると判断し、飲食店に対し休業もしくは時間短縮営業を求め、それに対する補償として交付されています。
 
金額は全国一律ではなく、また、同じ都道府県内においても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置区域が発出されている地域と、そうでない地域では交付額が異なります。
 
例えば神奈川県の横浜市の場合、3月8日から3月21日までの緊急事態宣言中は、1日あたり6万円が交付されていましたが、10月以降は1日あたり2.5万円に減額されています。この額は下限であり、店の売上によっては最大20万円が交付される仕組みです。
 
お店を休んでいてもお金が入ってくるというのは、うらやましいと思うかもしれませんが、休業もしくは時短営業をしているので、いつもどおりの売上は見込めない状況にあります。
 
そのマイナス分を補てんするための協力金というのが本来の趣旨であると考えると、1日の交付額が2.5万円というのは、従業員を数人雇っている規模の飲食店さんでは厳しいのではないかと感じます。
 
反対に、通常の営業時でも1日の売上が2.5万円以下のお店にとっては、何もせずとも平時よりも良い状況となりました。不公平感が否めない部分もありますが、金額の公平さよりも、素早い対応を優先した結果なので、仕方ないのではないかと筆者は考えます。
 

協力金の交付状況は?

協力金を申請しても、なかなか交付されないといったご相談を受けることもあります。実際どうなのでしょうか。神奈川県の交付状況を下記に示します。
 


 
神奈川県では、2万5000件程度の飲食店が協力金の申請をしています。
 
上図の第14弾を見てみると、9月1日から9月30日までの分の協力金の申請を1万8000件の飲食店が申請し、10月21日時点で1万1000件の手続きが終わったとあります。10月1日から申請を受け付けており、およそ3週間で6割の飲食店が協力金を受け取っていることになります。
 
神奈川県に絞って考えると、それほど「遅い」とは思えませんが、ここは各自治体によるのでしょう。
 

協力金の税金対策

すべての協力金を受け取った場合、その総額は1000万円を超えます。これは【課税対象】となります。
 
飲食店の場合、普段は食材の仕入れなどがあるので、仮に売上が1000万円だったとしても、経費を差し引いた利益は1000万よりずっと少なくなるはずです。しかし、協力金は、そのほぼすべてが利益となります。
 
そのため、今度の確定申告で多額の納税が発生する可能性があります。特に、月々の固定費が少額であることが多い、小規模の飲食店は要注意です。
 
経費をごまかす行為は当然ながら厳禁です。しかし、必要な箇所にはしっかりと支出するなど、手遅れにならないうちに、税金対策をしたほうが良いでしょう。
 
協力金の使い道が決まっていないなら、店舗のコロナ対策を徹底したり、コロナ禍で離れた客足を戻すための宣伝を行ったりするなど、有意義に使っていただきたいと思います。
 
10月をもって終了した協力金。交付されたお金は、コロナ禍を生き抜くために使われ、そして、これからの発展のために使われることを願います。
 
出典
神奈川県 ホームページ
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

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