更新日: 2021.12.08 子育て
高3の春に申し込みした奨学金の予約採用。結果はいつ分かる?
これらの奨学金制度を利用するにあたっては、それぞれに決められている選考基準(学力基準)を満たすと同時に、家計基準についても満たす必要があります。
また、これらの奨学金は制度を利用しようと思う前年の春から申し込むことができます。今回は日本学生支援機構の奨学金におけるのそれぞれの制度と、予約採用の流れについて解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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給付型奨学金
給付型の奨学金は、返済不要の奨学金です。貸与型と比べ、選考基準および家計基準が厳しく設定されている点が特徴となっています。給付型奨学金の選考基準および家計基準については次のとおりです。
■選考基準
本人が大学への進学を希望しており、翌年に高等学校を卒業予定もしくは高等学校卒業後2年以内であること、という申し込み要件を満たしていることが必要です。さらに、高等学校での履修科目(全科目)の評価平均値が、5段階評価で3.5以上あることが必要です。
■家計基準
奨学金を受ける際の家計基準は3つに区分されており、住民税の所得割が非課税であることや、非課税でなくても、支給基準額が設定された額以下である必要があります。
貸与型奨学金
貸与型の奨学金には、無利子である第1種奨学金と有利子である第2種奨学金があり、選考基準や家計基準もそれぞれによって異なります(申し込み要件は給付型奨学金と同じです)。そして、この貸与型奨学金は給付型奨学金と併用でき、かつ、第1種奨学金と第2種奨学金を併用できます。
■選考基準
第1種奨学金の場合、高校入学から申込時までの学力基準が、その履修科目すべてにおいて5段階で3.5以上あることが必要です。ただし、経済的に進学が困難な課程によっては、3.5以上でなくても基準を満たすと認められることもあります。
第2種奨学金の場合は、申込時までの学習成績が平均以上であることや、特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者など、求められるいずれかの要件に合うことが必要です。
■家計基準
収入基準については、希望する奨学金が第1種奨学金か第2種奨学金かで異なり、第2種のほうが緩やかな基準となっています。また第1種奨学金と第2種奨学金は併用することができ、その際の収入基準についても世帯人員、就学者の有無等によって定められていますので、注意が必要です。
奨学金の申し込みの流れ
大学入学1年前(在校であれば高校3年生、卒業生であれば卒業後2年以内)の5月頃もしくは秋(10月頃)、高等学校より必要書類を受け取り、インターネットにて申し込みを行います。その際、必要書類は高等学校に提出します。
ただし、高等学校卒業程度認定試験合格者(合格見込み者を含む)の予約採用については、日本学生支援機構への直接申し込みとなります。
申し込み後1週間以内に奨学金を受ける本人と、その生計維持者のマイナンバー情報を日本学生支援機構に提出します。その際には簡易書留にて郵送する必要があります。
■採用結果通知
5月頃に申し込んだ結果、採用されたかどうかの通知が秋から冬の間に行われます。奨学金の採用・不採用にかかわらず、採用結果は学校を通して通知されます。採用された人には「採用候補者決定通知書」が交付されます。
■進学届の提出
希望した大学に合格し、入学した際には、日本学生支援機構に対して進学届を提出する必要があります。この提出は、進学先の学校が指定する期間までにインターネットにて行います。
■採用決定
進学届が確認されたら、正式な採用決定となり、奨学金の振り込みが開始されます。ここで気をつけていただきたいのは、奨学金の振り込みは入学後に行われるということです。
入学前に支払う前期の学費や受験費用、さらに自宅外通学者の生活準備費用などについては、自分たちで用意する必要があるということです。ちなみに、春に振り込まれる奨学金は後期の学費支払いのために貯めておくこととなります。
■支給中の確認
奨学金の採用が決定し、支給されている間も家計の状況や大学での成績状況について調査が行われます。成績状況が悪い場合は奨学金の支給が廃止となる可能性もあります。
また毎年、翌年も奨学金の給付もしくは貸与を希望するかどうかの確認が行われますので、希望する際には「継続願」を忘れずに提出するようにしましょう。継続願の提出がなかった場合、翌年の奨学金は支払われません。
まとめ
奨学金は経済的な理由で進学を断念することがないよう、誰もが平等に教育を受ける権利があるという理念のもとでつくられた制度です。年々、奨学金の利用者は増えており、関心および需要の高さがうかがえます。
また、その中で、大学卒業後に返還できず悩んでいる方もおられるようです。
大学に進学する際には、実際にどのくらいの費用がかかるのかを知り、それでも大学で勉強したいのかを考えるとともに、貸与型奨学金を利用する際には、どのくらいの費用が借りられるのかとともに、どのくらいの貸与であれば将来無理なく返していけるかどうかも合わせて考えることが大切です。
出典
日本学生支援機構 ホームページ
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員