更新日: 2022.01.05 その他暮らし

はじめての補助金、事業者が申請前に知っておきたいこと

はじめての補助金、事業者が申請前に知っておきたいこと
2021年12月時点、現在は新型コロナウイルス感染症の新規感染者数も落ち着いていますが、オミクロン株も出てきており、まだまだ予断を許さない状況です。2021年は新型コロナの話題で持ち切りでした。2022年はどうなるのでしょうか?
 
この新型コロナ、『補助金』についても世間に影響を与えました。例えば、事業再構築補助金。新型コロナの影響を受けた事業者が、ポストコロナ・ウィズコロナを見据え、思い切った事業再構築を行うことを支援するために生まれた補助金です。
 
この補助金は、来期も継続されることが発表されました。他にも、人との接触を減らすことを目的とした補助金も登場しました。
 
補助金は、何かを始めるときに金銭的なサポートを受けられる制度です。しかし、いざ補助金を使おうとなったら、ご自身で申請できるでしょうか? 補助金は種類も多く、申請方法なども異なります。
 
そこで今回は、補助金を利用する前に、最低限知っておきたいことについてまとめてみます。
長崎元

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

長崎元行政書士事務所 HP
https://www.office-hnagasaki.com/

知っておきたいこと(1) 補助金には種類がある

ひと言に補助金といっても、いくつもの種類に分けられています。そして、それぞれに【政策目標】と呼ばれる、補助金の趣旨・目的が設定されています。
 
事業者さんがやりたいことがあっても、それが補助金の政策目標に沿っていないと、いくら申請しても補助金はおりません。そのため、数ある補助金の中から、自身が行おうとしている事業にマッチする補助金を見つけることが不可欠です。
 
一例として、よく使われる補助金と、その政策目標を挙げます。
 


(中小企業庁「ものづくり補助金とは」(※1)、中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(一般型)」(※2)、中央企業庁「事業再構築補助金」(※3)などを参考に、筆者作成)
 
例えば「会社のチラシやホームページを作る」。これは一般的には販路開拓です。「事業再構築補助金」に申請したとしても、政策目標に沿わないため、不採択となる可能性が高いです。
 

知っておきたいこと(2) 補助金は原則後払い

補助金は原則として後払いです。すべての支払いを終え、それを報告した後、補助金を受け取ります。つまり、一時的にではありますが、全額を自己資金から支出する必要があります。
 
「1000万円かかることをやりたい。でも、3分の2が補助されるから、350万円用意しておけば良い」ということかというと、それは違います。まずは、全額1000万円を自身で支払う必要があります。
 
最終的に3分の2の金額が戻ってくるのですが、途中の資金繰りについても十分に計画しておく必要があります。
 

知っておきたいこと(3) 審査がある

補助金には審査があります。申請すればお金がもらえるというものではありません。補助金には予算があり、その範囲内で事業者にお金が分配されます。補助金は、いうなれば「事業者のコンペ」です。
 
何をやりたいか、いくらかかるのか、それを行うとどうなるのか、などさまざまな点が審査され、より良いアイデアを持った事業者が、補助金を受け取れるシステムです。
 
そのため、「お金をもらえるならホームページを作ろうかな」「補助金がもらえるし、この機会に機器類を買い代えよう」などの理由では、補助金を受け取りづらいでしょう。
 
審査があることを念頭に、審査をパスできる“計画”を作る必要があります。“補助金はコンペである”ことを意識した計画書づくりが、審査をパスする重要なポイントとなります。
 
今回は、初歩的なポイント3点お伝えしました。補助金は非常に有用である反面、種類も多く、申請するための条件が設けられていることを多々あるので、分かりづらい制度であるともいえます。
 
また、時間をかけて申請したのに、不備があって落とされてしまうケースもあります。これは、とてももったいないです。補助金について正しく理解をし、ご自身のビジネスに有効活用していただきたいと思います。
 
(※1)中小企業庁「ものづくり補助金とは」
(※2)中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(一般型)」
(※3)中央企業庁「事業再構築補助金」
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

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