更新日: 2022.01.09 子育て
児童手当の概要をおさらい。所得制限はどうなっている?
本記事では児童手当の概要と所得制限、また所得制限を超えた場合の「特例給付」について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当とは?
児童手当とは、児童手当法に基づき国、都道府県、市町村の予算から支給される手当のことです。支給対象となるのは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日)の児童を養育している人です。
基本的には父母のどちらかへの支給となりますが、別居している場合は児童と同居している親に支給、また両親とも海外在住の場合は国内で養育している人への支給となり、子育てのために利用されるよう設計されています。
児童手当の金額はいくら?
児童手当の金額は図表1のようになっています。
【図表1】
児童の年齢 | 児童手当の額(1人当たり月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律1万5000円 |
3歳以上、小学校修了前 | 1万円(第3子以降は1万5000円) |
中学生 | 一律1万円 |
※内閣府 「児童手当制度のご案内」より筆者作成
児童手当の受給については所得制限があり、一定の所得を超えている場合は児童の年齢に関係なく、1人当たり月額一律5000円が特例給付として支給されます。
ただし、特例給付は令和3年5月の法改正により、令和4年10月分以降、年収1200万円以上(扶養親族等が3人の場合)の方については支給の対象外となってしまいました。この改正の影響を受ける児童は約61万人で、これまで対象であった人数の4%程度とのことです。
なお、児童手当を受け取るには、児童の出生時や転居時に市区町村に申請し、認定を受ける必要があります。手当ては毎年2月、6月、10月に、前月までの分がまとめて市区町村から支給されますが、公務員の場合は勤務先からの支給となります。
所得制限はどうなっている?
では、児童を養育する人の所得制限はどうなっているのでしょうか。所得については控除など個人の状況により変わることから、あくまで目安となりますが、図表2のように示されています。
【図表2】児童手当の対象となるための基準
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 収入額の目安 |
---|---|---|
0人 (前年末に児童が生まれていない場合 など) |
622万円 | 833.3万円 |
1人 (児童1人の場合 など) |
660万円 | 875.6万円 |
2人 (児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
698万円 | 917.8万円 |
3人 (児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
736万円 | 960万円 |
4人 (児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
774万円 | 1002万円 |
5人 (児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
812万円 | 1040万円 |
※内閣府 「児童手当制度のご案内」より筆者作成
図表2で分かるように、扶養親族の人数などで変わりますが、右側の「収入額の目安」がおおむね額面の給与で、「所得制限限度額」は源泉徴収票に記載される所得金額です。
この限度額を超えた場合には、先に述べた特例給付の対象となり、児童1人につき月額5000円が支給されます。ただし、令和4年10月分以降は、図表3の限度額を超えた場合は特例給付についても対象外となります。
【図表3】特例給付の対象となるための基準(令和4年10月分以降)
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 収入額の目安 |
---|---|---|
0人 (前年末に児童が生まれていない場合 など) |
858万円 | 1071万円 |
1人 (児童1人の場合 など) |
896万円 | 1124万円 |
2人 (児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
934万円 | 1162万円 |
3人 (児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
972万円 | 1200万円 |
4人 (児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
1010万円 | 1238万円 |
5人 (児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 など) |
1048万円 | 1276万円 |
※内閣府 「令和3年児童手当見直しに関する全国説明会資料」より筆者作成
必要な手続きは?
児童手当は子どもの出生日の翌日から15日以内に、お住まいの市区町村に支給の申請が必要です(公務員の場合は勤務先に届け出・申請)。
前年の所得額などを基に認定を受けた場合、原則、申請の翌月から支給が開始され、その後は毎年6月に、児童の養育や生計関係を確認するための現状届を提出し、要件を満たしている場合は給付が継続されます(現況届について令和4年6月からは、住民基礎台帳や税金の情報を基に確認を行うことで届出義務が原則廃止なり、手続きが簡略化される予定です)。
なお、出生日が月末に近く、申請日が翌月となった場合でも、15日以内の申請であれば特例的に申請月から児童手当が支給されます。
また、引っ越しなどで他の市区町村に住所が変わった、離婚などで名字が変わったという場合も、15日以内に変更の届け出が必要となります。そのほか、公務員になった場合、公務員でなくなった場合については、勤務先と市区町村の両方へ届け出が必要です。
まとめ
以上、児童手当について簡単に説明しました。子どもが生まれてから中学校卒業まで、総額で200万円近くが児童手当で給付されます。特例給付でも総額90万円です。
申請の手続きを忘れてしまうと、子どものために使える収入が減ってしまいますので、住所変更などがあった場合でも早めに手続きを行うようにしましょう。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
内閣府 令和3年児童手当見直しに関する全国説明会資料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部