私立高校が実質無償化される年収の目安とは? 入学金も無償化されるの?
配信日: 2022.03.13
実質無償化されると言っても、私立高校にかかる費用が全額無料になるのか、実際にかかる負担額がいくらかわからなければ不安です。高校入学を控える子どもがいる親は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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私立高校授業料実質無償化とは
「私立高校授業料実質無償化」は、高等学校等就学支援金の制度改正により、2020年4月からスタートした制度です。制度改正により、年収約590万円未満の世帯の就学支援金の上限額が上がりました。
高校無償化制度の改正前は、就学支援金が年間11万8800円に、保護者の所得に応じて支援額が加算される仕組みです。この年間11万8800円とは、公立高校に通う場合を想定した支援額であるため、それよりも高い私立高校の授業料はカバーしきれませんでした。
制度改正により、年間39万6000円まで支給されたことで、私立高校の授業料もしっかりとカバーできるようになります。
ただし、「私立高校授業料実質無償化」は、あくまでも私立高校の授業料を対象とする制度です。私立高校の入学には、授業料以外にも入学金や制服代、教材費などがかかりますが、その分のカバーはしていません。
授業料以外の教育費負担を軽減するための制度には、「高校生等奨学給付金」があります。「私立高校授業料実質無償化」とは別の制度となるため、間違えないように注意が必要です。
私立高校授業料実質無償化の所得制限のライン
「私立高校授業料実質無償化」の所得制限のラインは、2020年7月より判定基準が新しくなりました。下記で挙げる計算式(両親2人分の合計額)により決まります。
・市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額
算出額が、15万4500円未満の場合、支給額は最大で39万6000円です。15万4500円以上30万4200円未満の場合は、支給額は11万8800円となります。
この見出しでは、もう少し詳しく支援対象となる世帯年収の目安を見ていきましょう。
支援対象となる世帯年収の目安
支援対象となる世帯年収の目安は、家族構成によって変わるため、参考としてご確認ください。
(表1)
子の人数 | 11万8800円支給 | 39万6000円支給 | |
---|---|---|---|
両親のうち一方が働いている場合 | 中学生と高校生の子どもが1人ずつ | ~約910万円 | ~約590万円 |
高校生の子ども2人 | ~約950万円 | ~約640万円 | |
大学生と高校生の子どもが1人ずつ | ~約960万円 | ~約650万円 | |
両親共働きの場合 | 高校生の子ども2人 | ~約1070万円 | ~約720万円 |
大学生と高校生の子どもが1人ずつ | ~約1090万円 | ~約740万円 |
※中学生以下は15歳以下、高校生は16~18歳、大学生は19~22歳
※文部科学省 「私立高校授業料実質無償化がスタート!」より筆者作成
例えば、高校生の子どもが2人いる4人家族の場合、両親のうち一方が働いているケースだと、世帯年収が約640万円以下が39万6000円支給の対象です。両親共働きの場合だと、約720万円以下となります。
私立高校授業料実質無償化の申請方法
私立高校授業料実質無償化は、入学時等に学校から案内がありますので、期日等守って申請を行ってください。申請月から支給開始となるため、遅れないようにしましょう。
申請時に必要な書類は、下記を参考にしてください。
●申請書
●保護者等のマイナンバーがわかる書類
都道府県ごとに必要書類を定めているケースがあるため、学校から案内をもらったらしっかりと確認しましょう。
私立高校授業料実質無償化は、家族構成などにより世帯年収の目安が変わる
私立高校授業料実質無償化の所得制限のラインは、家族構成や両親が働いているかどうかによって変わります。両親のうち一方が働いている場合で、高校生の子どもが2人いるケースの年収制限のラインは約640万円未満、両親共働きの場合なら、約720万円未満です。
また、私立高校授業料実質無償化は授業料の無償化制度のため、入学金の補助とは異なります。私立高校は授業料以外にも、入学金や制服代など、多くのお金がかかるため、事前によく確認する必要があるでしょう。
授業料以外の教育費負担を軽減した人は、「高校生等奨学給付金」がありますので、あわせて確認してみてください。
出典
文部科学省 「私立高等学校授業料の実質無償化」について
文部科学省 私立高校授業料実質無償化がスタート!
文部科学省 高校生等奨学給付金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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