私立大学の受験費用は安くなる?平均で何校受けるのが普通?
配信日: 2022.03.23
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
私立大学の1校当たりの受験料は?
私立大学の受験料は、学校や地域にもよりますが、おおむね3万5000円程度になります。これを2校、3校と併願すると、10万円を超えるような高額な費用になります。しかし、学校によっては学部や学科を併願する場合、受験料が割安となることもあります。
例えば、日本大学では「日本大学一般選抜統一入試 N全学統一方式」という独自の入試制度があります。この制度を利用して同大学の複数の学部・学科を受験する場合、本来は1回3万5000円の受験料が1万8000円(一部の学部を除く)となり、お得に併願することができます。
私立大学専願の受験生に限った話ではありませんが、大学受験は複数の学校の併願も珍しくはないため、1校当たりの受験料と出願する学校の数は受験費用に大きく影響します。ちなみに、医学部や歯学部となると受験料が一気に5万円から6万円程度にまで跳ね上がります。
私立大学の受験費用は総額でどれくらい? 平均で何校受ける?
日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」(令和3年度)によれば、私立大学の受験費用の平均は文系で31万3000円、理系では32万2000円となっています。
ここでいう受験費用とは受験料のほか、交通費や宿泊費も含んだ費用になるため、新幹線や飛行機などを利用して宿泊を伴うという場合でない限り、平均よりは少なくなりそうです。
また、受験する校数について河合塾のホームページによると、人によっては1校のみであったり、7校以上受験したりする方もいるようですが、平均すると3校から4校が最も多くなっています。
すべて私立大学で、交通費も比較的かからない範囲で3校から4校(医学部などを除く)を受験する場合、10万円から15万円程度の受験費用になると想定できます。
私立大学の受験費用を安くするには?
私立大学の受験費用をなるべく抑えたいのであれば、以下のような方法が現実的です。
●同一学校で複数の学部・学科の併願による割引制度を利用する
●受験料が安い入試方式を利用する
●宿泊費の早割や地方受験を活用する
それぞれ順に見ていきましょう。
同一学校で複数の学部・学科の併願による割引制度を利用する
先に一例として挙げた日本大学のように、複数の学部・学科を併願すると受験料が安くなる私立大学は多くあります。学部や学科はもちろんですが、大学自体にこだわって受験したいという場合、こういった制度を利用すると受験費用が抑えられます。
受験料が安い入試方式を利用する
大学によっては、大学入学共通テストの結果を利用して受験できることもあります。例えば中央大学の「大学入学共通テスト利用選抜(単独方式)」では、通常3万5000円の受験料が1万5000円になります。
宿泊費の早割や地方受験を活用する
受験に宿泊費や交通費が生じる場合、早めに宿泊先などを予約しておくと、通常よりも安い早割料金で利用できることがあります。また、都市圏の大学では、地方在住の受験生に向けて大学の所在地以外に受験会場を設置する場合もあります。
こうした早割や地方受験を活用すると、受験費用を下げることができます。
まとめ
私立大学の受験校数は平均で3校から4校、受験費用の平均は32万円前後が目安となりますが、受験校数は人それぞれで、受験する大学や学部などによっても費用の総額は変動します。
とはいえ、私立大学の受験費用は高くなりがちなので、進路については早めに決めておき、入学後の学費なども含めて余裕をもって準備しておきたいところです。
出典
中央大学 受験生ナビ 入学検定料
日本大学 日本大学一般選抜統一入試 N全学統一方式
日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 ~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
河合塾 Kei-Net いよいよ受験本番!がんばれ受験生 何校受験した?
執筆者:柘植輝
行政書士