更新日: 2022.03.23 その他暮らし

就職氷河期世代の引きこもりの子どもがいます。どんなセーフティネットがありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

就職氷河期世代の引きこもりの子どもがいます。どんなセーフティネットがありますか?
就職氷河期世代の引きこもりが社会問題になっています。就職氷河期とは就職難となった1993〜2005年までの期間を指し、この間に新卒となった世代は、バブル崩壊に伴う人件費削減の影響を受けました。
 
その結果、自分が希望する仕事に就けなかった、就職できなかったなどの理由がきっかけで引きこもるようになったのです。この記事では引きこもりの子どもがいる家庭を救うべく、どのようなセーフティネットがあるかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

引きこもり期間が長くなるほど問題は深刻になる

自分の思い通りに就職できず引きこもりとなった場合、当時はまだ20代前半です。親も心配はするものの、心のどこかで「いつか立ち直ってくれるはず」と淡い期待を抱いていたのかもしれません。
 
しかし何も進展なく年月だけが進んでいくと、いつまでこの生活が続くのかと焦るようになります。そこから親が子どもに働くよう説得しても、子どもが素直に応じてくれることはまずありません。完全に無視するか、または物に八つ当たりする、親に暴力をふるうなどして抵抗するのが大半です。
 
親が現役で収入を得られているころなら、生活面でそれほど負担を感じないかもしれません。しかし親が定年となり、年金生活になると使えるお金は限られてきます。
 
さらにその先には80代の親が50代の子どもの面倒をみる「8050問題」、90代の親が60代の子どもの生活を支える「9060問題」が控えており、どんどん事態は深刻になっていきます。
 
親が高齢になるほど、子どもを守ってあげられる先の期間は短くなっていくもので、親が突然亡くなり、残された子どもがひとりで孤独死したという悲劇も度々起こっています。このような最悪の事態を避けるためにも、問題の解決を先延ばしせず、早めに手を打たなければいけません。
 

引きこもりを支援するセーフティネットとは

本気で引きこもりの子どもを救おうと考えるなら、プロに相談するのが賢明です。引きこもりを支援するセーフティネットは全国の各地にあり、最初に向かうのは、自治体の引きこもり専門の相談窓口となります。
 
そこでは子どもの状態や親の悩みなどを聞いたうえで、適切な支援機関を紹介してくれます。役割を引き継いだ支援機関は、長年引きこもり関連の悩みに携わっているので、安心して任せられます。
 
担当者が直接本人と話をして抱えている心の内を探っていくのですが、部屋から出るのが難しい状態であれば、担当者が家に訪問して話をするという方法もあります。家族以外の第三者が入ると、かたくなだった態度も和らぎ、担当者からの提案も素直に応じるかもしれません。
 
ちなみに引きこもり支援といえば、引きこもりの人ばかりが集まって一緒に生活する施設がありますが、人によって相性があります。強制されることを嫌う人や集団行動が苦手な人にとってはストレスがたまる一方で、余計に状態が悪くなるかもしれません。
 
必ずしも施設に入所しなければいけないというわけではなく、自宅から通うという方法でも改善の余地はあります。
 
そもそも長年同じ部屋に引きこもっていた人にとっては、外に出るだけでも大きな一歩です。施設などでボードゲームなり工作なり、誰か他人と一緒に作業を楽しんでいけば、人と関わる恐怖心をなくなっていきます。
 
また人と会話ができるようになれば、ボランティア活動などに参加して、少しずつ地域や社会との接点を作っていけます。そこから自分にも居場所があると実感できれば、働こうという意欲がわいてくるかもしれません。
 
さらに、引きこもりに特化した就職支援サービスに登録すれば、求職者の事情を把握している会社からの求人が集まるため、他のルートで職探しをするより採用されやすく、就職できる可能性が高くなります。
 

子どもの将来を考えるなら積極的にプロに頼るべし

子どもが引きこもりであることが恥ずかしく、公にしたくないからと自分たちで解決しようと頑張っている親もいますが、どこかで甘えが出てしまいうまくいかないものです。そんな甘えが引きこもりを長引かせ、さらに子どもを過酷な状況に追い込んでしまいます。
 
将来を考えると、迷っている時間はありません。少しでも早く、引きこもり支援のプロに相談して解決策を見出しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

ライターさん募集