更新日: 2022.01.20 暮らし

30代共働き夫婦の相談事例「住宅購入したら、第2子をあきらめないといけない?」

執筆者 : 蟹山淳子

30代共働き夫婦の相談事例「住宅購入したら、第2子をあきらめないといけない?」
ファイナンシャル・プランナーには、住宅購入資金の相談が多く寄せられます。30代で共働きのご夫婦からは「子どもが1人いるのですが、住宅購入したら第2子は無理でしょうか」というお悩みを聞くことがあります。もしかしたら、同じような悩みを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
 
住宅購入と第2子出産を両方かなえるためのアドバイスをお伝えします。
 
【相談事例】


Yさんは36歳、妻は38歳で共働き。子どもが1人(3歳)いて、妻は時短勤務をしています。コロナ禍で家にいることが多くなり、住宅購入を考え始めました。たまたま近所に建築中のマンションを見に行ったところ気に入り、購入検討中。資金に多少の無理はあるものの、なんとか買えそうです。ただ、そのマンションを買ったら、2人目の子どもは無理かもしれないと不安になりました。
 
年収 夫:400万円
     妻:250万円(フルタイム勤務に戻れば450万円)
貯蓄 夫:100万円、妻:300万円
現在の家賃:12万円/月
マンション価格:5000万円
借り入れ予定の住宅ローン:変動金利0.7%、35年返済
借入額:5000万円、毎月返済額:約13万円



 
蟹山淳子

宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
蟹山FPオフィス代表
大学卒業後、銀行勤務を経て専業主婦となり、二世帯住宅で夫の両親と同居、2人の子どもを育てる。1997年夫と死別、シングルマザーとなる。以後、自身の資産管理、義父の認知症介護、相続など、自分でプランを立てながら対応。2004年CFP取得。2011年慶應義塾大学経済学部(通信過程)卒業。2015年、日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。2016年日本FP協会、広報センタースタッフ。子どもの受験は幼稚園から大学まですべて経験。3回の介護と3回の相続を経験。その他、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー等の資格も保有。

住宅購入はできるか?

ご夫婦の現在の手取り収入は約540万円です。「生活費がどのくらいかかっているか把握できていない」そうですが、年間の貯蓄は50万円程度とのことですから、家賃以外に約320万円の支出があることになります。現在の家計から住宅費はあまり増やす余裕はないでしょう。
 
住宅購入には住宅ローンの手数料や登記費用をはじめ、引っ越し費用や家具の購入費などの諸費用がかかります。諸費用にマンション価格の5%を見込むとすれば250万円。これを貯蓄から支出すると、150万円しか残らないので、マンション購入費の5000万円はすべて住宅ローンで賄わなければなりません。
 
妻が働き続けることが前提なら審査は通りそうですが、貯蓄が150万円になってしまうので、金利上昇した場合や予測できないアクシデントがあった場合の家計がかなり不安です。
 
マンション購入後の家計を考えると、現在の家賃と住宅ローン返済額の差は月1万円ですから、今のままでもなんとかやりくりすれば住宅ローンの返済はしていけそうです。
 
ただYさんの計画にはなかったのですが、住宅維持費用として、マンションの管理費、修繕積立金、固定資産税などがかかります。調べたところ、検討中のマンションの場合には年間約42万円(3.5万円/月)かかるそうです。この負担で家計はかなり苦しくなります。
 
それでも奥さまがフルタイム勤務に戻れば、手取り収入は約160万円増える見込みなので、住宅購入してもやっていけそうです。お子さんは3歳になったので、「そろそろフルタイム勤務に戻っても大丈夫そう」とのことでした。ただし、もう一度育児休業と時短勤務の期間を取ることはできなくなるので、第2子はあきらめなければなりません。
 

第2子をあきらめる?

Yさんご夫婦は奥さまがフルタイム勤務に戻ることを前提に、住宅購入可能という検討結果になりました。でも、ご夫婦には第2子がほしいという希望もあり、まだ住宅購入を迷っています。ここで重要になるのは優先順位です。
 
ライフプランにはたくさんの夢や目標がありますが、すべてをかなえるのは難しいことです。優先順位をつけて順位の高いものから実現することを考えましょう。ご夫婦が住宅購入を迷っているのは、第2子の優先順位が高いからかもしれません。
 
いろいろお話を伺って相談した結果、今回は住宅購入を見送り、まずは第2子の誕生を待つことにしました。ただし、妻の年齢(38歳)やお子さんの年齢(3歳)を考えて、2年間の期限を設けます。
 
また、Yさんご夫婦はこれまで家計の状況を把握できていなかったので、家計を見直してスリム化し、住宅購入に備えます。今まで特に目標がなかったので、あまり貯蓄しようと思わなかったそうですが、住宅購入という目標ができれば、これまでより貯めやすくなるでしょう。
 
住宅購入は、今より幸せになるためにするものです。無理な資金プランで家を買い、家計が苦しい状態が続いては元も子もありません。次に住宅購入を考えるときは最初に予算を決めることも大切なポイントとしてお伝えしました。
 
執筆者:蟹山淳子
CFP(R)認定者

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