更新日: 2022.02.21 その他暮らし

マイナンバーカードを健康保険証として使うメリットと注意点を解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

マイナンバーカードを健康保険証として使うメリットと注意点を解説
令和3年3月から健康保険証として使えるようになったマイナンバーカード。まだ一般的に、私たちの生活に広く普及していない仕組みですが、マイナンバーカードを健康保険証として使うと、生活するうえで便利な多くのメリットがあります。
 
この記事では、マイナンバーカードを健康保険証として使うメリットと注意点を説明します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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マイナンバーカードを健康保険証として使うメリット

 
マイナンバーカードを健康保険証として使うと、時間の短縮につながるさまざまなメリットがあります。マイナンバーカードを利用することで、時間のかかる手続きや面倒な申請がなくなるといった忙しい方にうれしい利点があります。
 
下記でマイナンバーカードを健康保険証として使うメリットを、5つに分けて説明していますので、ご覧ください。
 

病院での受付がスムーズにできるようになる

マイナンバーカードを健康保険証として使うことによって、病院での受付に時間がかからなくなります。
 
受付にある顔認証付きカードリーダーで撮影をした「顔写真」とマイナンバーカードから読み取った「顔写真」を照合して、本人確認を行うことで、対人での受付が不要になります。
 
マスク、メガネ、帽子をしていても顔認証が可能です。また、車いすに乗ったままでも顔認証ができる優しい設計となっています。
 

定期的な被保険者証の更新が不要になる

健康保険証とちがい、定期的な被保険者証の更新が不要になります。新しい医療保険者へ手続きをすれば、健康保険証としてずっと使えます。
 
これにより、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している方は、毎年健康保険証が更新されますが、病院にて面倒な更新手続きをせずに済みます。
(※ 医療保険者等が変わる場合は、加入の手続きが引き続き必要です。)
 
ずっと健康保険証として利用できるので、転職などで生活が変わるときに必要だった保険証の更新が不要になりました。
 

過去に処方された薬や特定健診の情報が記録され、いつでも確認ができる

 
本人の同意を得たうえで、病院・薬局が特定健診、薬剤情報を閲覧することが可能になりました。また、ご自身でもマイナポータルから「いつ・どこで、どんな薬を処方されたか」確認ができます。
 
これにより、自分の体にかかわる情報をいつでも手軽に確認できるようになりました。
(マイナポータルは政府が運営するオンラインサービスです。PCとICカードリーダライターもしくはスマートフォンを使って登録ができます。)
 

高額療養費制度の申請が不要になるので、一時支払いをしなくて済む

高額療養費制度は、医療費が1ヶ月の上限額を超えたときに、超えた額が支給される制度です。
 
これまでは高額医療費を一時的に支払い、後日高額療養費の申請により払い戻しを受けるか、事前に限度額適用認定証の申請をしておき、会計時にいっしょに限度額適用認定証を出して、適用を受けるという2つの方法しかありませんでした。
 
ですが、マイナンバーカードを保険証として使うことによって、一時支払いが不要になります。顔認証付きカードリーダーで情報提供に同意するだけで、限度額を超える支払いの一時負担が免除となるのです。
 
手持ちに余裕がないときや、申請の手間を省くことができるので、とても便利な仕組みです。
 

医療費の領収書を管理しなくても、e-Taxとの連携で確定申告が簡単にできる

 
マイナポータルで医療費情報を管理し、e-Taxに情報を連携することでオンラインによる確定申告ができるようになりました。(※ 令和3年分所得税の確定申告から)
 
オンラインで完結できるので、領収書の紛失リスクも心配しなくてよいでしょう。1年分の領収書を管理する手間が省けて、自宅であいた時間に手続きができます。
 

マイナンバーカードを健康保険証として使うときの注意点

マイナンバーカードを健康保険証として使うと、さまざまなメリットが得られますが、事前
に注意してほしい点があります。
 
健康保険証として使うには事前に申し込みが必要だったり、まだマイナンバーカード健康保険証での受付が対応されてない病院・薬局などがあることです。
 
それぞれ下記で詳しく説明していくので、ご確認ください。
 

健康保険証として使うには申し込みが必要

 
マイナンバーカードを健康保険証として使うには、申し込みが必要です。厚生労働省のホームページによると、病院や薬局にあるカードリーダーでもできるとありますが、待ち時間での混雑を防ぐため事前の手続きを推奨しています。
 
申し込み方法は、マイナンバーカードとカードリーダー機能を備えたデバイス(PCとICカードリーダーもしくは、スマートフォン)を使ってマイナポータルから手続きができます。
 
カードリーダー機能を備えたデバイスがない方は、下記の場所からの申し込みが可能です。

●セブン銀行のATM

●各市区町村に設置してある住民向け端末等から

●病院や薬局の受付にある顔認証付きカードリーダーから

マイナンバーカードを健康保険証として使いたい方は事前に準備しておくとよいでしょう。
 

利用できる医療機関・薬局を確認する必要がある

 
まだ全ての病院、薬局でマイナンバーカードを健康保険証として使うことはできません。「マイナ受付」というステッカーやポスターが貼ってあるところで使えます。また、利用できる病院や薬局は、厚生労働省のHPでも公開しています。
 
いつも利用する医療機関が対応しているか、事前に確認しておくことをおすすめします。
 

マイナンバーカードの悪用が心配だけど大丈夫?

 
厚生労働省へよくある問い合わせのひとつに、「裏面のマイナンバーを見られて悪用されないか? 」というものがあります。
 
厚生労働省は問い合わせに対し、「他人がなりすまして、手続きはできない。マイナンバーを利用するには、顔写真付きの本人確認書類が必要だから悪用は困難。」と回答しています。
 
他にも、健康保険証として使っても、特定健診結果や薬剤情報がマイナンバーのICチップに記録されることはないと答えています。
 
国が管理するマイナンバーカードは、対策もされていて安全性が高いといえるでしょう。
 

健康保険証としてのマイナンバーカード機能は今後も拡大予定

 
現在、医師と共有できる情報は薬剤・特定健診等のみです。今後、政府は令和4年夏を目安に「手術の情報などの項目も対象」とする予定と発表しています。
 
また、薬剤情報の共有がリアルタイムで可能な、電子処方箋の仕組みも令和5年1月に構築していくとのことです。
 
そして、今後は生活保護受給者の医療券も対象になる予定とあります。政府が、マイナンバーカードを健康保険証としての使用を広めるために、力をいれていることがうかがえます。
 

マイナンバーカードを健康保険証として使うと、時間の短縮・面倒な手続きが不要に

 
マイナンバーカードを健康保険証として使うことで、さまざまな多くのメリットがあります。まだ一般的には浸透していないですが、利便性から利用する人も増えていくでしょう。今後も便利な機能、仕組みが作られていくことが期待できます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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