更新日: 2021.12.14 その他暮らし

コロナ禍でも注目!補助金、助成金、給付金の違いとは?

コロナ禍でも注目!補助金、助成金、給付金の違いとは?
新型コロナウイルス感染症対策の一環として、国や地方公共団体によるさまざまな経済対策が打ち出されています。その名称には「○○補助金」「○○助成金」「○○給付金」などがありますが、それぞれの違いや特徴は何でしょうか?
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

3つに共通する点

補助金、助成金、給付金の3つに共通していえることは、融資や貸し付けと違い、返済(返還)を必要としないお金であるという点です。
 
管轄はさまざまですが、補助金と助成金は国や地方公共団体であるのに対して、給付金の場合は民間の保険会社との契約で、例えば入院や手術をした場合に給付される入院給付金や手術給付金などがあります。
 
また、2020年に新型コロナウイルス感染症の影響による生活支援策として、一律10万円が給付された「特別定額給付金」についても記憶に新しいところです。
 
当然ながら、この3つのいずれについても不正受給に対しては罰則があります。タダでもらえるのをいいことに不正に受給した場合には、加算金の徴収やホームページなどでの事業主名の公表、詐欺罪による起訴などもあり得ます。
 

〇〇補助金の特徴

〇〇補助金という名称がつくものは、主に国の政策目標を実現するための事業や取り組みに対して交付されるお金のことを指し、経済産業省や地方公共団体が所管するものが多くあります。
 
例えば、国の脱炭素社会実現に向けた政策として、二酸化炭素の排出量が少ない車や排出量ゼロの車を購入する場合に「エコカー補助金」や「EV補助金」などが交付されますが、補助金の場合は財源が税金であることもあり、使用使途は制限されていることがほとんどです。
 
また、あらかじめ予算や件数が決められているため、一定の期間内に予算枠を限度として公募される場合が多く、申請したものの交付されないケースもあり得ます。基本的には予算枠内での狭き門であることが特徴といえます。
 
なお、使用使途が限定されていることから、交付が決定した後にも補助金が適切な使途に用いられているかなど、審査や報告を要する場合もあります。
 

〇〇助成金の特徴

〇〇助成金という名称がつくものは、国や地方自治体が事業者などを支援するために交付するお金です。雇用対策や人材育成などの労働環境に関する支援金などが主に挙げられ、厚生労働省の所管によるケースが多くあります。
 
助成金の使用使途や公募期間などのハードルは、補助金よりは厳しくないのが特徴です。一般的には条件を満たしていれば申請により受給することができるため、審査も補助金に比べると厳しくないといわれています。また、公募期間も一定の期間に限らず、通年で募集される場合が多いのも特徴の1つです。
 
また、コロナ禍においては「雇用調整助成金」という言葉がよく聞かれました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により一定以上の売上減などがあった事業者が、従業者の雇用を維持するために休業手当を支払うことに対して助成を行う制度です。
 

〇〇給付金の特徴

前述の補助金や助成金の場合は、申請して一定の審査を受け、条件を満たすことでもらえるお金であるのに対して、〇〇給付金は、一定の条件や状況(入院や手術など)に該当する場合に申請することで受け取れるお金です。
 
例えば、2020年から2021年にかけては「持続化給付金」として、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が前年同月比50%以上減少している事業者に、事業の継続を下支えする目的として給付金が支給されました。
 
給付金は申請すれば比較的簡単に受給できるため、持続化給付金では詐欺や不正受給、自主返還なども話題となりました。
 

まとめ

このように補助金、助成金、給付金のそれぞれで目的や手続きなどに違いがあります。また、これらのお金を個人事業主であれ、法人であれ、事業のために受け取った場合には、原則として収益計上し、課税対象となるのが基本です。
 
いずれにしろ、私たち一人ひとりが負担している税金からも支払われることとなるこうしたお金が、本当に困っている方に適切に支給され、事業の継続などに有効に使用されることを切に願っています。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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