更新日: 2022.03.23 暮らし

児童手当特例給付が廃止される理由と最もダメージの大きい世帯は?

執筆者 : 柘植輝

児童手当特例給付が廃止される理由と最もダメージの大きい世帯は?
児童手当のうち、高所得者向けに行っていた特例給付の廃止を政府が決定しました。
 
なぜこの特例給付を廃止するに至ったのでしょうか。そして、廃止により最も大きくダメージを受ける世帯は年収がどれくらいの世帯なのでしょうか。児童手当の特例給付廃止が高所得者に与える影響について考えてみます。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

児童手当とは

児童手当とは、児童がいる家庭の生活を安定させ、児童が健全に育っていくよう経済面から子育て世帯を後押しする施策の1つです。
 
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を扶養している方に対して、児童の年齢区分に従い1人当たり月額1万円から1万5000円の範囲で支給されます。

表1

出典:内閣府 児童手当制度のご案内
 

児童手当の特例給付とは

児童手当には所得制限が付されています。例えば、児童が1人の世帯で他に扶養親族がいないというような場合であれば年収875.6万円が目安となり、それを超えてしまうと児童手当を受けられないというようなものです。

表2

出典:内閣府 児童手当制度のご案内
 
収入が上記表を上回る世帯であっても、現在は児童1人当たり一律5000円の特例給付が支給されており、いわゆる高所得世帯であっても児童手当が支給されるような仕組みになっています。しかし、今回この特例給付が廃止される運びとなりました。
 

児童手当の特例給付が廃止されるのはなぜ?

国は主たる生計維持者の年収が1200万円(子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合)を超える世帯については高所得世帯と判断し、児童手当の特例給付を2022年10月支給分から、廃止することを決定しました。
 
この理由について、国は安定的な財源の確保や世帯間の公平性の確保などを理由に挙げています。児童手当の特例給付が廃止されたことにより削減された公費は、待機児童の解消の施策にかかる費用の一部に充てる予定になっています。
 
廃止の影響は61万人で全体の4%となり、削減できる財政効果は370億円と試算されています。
 

児童手当の特例給付廃止でダメージを受ける世帯は?

今回の児童手当の特例給付の廃止で最もダメージを受ける世帯は、子どもの人数など家族構成にもよりますが、主に世帯年収1200万円付近の片働き世帯だと想定されます。例えば高所得者の夫と専業主婦または扶養範囲で働く妻というように、家計を夫婦の一方のみが支えているというような世帯です。
 
税負担が高く、私立高校に子どもが通う場合の支援(高等学校等就学支援金制度で私立高校無償化制度といわれることもあります)においても、支援額が学費のうち一部にとどまるといったことも踏まえると、年収1200万円を少し超える程度の所得の片働き世帯は、今回の児童手当の特例給付廃止によって最もダメージを受ける世帯と考えて差し支えないでしょう。
 
なお、児童手当の特例給付の廃止は今回、世帯年収ではなく生計維持者(つまり世帯で一番年収が高い人)の年収で判断するため、共働きの合算で世帯年収1200万円程度という場合であれば今回の改正による児童手当に影響はありません。
 

児童手当の特例給付廃止により、年収1200万円超えの片働き世帯を中心にダメージが

2022年10月支給分より、待機児童の解消の施策にかかる費用の一部に充てるため、片働きで年収1200万円を超える高所得層への児童手当の特例給付が廃止されることになります。
 
いざ廃止されたときに慌て驚くことのないように、年収1200万円付近の高所得者層にある子育て世帯の方は、自分の世帯が特例給付廃止の要件に当てはまってしまうのか確認しておくべきではないでしょうか。
 
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
内閣府 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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