更新日: 2022.03.11 子育て

ひとり親世帯を支える子どもの進学制度はどんなものがあるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

ひとり親世帯を支える子どもの進学制度はどんなものがあるの?
ひとり親世帯だと、子どもが大学進学を希望しても、準備ができるのか不安に感じる方も多いでしょう。しかし、お金を理由に、子どもには夢を諦めてほしくはありません。
 
本記事では、ひとり親世帯を支える子どもの進学制度を4つ紹介します。それぞれの制度の内容や条件を確認して、子どもの大学進学のときに役立つものがあれば、ぜひ活用してください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

高等教育の修学支援新制度

大学や短大、高等専門学校や専門学校などの学びの支援となる「高等教育の修学支援新制度」は、大きく分けて「授業料等減免」「給付型奨学金」の2種類があります。支援の対象者は、下記で挙げる条件に当てはまる人です。

●学ぶ意欲がある学生であること
●世帯収入・資産の要件を満たしていること

世帯収入は世帯人数などにより変わります。また、進学先の学校の種類や一人暮らし、自宅から通うかなどによっても、受けられるお金は変わってきます。
 
「高等教育の修学支援新制度」は、「学ぶ意欲がある学生であること」とあるように、在学中の成績や出席日数などによっては、支援が打ち切られる可能性もあります。
 
場合によっては、給付型でも返還が必要になる可能性もあるため、しっかりと勉学に励むことが求められるでしょう。
 

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」は、20歳未満の児童を扶養している、配偶者のいない女子、男子、寡婦等を対象とした貸付金制度です。
 
資金の種類はいくつかあり、その中の1つに「修学資金」があります。
 
「修学資金」は、高等学校や高等専門学校、短大や大学などに通うための授業料や、交通費などの必要な資金が借りられます。私立で自宅外通学の場合の貸付限度額は、下記を参考にしてください。

●高校・専修学校(高等課程):月額5万2500円
●専修学校(専門課程):月額12万6500円
●短大:月額13万1000円
●大学:月額14万6000円

貸付期間は就学期間中であり、償還期間は20年以内、一般課程の専修学校は5年以内です。子どもの学校にかかる資金を、無利子で借りられる点がポイントです。
 

日本学生支援機構の奨学金制度

日本学生支援機構の「奨学金制度」は、返済不要の「給付奨学金」、返済が必要な「貸与奨学金」の2種類があります。
 
「給付奨学金」は、「高等教育の修学支援新制度」で解説しているので、ここでは「貸与型奨学金」について解説します。
 
「貸与型奨学金」は、無利子で借りられる「第一種奨学金」と、有利子で借りられる「第二種奨学金」の2種類があります。また、第一種と第二種を併用して借りる「併用貸与」もあります。
 
「第二種奨学金」の貸与利率は、「利率固定方式」「利率見直し方式」いずれかを選べます。

●利率固定方式:貸与終了時に決められた利率が、返還完了まで適用される
●利率見直し方式:貸与終了時に決められた利率は、おおむね5年ごとに見直される

利率見直し方式は、市場金利が変動した場合に利率が変わるため、貸与終了時の利率よりも低くなる可能性もあれば、高くなることも考えられます。
 

国の教育ローン

日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、日本学生支援機構の奨学金と併用して利用できる教育ローンです。
 
下記で挙げる要件に該当すれば、上限450万円まで利用できます。

●自宅外通学
●修業年限が5年以上の大学
●大学院
●海外留学

要件に当てはまらない人も、上限350万円まで借りられます。
 
また、入学金や授業料などの費用以外にも、在学のために必要な居住費やパソコン購入費用など、幅広い用途に対応しているのも特徴的です。各家庭の状況に応じて金利や返済期間、保証料の優遇措置を設けており、ひとり親世帯も優遇対象に当てはまります。
 
これまでは、大学等の受験料、受験のための交通費や宿泊費は、合格後の融資でしたが、合格前でも利用できるようになりました。
 

ひとり親を支える制度は最大限活用しよう

ひとり親世帯を支える子どもの進学制度には、多くの種類があります。それぞれの制度によって、内容も条件も異なりますので、内容を詳しく調べる必要があるでしょう。
 
祖父母やほかに頼れるところがあれば別かもしれませんが、それが望めない人も多くいます。ひとり親を支える制度や手当を最大限活用して、子どもの将来の夢を絶やさないようにしてください。
 
出典
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
日本学生支援機構 進学資金シミュレーター
男女共同参画局 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
日本学生支援機構 奨学金制度
日本学生支援機 第二種奨学金の利率の算定方法の選択
日本政策金融公庫 国の教育ローン
日本政策金融公庫 令和3年度 「国の教育ローン」の取扱内容の変更のお知らせ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

ライターさん募集