ドラッグストア利用者の買い物傾向は? ドラッグストアごとの平均購入状況をチェック
配信日: 2022.03.12
昨年秋には、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合し、「マツキヨココカラ&カンパニー」として発足しました。ドラッグストア業界に新風が吹くかもしれませんね。
今回は、そんなマツモトキヨシ、ココカラファインを含むドラッグストアの買い物傾向をチェックしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ドラッグストアをスーパーのように使う人も。DSでよく買われるモノは?
株式会社mitorizが発表したレシート調査の結果(※)を見てみましょう。
この調査は、都市に多い「マツモトキヨシ」「ココカラファイン」、郊外や地方に多い「ウエルシア」「ツルハドラッグ」それぞれをメインで利用すると回答した2128人のアンケート結果と、2021年1月~12月の4社の購入レシート22万6240枚から購買行動を分析したものです。
各ドラッグストアで、どのようなモノが多く買われているのでしょうか。
【レシート購入金額全体に占めるカテゴリー別構成比TOP4】
<マツモトキヨシ>
1位:日用品/日用雑貨50.2%
2位:美容・健康15.1%
2位:医薬品15.1%
4位:食品14.1%
<ココカラファイン>
1位:日用品/日用雑貨51.2%
2位:食品16.2%
3位:美容・健康15.8%
4位:医薬品11.4%
<ウエルシア>
1位:日用品/日用雑貨47.7%
2位:食品25.6%
3位:飲料8.3%
4位:酒類6.5%
<ツルハドラッグ>
1位:日用品/日用雑貨53.5%
2位:食品17.3%
3位:美容・健康10.8%
4位:飲料6.1%
4位:酒類6.1%
いずれも1位はダントツで「日用品/日用雑貨」でした。購入金額のうちほぼ半分が日用品の購入に使われているということになりますね。
マツモトキヨシ以外では2位に「食品」がランクイン。ウエルシアに至っては、購入金額のほぼ半分が日用品、4分の1が食品となっています。3、4位にも医薬品や美容・健康関連はランクインせず、レシートだけ見るとまるでスーパーでの買い物のような印象を受けるほどです。
一方で、マツモトキヨシやココカラファインは「医薬品」「美容・健康」が上位に入っており、ドラッグストアによって買われているものに、だいぶ違いがあることがわかります。
利用者からは「スーパーと比較すれば生鮮食料品の品揃えは、やや貧弱だが、ドラッグストアとしては平均以上だと思う(ウエルシア利用50代男性)」「田舎なのでお店が多くなく、食品も安く購入できるため利用(ツルハ利用30代女性)」という声もあがっています。
買い物先の選択肢が少ない地域では、日用品から食品、そして飲料や医薬品など幅広く取り扱っているドラッグストアは便利で重宝されるようです。逆に、選択肢の多い地域では、化粧品や医薬品を買うならココ、食品を買うならココ、というように使い分けている利用者も少なくないのかもしれません。
1回の買い物の平均購入金額は?DSによって単価にかなり差も
ドラッグストアで買い物をする際、1回あたりいくら支払っているのでしょうか。レシート1枚あたりの平均購入個数や金額を見てみましょう。
【各社の購入状況(レシート1枚あたり)】
<マツモトキヨシ>
・平均購入個数2.9個
・平均購入金額1279円
・1点単価444円
<ココカラファイン>
・平均購入個数2.7個
・平均購入金額1129円
・1点単価423円
<ウエルシア>
・平均購入個数3.7個
・平均購入金額1095円
・1点単価296円
<ツルハドラッグ>
・平均購入個数3.8個
・平均購入金額1293円
・1点単価337円
マツモトキヨシ、ココカラファインより、ウエルシア、ツルハドラッグのほうが買い物1回あたりの購入個数が多く、単価が低いことがわかります。
医薬品を買う人が比較的多いマツモトキヨシ、ココカラファインに対して、ウエルシアとツルハドラッグは食品や飲料品を買う人が多いことが理由のひとつなのではないでしょうか。
では、医薬品や化粧品に絞って見るとどうなのでしょうか。
【「医薬品」の購入状況(レシート1枚あたり)】
<マツモトキヨシ>
・平均購入個数1.3個
・平均購入金額1427円
・1点単価1088円
<ココカラファイン>
・平均購入個数1.2個
・平均購入金額1276円
・1点単価1033円
<ウエルシア>
・平均購入個数1.3個
・平均購入金額1120円
・1点単価886円
<ツルハドラッグ>
・平均購入個数1.2個
・平均購入金額1131円
・1点単価977円
いずれも平均購入個数はほぼ同じ。ただ、単価を見ると一番高いマツモトキヨシと一番安いウエルシアでは200円以上の差が出ています。
都市型のマツモトキヨシとココカラファインは単価が1000円を超えており、地方型のウエルシアとツルハドラッグは1000円未満。ここでも地域やターゲット層の違いで金額が変わる結果となりました。化粧品は以下のとおりです。
【「美容・健康」の購入状況(レシート1枚あたり)】
<マツモトキヨシ>
・平均購入個数1.4個
・平均購入金額1071円
・1点単価764円
<ココカラファイン>
・平均購入個数1.4個
・平均購入金額1094円
・1点単価772円
<ウエルシア>
・平均購入個数1.4個
・平均購入金額915円
・1点単価644円
<ツルハドラッグ>
・平均購入個数1.4個
・平均購入金額1196円
・1点単価864円
こちらは医薬品とは少し違う結果となりました。ツルハドラッグにおける購入金額・単価がもっとも高くなっています。利用者からは「化粧品の種類が豊富」「化粧品もポイントが多くつく日があり満足している(40代女性)」といった声が寄せられました。
いつも利用しているドラッグストアで、日用品から食品、医薬品、化粧品まですべて買えればとても楽になりますよね。
都市型のマツモトキヨシとココカラファインの利用者からも、「薬の他、生鮮食品も品揃えを増やして、普段の買い物も1度で済むようにして欲しい。(ココカラ利用30代女性)」「食料品がもっと充実させてくれたら嬉しい(マツキヨ利用40代女性)」という声があがっています。
今後、ドラッグストアの品ぞろえはますます豊富になることが予想されます。スーパーとの差別化も含め、これからの進化には期待が高まりますね。
出典
※株式会社mitoriz「消費者調査で判明!マツキヨココカラ、次の一手は?」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部