更新日: 2021.12.04 子育て
「ウチはぎりぎり児童手当の対象」そう呟く友人の世帯年収はどれくらい?
現在の児童手当は所得が一定以上になると「特例給付」の対象となり、児童手当の金額が一般的な受給額より少なくなります。また、2022年10月の児童手当見直し後は、年収が1200万円以上になると手当を受け取れなくなりました。
児童手当の仕組みや条件を知ることで、友人の年収を予測しやすくなります。ここでは、現在の児童手当と、見直し後の内容や条件について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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児童手当とは
児童手当とは、児童の健全な育成に資することなどを目的とした制度で、児童を養育する方に手当が支給されます。過去には「子ども手当」と呼ばれていました。
児童手当の支給額は児童1人につき月額1万〜1万5000円で、年3回(原則として2月・6月・10月)に支給されます。ただし、所得が一定以上ある方は月額で1人あたり一律5000円支給となります。
児童手当の具体的な支給対象と支給額について見ていきましょう。
支給対象
児童手当の支給対象は、0歳〜中学校卒業までの児童を養育している方です。「中学校卒業まで」とは、15歳の誕生日後の最初の3月31日までになります。そのため、養育している子どもが高校生や大学生の場合は、児童手当はもらえません。
支給額
児童手当の支給額は、児童の年齢により異なります。図表1は児童の年齢と児童1人あたりの月額です。
【図表1】
児童の年齢 | 児童手当の支給額 (1人あたり月額) |
3歳未満 | 一律1万5000円 |
3歳以上 小学校修了前 |
1万円 ※第3子以降は1万5000円 |
中学生 | 一律1万円 |
※内閣府「児童手当制度のご案内」より
このように、児童手当は児童1人につき月額1万〜1万5000円となります。例えば、3歳未満の児童を養育している場合は、年間18万円の手当を受け取ることができます。
児童手当の所得制限
現在の児童手当は、児童を養育している方の所得が制限限度額以上になると、特例給付が適用されます。特例給付は児童の年齢に関わらず、月額一律5000円です。つまり、所得額が一定以上の場合は、児童手当の金額が一般的な受給額より少なくなります。
所得制限限度額は、扶養親族等の数により変わります。図表2は、扶養親族等の数に応じた、所得制限限度額と収入額の目安です。
【図表2】
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 収入額目安 |
---|---|---|
0人 (前年末に児童が生まれていない など) |
622万円 | 833万3000円 |
1人 (児童1人 など) |
660万円 | 875万6000円 |
2人 (児童1人 + 年収103万円以下の配偶者 など) |
698万円 | 917万8000円 |
3人 (児童2人 + 年収103万円以下の配偶者 など) |
736万円 | 960万円 |
4人 (児童3人 + 年収103万円以下の配偶者 など) |
774万円 | 1002万円 |
5人 (児童4人 + 年収103万円以下の配偶者 など) |
812万円 | 1040万円 |
※内閣府「児童手当制度のご案内」より
所得が上記の所得制限限度額以上ある場合は、特例給付の対象となります。
2022年10月から児童手当の見直し
2021年5月に一部の高所得者世帯の児童手当を廃止する改正児童手当関連法が可決、成立し、2022年10月から児童手当が大きく変わることになりました。
具体的には、世帯主の年収が1200万円以上の場合は児童手当がなくなります。一方で、年収960万円〜1200万円未満の特例給付は継続されます。0歳〜中学校卒業までの15年間で児童1人につき90万円(特例給付月額5000円×15年)受給できたのが0円となると、大きな違いです。
児童手当が見直しとなる理由は、待機児童対策として保育施設を整備する財源を捻出するためです。年収1200万円以上の人が児童手当の対象から外れることで、約370億円が拠出できる見込みです。これにより、2024年度末までに14万人分の保育施設を整備する計画となります。
このように、2022年10月以降からは、世帯主年収が1200万円以上の場合は児童手当が受けられなくなります。
友人の世帯年収は1200万円以上の可能性
現在の児童手当は所得制限限度額以上になると、特例給付として児童1人につき月額一律5000円となります。そして、2022年10月からは世帯主年収が1200万円以上の場合、児童手当は受けられなくなります。特例給付もありません。
「ウチはぎりぎり児童手当の対象」と話した友人が「現在の児童手当」と「見直し後の児童手当」、どちらを指して言ったのかは分かりません。
もし、見直し後の児童手当について話していたのであれば、世帯主の年収は1200万円近い金額であることが予想されます。共働きであれば、世帯年収が1200万円以上の可能性が高いでしょう。
出典
内閣府「児童手当制度の概要」
内閣府「児童手当制度のご案内」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員