ひとり親世帯を支える子どもの進学制度はどんなものがあるの?
配信日: 2022.03.12
本記事では、ひとり親世帯を支える子どもの進学制度を4つ紹介します。それぞれの制度の内容や条件を確認して、子どもの大学進学のときに役立つものがあれば、ぜひ活用してください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高等教育の修学支援新制度
大学や短大、高等専門学校や専門学校などの学びの支援となる「高等教育の修学支援新制度」は、大きく分けて「授業料等減免」「給付型奨学金」の2種類があります。支援の対象者は、下記で挙げる条件に当てはまる人です。
●学ぶ意欲がある学生であること
●世帯収入・資産の要件を満たしていること
世帯収入は世帯人数などにより変わります。また、進学先の学校の種類や一人暮らし、自宅から通うかなどによっても、受けられるお金は変わってきます。
「高等教育の修学支援新制度」は、「学ぶ意欲がある学生であること」とあるように、在学中の成績や出席日数などによっては、支援が打ち切られる可能性もあります。
場合によっては、給付型でも返還が必要になる可能性もあるため、しっかりと勉学に励むことが求められるでしょう。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」は、20歳未満の児童を扶養している、配偶者のいない女子、男子、寡婦等を対象とした貸付金制度です。
資金の種類はいくつかあり、その中の1つに「修学資金」があります。
「修学資金」は、高等学校や高等専門学校、短大や大学などに通うための授業料や、交通費などの必要な資金が借りられます。私立で自宅外通学の場合の貸付限度額は、下記を参考にしてください。
●高校・専修学校(高等課程):月額5万2500円
●専修学校(専門課程):月額12万6500円
●短大:月額13万1000円
●大学:月額14万6000円
貸付期間は就学期間中であり、償還期間は20年以内、一般課程の専修学校は5年以内です。子どもの学校にかかる資金を、無利子で借りられる点がポイントです。
日本学生支援機構の奨学金制度
日本学生支援機構の「奨学金制度」は、返済不要の「給付奨学金」、返済が必要な「貸与奨学金」の2種類があります。
「給付奨学金」は、「高等教育の修学支援新制度」で解説しているので、ここでは「貸与型奨学金」について解説します。
「貸与型奨学金」は、無利子で借りられる「第一種奨学金」と、有利子で借りられる「第二種奨学金」の2種類があります。また、第一種と第二種を併用して借りる「併用貸与」もあります。
「第二種奨学金」の貸与利率は、「利率固定方式」「利率見直し方式」いずれかを選べます。
●利率固定方式:貸与終了時に決められた利率が、返還完了まで適用される
●利率見直し方式:貸与終了時に決められた利率は、おおむね5年ごとに見直される
利率見直し方式は、市場金利が変動した場合に利率が変わるため、貸与終了時の利率よりも低くなる可能性もあれば、高くなることも考えられます。
国の教育ローン
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、日本学生支援機構の奨学金と併用して利用できる教育ローンです。
下記で挙げる要件に該当すれば、上限450万円まで利用できます。
●自宅外通学
●修業年限が5年以上の大学
●大学院
●海外留学
要件に当てはまらない人も、上限350万円まで借りられます。
また、入学金や授業料などの費用以外にも、在学のために必要な居住費やパソコン購入費用など、幅広い用途に対応しているのも特徴的です。各家庭の状況に応じて金利や返済期間、保証料の優遇措置を設けており、ひとり親世帯も優遇対象に当てはまります。
これまでは、大学等の受験料、受験のための交通費や宿泊費は、合格後の融資でしたが、合格前でも利用できるようになりました。
ひとり親を支える制度は最大限活用しよう
ひとり親世帯を支える子どもの進学制度には、多くの種類があります。それぞれの制度によって、内容も条件も異なりますので、内容を詳しく調べる必要があるでしょう。
祖父母やほかに頼れるところがあれば別かもしれませんが、それが望めない人も多くいます。ひとり親を支える制度や手当を最大限活用して、子どもの将来の夢を絶やさないようにしてください。
出典
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
日本学生支援機構 進学資金シミュレーター
男女共同参画局 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
日本学生支援機構 奨学金制度
日本学生支援機 第二種奨学金の利率の算定方法の選択
日本政策金融公庫 国の教育ローン
日本政策金融公庫 令和3年度 「国の教育ローン」の取扱内容の変更のお知らせ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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