更新日: 2019.01.10 その他暮らし

こっそり恋人のスマホを盗み見 これってプライバシーの侵害になる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 石垣美帆

こっそり恋人のスマホを盗み見 これってプライバシーの侵害になる?
「彼氏(彼女)のスマホ、勝手に見たことある?」という話題は定期的にあがる気がします。

浮気を疑って恋人のスマホをのぞき見る行為、してしまう人は少なくありません。実際に、それがきっかけで浮気が発覚し、離婚に至るケースも耳にします。

しかし、このように他人のスマホを勝手に盗み見る行為は罪に問われないのでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

石垣美帆

監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

インターネットやSNSの普及でプライバシーの侵害は右肩上がりに増加

法務省の「人権侵犯事件の新規開始の種類別指数の推移」によると、平成24年から平成28年にかけて、プライバシーの侵害は右肩上がりに増加していることが分かります。
 
人権侵犯事件の種類として、他に「暴行・虐待」や「差別待遇」、「労働権」などがありますが、平成28年に前年と比べてそれらが減少しているのに対して、プライバシーの侵害のみが7.6%増加しています。
 
やはりインターネットやSNSの普及とともに、プライバシーの侵害もしやすく、されやすい環境になっていることがうかがえます。
 
参考資料:法務省 平成28年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)
http://www.moj.go.jp/content/001220634.pdf
 

スマホの盗み見が罪に問われるのか、プライバシーの侵害にあたるのか、弁護士の石垣美帆先生にお伺いしました。

まず、どのような行為が「プライバシーの侵害」にあたるかというと、「他人の情報をSNSに載せる」、「他人の生活の暴露本、雑誌」などになります。そのような場合、住所や写真を勝手に掲載されるケースが多いと感じます。
 
さて、スマホの盗み見ですが、これはプライバシーの侵害にあたります。
 
「プライバシー権」とは、自己の情報をコントロールする権利とされています。そのため、スマホの中にある情報についてもプライバシーとなり、それを見る行為は侵害の対象となります。
 
スマホを盗み見ることは、不法行為として損害賠償を請求される可能性があるので注意しましょう。ただ、受け取れるとしても金額はかなり低いと思われるため、スマホの盗み見で損害賠償請求されることはあまり現実的ではないと考えられます。
 
また「不正アクセス禁止法」ですが、スマホのロックを解除してラインなどのSNSにアクセスしただけではこれに該当しません。このような形でアクセスした場合、すでに受信しているLINEやメールの情報を見ることは同法違反になりません。
 
しかし、例えばスマホの持ち主に成りすまして新たにLINEやメールを受信したり、持ち主に成りすましてメッセージを送ったりした場合は同法違反になります。
 
また、スマホを勝手に見て不倫の証拠を手に入れることがありますが、このような場合は状況次第ではプライバシーの侵害にあたります。
 
これらスマホの盗み見に関しては、当事者の関係性も重要で、知らない第三者によるものだと違法性が高いとされます。
 

自分のプライバシーを守るのも大事!無防備にスマホを置いたりしないように

スマホの盗み見はプライバシーの侵害にあたることが分かりました。
 
彼氏や旦那のスマホが気になるとしても、人のスマホを勝手に盗み見るのはやめましょう。たとえ訴えられないとしても、自分がされて嫌なことは人にもしないようにすることが大事です。
 
スマホには個人情報がたくさん詰まっています。この時代、プライバシーを守るには自分の危機管理も必要です。他人のいる場所で無防備にスマホを置くなどは、危ないのでやめた方がいいですね。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

ライターさん募集