コロナによる休校で保護者が欠勤した時の支援金はあるの？

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)のオミクロン株が流行し、これまで以上に小さなお子さんも感染する例をみるようになりました。それに伴い、小学校の休校、幼稚園や保育園の休園も増えてきました。そうなると保護者も会社を休まざるを得なくなります。

病気休暇やコロナ対応休暇などの、有給の特別休暇がある会社は問題ありませんが、そうでない会社へお勤めの場合は、年次有給休暇を取得するか無給で欠勤せざるを得ません。何かよい方法はないのでしょうか。

小学校休業等対応助成金

上記のようなケースに対応しているのが新型コロナウイルス感染症による「小学校休業等対応助成金」です。
 
この助成金は、令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間にコロナによる小学校や幼稚園・保育園の臨時休業等で保護者の従業員が会社を休む時、会社が有給(賃金全額支給)の休暇を取得させた場合に、事業主にはその全額を助成します。
 
最終の申請期限は令和4年5月31日（書類必着）までです。対象期間や申請期限は、今後のコロナの状況により延長される場合もあります。
 
臨時休業とは、小学校休校や幼稚園・保育園休園だけでなく、学校長がコロナに関連して出席しなくてもよいと認めた場合も対象になります。小学校だけではなく、幼稚園・保育所・認定こども園も対象ですし、障害のある子どもについては、中学校・高等学校なども含まれます。
 

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

上記の小学校休業等対応助成金を行っていない会社もあります。その場合は、保護者である従業員が直接申請できる制度が「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」（以下、休業支援金）です。
 
この支援金は、令和4年3月31日までのコロナの影響で会社から休むように言われて休んだのに、賃金(休業手当)を受けていない方が対象です。令和4年1月から3月まで休業した場合は、申請期限は令和4年6月30日までです。
 
1日の給付金額上限は、小学校休業等対応助成金より低く設定されています。休業前の1日あたりの平均賃金の80％で上限額が8265円です（特例もあります）。
 
この支援金で注意することは、中小企業は従業員すべてが対象ですが、大企業は、労働契約上労働日が明確でない方（シフト制、日々雇用、登録型派遣）のみ対象ということです。もう1つ、申請書類の中に支給要件確認書がありますが、この書類には事業主欄があり、そこは事業主の記入が必要になります。
 

困った時の連絡先

 
＜小学校休業等対応助成金＞

「小学校休業等対応助成金・支援金コールセンター」

フリーダイヤル：0120-603-999
受付時間：9:00～21:00（土日祝日含む）

 
＜休業支援金＞

「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター」

フリーダイヤル：0120-221-276
受付時間：月～金曜日8:30～20:00／土日祝8:30～17:15

全国の都道府県労働局や労働基準監督署に設けられている総合労働相談コーナーでも、こうした相談を承っています。コールセンターに電話がつながりにくい時や、助成金の申請を事業主に働きかけてほしい場合などでも相談してみるのも方法の1つです。
 
対象期間が3月末なので期間は短いですが、休業支援金の申請期間が6月末とまだ期間があることと、コロナが再拡大された場合に、再度延長される可能性がありますので、この情報を知っていることは重要です。ぜひご参考にしてください。
 
出典
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について」
厚生労働省「「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」のご案内」
厚生労働省「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口のご案内」
 
執筆者：北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント