更新日: 2022.02.18 子育て

日本学生支援機構の「第一種奨学金」と「第二種奨学金」。内容の違いとは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

日本学生支援機構の「第一種奨学金」と「第二種奨学金」。内容の違いとは?
日本学生支援機構の奨学金には、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の2種類がありますが、「第一種」「第二種」で、内容がどのように変わるのかご存じでしょうか。
 
本記事では、日本学生支援機構の奨学金制度とは何か、「第一種奨学金」「第二種奨学金」の違いについて詳しく解説します。進学前に奨学金制度の利用を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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日本学生支援機構の奨学金制度とは

日本学生支援機構では、独立行政法人日本学生支援機構法に基づき、奨学金事業・留学生支援事業・学生生活支援事業の3事業を行っています。
 
その1つである奨学金事業は、憲法・教育基本法に定める理念「教育の機会均等」に基づいて、経済的な理由で高校や大学に通えない、優れた学生などに学資の給付・貸与を行っている制度です。
 
奨学金制度は、大きく分けて返済不要である「給付奨学金」、返済する必要がある「貸与奨学金」の2種類があります。また、「貸与奨学金」の中でも、無利子で借りられる「第一種奨学金」と有利子の「第二種奨学金」の2つがあります。
 
なお、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」は、併用して借りることも可能です。
 

第一種奨学金

「第一種奨学金」は無利子で借りられる、貸与奨学金です。大学・短大・専修学校(専門課程)進学前の申し込み資格は、下記を参考にしてください。

●令和4年3月末に高等学校・専修学校(高等課程)を卒業する予定の人
●高等学校・専修学校(高等課程)を卒業後2年以内の人
●高等学校卒業程度認定試験に合格した人
●科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者

では、学力基準と家計基準について見ていきましょう。
 

学力基準

大学・短大・専修学校(専門課程)進学前の学力基準は、以下のとおりです。

●申込時までの評定平均値が5段階評価で3.5以上あること
●高等学校卒業程度認定試験合格者であること

ただし、評定平均値が3.5に満たない場合でも、生計維持者の住民税が非課税である人、生活保護受給世帯である人、里親による養育を受けている人などは、下記で挙げる条件に当てはまれば基準を満たすものとしています。

●特定の分野において、特に優れた資質能力を有しており、特に優れた学習成績を修める見込みがあること
●学修意欲があり、特に優れた学習成績を修める見込みがあること

学校の成績が絶対ではなく、本人の学習意欲があるか、特定の分野において優れた能力を持っているかなどがポイントとなるようです。
 

家計基準

「第一種奨学金」の家計基準は、世帯人数や就学者の有無などによって変わってきます。父母がいる場合は、原則として父母2名が生計維持者です。進学前の収入・所得の上限額の目安は、下記を参考にしてください。

●世帯人数3人:給与所得657万円、給与所得以外286万円
●世帯人数4人:給与所得747万円、給与所得以外349万円

家計基準を満たしているか不安な人は、日本学生支援機構への相談をおすすめします。
 

第二種奨学金

「第二種奨学金」は、有利子で借りられる、貸与奨学金です。
 
「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類の利率を、申込時に選びます。選んだ利率は、貸与期間が終了する一定期間まで変更可能です。
 
返済が終わるまで利率が変わらない「固定方式」か、約5年ごとに利率が見直される「見直し方式」のどちらがよいか、よく考えて決めましょう。
 
第二種奨学金の申し込み資格は、第一種奨学金と同じです。では、学力基準と家計基準について見ていきましょう。
 

学力基準

大学・短大・専修学校(専門課程)進学前の学力基準は、以下のとおりです。

●高等学校・専修学校(高等課程)で学業成績が平均水準以上と認められる人
●特定の分野において特に優れた資質能力があると認められる人
●進学先の学校における学修意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる人
●高等学校卒業程度認定試験合格者であること

第一種奨学金は、評定平均値が3.5以上と決められていましたが、第二種奨学金の場合は平均水準以上となっています。
 

家計基準

「第二種奨学金」の家計基準も、第一種奨学金と同じで世帯人数や就学者の有無等によって変わります。進学前の収入・所得の上限額の目安は、下記を参考にしてください。

世帯人数3人:給与所得1009万円、給与所得以外601万円
世帯人数4人:給与所得1100万円、給与所得以外692万円

第一種奨学金と比べると、上限額が高いことがわかります。
 

無利子の第一種奨学金のほうが基準は厳しい

貸与奨学金の「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の違いは、無利子か有利子かです。進学前の申し込み資格は、第一種奨学金も第二種奨学金も同じです。
 
しかし、学力基準や家計基準は、無利子の第一種奨学金のほうが厳しいため、貸与奨学金を検討している人はよく基準を確認しましょう。
 
出典
日本学生支援機構 第一種奨学金(無利子で借りる)
日本学生支援機構 第二種奨学金(有利子で借りる)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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