更新日: 2022.02.10 子育て
一人暮らしの大学生の家賃・食費・スマホ代…親はどこまで出す?
特に一人暮らしの場合、仕送り額を抑え過ぎた結果、子どもがアルバイトで忙しくなって学業に身が入らないのは望ましくありませんが、自身の老後資金の準備のことを考えると、必要以上の出費はなるべく避けたいところですよね。
そこで今回は、大学生にかかる費用についての調査結果を見ながら、親はどこまで援助すればいいのか考えていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家庭からの援助の実態は?
まずは独立行政法人 日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査集計表 大学昼間部(速報値)」から、親からの援助や仕送り額の平均を見てみましょう。
大学生の居住形態別に年間の「家庭からの給付」がまとめられていますが、それを12ヶ月で割って1ヶ月当たりの平均額としています。
【図表1】
単位(円)
自宅 | 学生寮 | 下宿・アパートなど | |
---|---|---|---|
国立大学 | 4万9083 | 5万4983 | 9万7067 |
公立大学 | 4万3200 | 6万3967 | 8万1775 |
私立大学 | 8万5033 | 11万7842 | 136万425 |
上記の平均額 | 5万9105 | 7万8931 | 105万089 |
※独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査集計表 大学昼間部(速報値)」を基に筆者作成
図表1を見ると自宅にせよ、アパートなどでの一人暮らしにせよ、私立大学が最も高額で、次いで国立大学、公立大学の順になっています。
また、住居費や食費などがかかるであろう自宅以外がやはり高額ではあるものの、自宅の場合でも、平均して毎月6万円近く援助しているというのは特筆すべき点だと思います。
仕送り額の近年の推移は?
今度は角度を変えて、大学生の子どもにどのくらいの仕送りをしてきたか、ここ数年の推移を確認していきます。
全国大学生活協同組合連合会の「学生生活実態調査」の結果によると、2012年から2020年まで、一人暮らしの大学生への1ヶ月の仕送り平均額は図表2のとおりとなっています。
【図表2】
単位(円)
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6万9610 | 7万2280 | 7万140 | 7万1440 | 7万610 | 7万2980 | 7万1500 | 7万2810 | 7万410 |
※全国大学生活協同組合連合会 「第56回学生生活実態調査の概要報告」より筆者作成
仕送りについてはおおよそ7万円前後で、ここ10年ほどは大きく増加も減少もしていないようです。
1ヶ月の生活にかかる費用は?
それでは上記を踏まえて、学生生活実態調査(2020年)での仕送り額と支出の内訳から、学生は何にいくら使っているのか、つまり親はどういった費用まで負担する必要があるのか考えてみたいと思います。
一人暮らしの大学生(下宿生)の毎月の生活費について、支出費目ごとの平均額と、その合計は以下のとおりです。
(1)住居費:5万2910円
(2)食費:2万4570円
(3)交通費:3370円
(4)電話代:3370円
(5)勉学費:1870円
(6)書籍費:1850円
(7)日常費:7120円
(8)教養娯楽費:1万990円
(9)その他:2140円
(10)貯金・繰り越し:1万2990円
合計 12万1180円
(1)~(7)までの費目の合計は9万5060円となります。先に説明した学生生活調査の集計から、学生寮と下宿・アパート住まいの大学生の「家庭からの給付額」の平均を割り出した場合、9万2010円と近い金額になることから、こうした費目については親の援助を受けている学生が多いともいえるのではないでしょうか。
ただし今回の試算は、あくまで調査の結果を基に平均を取り上げたものです。学生の状況によっては、奨学金やアルバイトによる収入も見込まれるため、支出の費目ごとの平均を参考にして、援助や仕送り額をバランスよく考慮していく必要があるでしょう。
出典
独立行政法人 日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査集計表 大学昼間部(速報値)
全国大学生活協同組合連合会 第56回学生生活実態調査の概要報告
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部