更新日: 2022.03.30 暮らし

コロナ禍による収入減で奨学金の返済が困難。どこに相談すればよいの?

執筆者 : 新井智美

コロナ禍による収入減で奨学金の返済が困難。どこに相談すればよいの?
給付型ではなく、貸与型の奨学金を利用していた場合、学校を卒業して社会人になってから貸与額を返還しなければなりません。
 
コロナ禍によって収入が減り、日本学生支援機構の奨学金の返済が困難になった際には、どこに相談すればよいのでしょうか。
 
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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相談先は日本学生支援機構

日本学生支援機構は、「奨学金」や「留学生支援」さらには「学生生活支援」を行っている独立行政法人で、奨学金の利用者は増加傾向にあります。
 
貸与型の奨学金を利用していた場合は、卒業後に返還しなければなりませんが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで収入が減少し、返済が困難な状態に陥った場合は、日本学生支援機構に願い出ることで、返済額の減額もしくは返済期限の猶予を受けることができます。
 

奨学金の減額返還制度

まず、減額返還制度の概要については、以下のとおりです。
 

■減額割合

毎月の返済額が2分の1もしくは、3分の1に減額されます。減額割合は自分で選ぶことができ、利息を含む総返済額は変わりません。また、利用できる期間は15年(180カ月)と決まっています。
 

■減額返還が認められる基準は?

経済的に返済が困難な状況に陥った場合、図表1の基準を満たすことで減額返還が認められます。
 
図表1


(日本学生支援機構「困ったら、まず相談 JASSOの制度 減額返還・返還期限猶予」を参考に筆者作成)
 
収入と所得が混在していますが、収入とは社会保険料や税金を引かれる前の金額で、所得金額とは、給与収入から給与所得控除や事業収入であれば、それに掛かった経費を差し引いた額です。
 

■手続き方法

減額返還を願い出る場合は、1年ごとに所定の用紙にマイナンバー関係の書類を添付して提出します。また、願い出る際には収入や所得を証明する書類が必要です。
 
当初は収入の基準を超えていても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で収入が減少し、上記の基準を満たした場合は願い出ることができます。
 

奨学金の返還期限猶予制度

毎月の返済額を2分の1、もしくは3分の1に減少させて返済を続ける減額返還制度と異なり、返還期限猶予制度とは、毎月の返済を先延ばしにしてもらえる制度です。先延ばしにした分、最終返済期限は延長されますが、利息を含む総返済額は変わりません。
 
ただし、無期限に先延ばしできるわけではなく、最長で10年間(120ヶ月)と決められています。
 

■返還期限猶予が認められる基準は?

返還期限猶予が認められる基準については、減額返還が認められる基準と若干異なります。具体的には図表2のとおりです。
 
図表2


(日本学生支援機構「困ったら、まず相談 JASSOの制度 減額返還・返還期限猶予」を参考に筆者作成)
 
双方の基準を見比べてみると、減額返済よりも返済期限猶予の方が、収入等の基準が若干厳しくなっていることが分かります。
 

■手続き方法

減額返済と同様、毎年願い出る必要があります。願い出の際には、所定の用紙を提出します。また、毎年提出しなければならない点にも注意しておきましょう。
 

申請し忘れていた場合はどうなる?

減額返還制度、そして返済期限猶予制度どちらも、願い出て審査を受け、認められた場合でなければ適用を受けることはできません。もし、願い出ずそのままにしていると延滞扱いになります。
 
ただし延滞中であっても、返済が困難な場合は返済期限猶予制度を願い出ることで、延滞期間中、その猶予事由に該当する期間については、返済期限の猶予が適用されます。
 
また、猶予年限特例、もしくは所得連動返還型無利子貸与奨学金の貸与者の場合は、願い出ることで一定の所得を得るまでの期間、返済期間を先延ばしにしてもらうこともできます。
 

奨学金は返還することが条件

基本的に奨学金(給付型以外)は返還しなければなりません。ただし、本人が死亡した場合や高度障害の状態になり、返済が不可能な状況になった場合は、願い出ることで返還金額の一部、もしくは全額が免除されます。
 

まとめ

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で収入が減少し、奨学金の返済が負担になった場合は、そのままにせず、速やかに日本学生支援機構に願い出るようにしましょう。
 
もし、願い出ずに延滞となった場合は、延滞金が加算され、その後の返済がますます負担になります。1年ごとに願い出なければなりませんが、早めに行動することで延滞といった事態を防ぐことができます。
 
また、願い出て認められた後に返還できる状態になった際には、所定の用紙で願い出ることで、通常の返還に戻すこともできます。このように日本学生支援機構は、返還が困難な状況になった人に対して柔軟な制度を用意しています。
 
返還が負担になった、もしくは返還できなくなった時には、収入基準を満たしているかを確認し、早めに願い出て適用を受けるようにしましょう。
 
出典
独立行政法人日本学生支援機構
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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