更新日: 2022.03.30 暮らし

高校の学費を公立と私立で比較。高校の無償化の制度も解説

高校の学費を公立と私立で比較。高校の無償化の制度も解説
高校に進学する際、保護者にとって学費は重要なテーマです。全国私立学校教職員組合の調査では、新型コロナウイルスの影響で14都府県の保護者が高校の学費を滞納しています。
 
進学先と密接にかかわりのある高校の学費は、いくら掛かるのでしょうか。
 
本記事では、高校の学費を公立高校と私立高校に分けて紹介します。高校で必要な学費を正しく理解するための参考にしてください。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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公立高校と私立高校に必要な学費の差は約2倍

文部科学省の調査で、私立高校の学費が公立高校の学費の約2倍かかることが分かりました。差が2倍に広がった要因として、学校教育費が関係しています。
 
学校教育費は、主に授業料や教材費といった運営に必要な費用です。私立高校は学校行事にかかわる費用の負担が大きいことが分かります。
 

学習費総額 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
合計
(単位:円)
公立学校 50万7980 46万470 40万3622 137万2072
私立学校 116万16 89万3127 85万1087 290万4230
学校教育費 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
合計
(単位:円)
公立学校 37万374 29万9848 17万1000 84万1222
私立学校 95万6333 66万825 53万2525 214万9683
学校外活動費 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
合計
(単位:円)
公立学校 13万7606 16万622 23万2622 53万850
私立学校 20万3683 23万2302 31万8562 75万4547

出典:文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査より筆者が作成
 
一方、学校外活動費は、公立高校と私立高校で大きな差は見受けられません。学校外活動費とは主に、学習塾や習い事にかかわる費用です。
 
以上から、私立高校の学費がかかる根本的な原因は、学校教育費であるといえます。
 

高校の学費の傾向~学費総額と学校外活動費の特徴から~

高校の学費にまつわる近年の傾向として、以下の3点が傾向として分かっています。

・学費の差はわずかにではあるが縮小している
・学費はおおむね横ばいで推移している
・学校外活動費は学年が上がるにつれて増加する

高校の学費にまつわる近年の傾向を、学校総額と学校外活動費の特徴から解説します。
 

・学費総額の観点から

学費の差は、2014年が約2.4倍で2016年は約2.3倍の差があります。2018年が約2.1倍なので、公立と私立の学費の開きはわずかに減少しています。
 

2014年 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
合計
(単位:円)
公立学校 48万8134 39万2965 34万5724 122万6823
私立学校 117万8991 93万9161 85万5640 297万3792
2016年 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
合計
(単位:円)
公立学校 51万6662 47万1549 36万3125 135万1336
私立学校 127万5991 97万6188 85万7626 310万9805
2018年 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
合計
(単位:円)
公立学校 50万7980 46万470 40万3622 137万2072
私立学校 116万16 89万3127 85万1087 290万4230

出典:文部科学省 平成26年度 子供の学習費調査 文部科学省 平成28年度 子供の学習費調査 文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査より筆者が作成
 
また公立と私立の高校に必要な学費は、おおむね横ばいで大きな変化はみられません。そのため必要な学費を計算する上で、参考になる数値といえます。
 

・学校外活動費の観点から

学校外活動費で最も支出の大きい項目は補助学習費です。補助学習費とは、学習塾や家庭教師にかかる費用を指します。
 

補助学習費 第1学年
(単位:円)
第2学年
(単位:円)
第3学年
(単位:円)
公立学校 10万5495 12万8904 20万9423
私立高校 14万1296 17万3444 26万9289

出典:文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査より筆者が作成
 
学年が上がるにつれて、補助学習費は増加する傾向があります。補助学習費が増加する要因は、主に受験への対策です。
 
学費を計算する場合、授業料や教材費だけで考えず毎年増える学校外活動費も念頭に置きましょう。
 

高校の学費無償化の制度について

学費を考える上で、文部科学省が発表している「高等学校等就学支援金制度」を知っておくことは必要です。
 
文部科学省は「国公私立問わず、高等学校等に通う所得要件を満たす世帯の生徒に対して、授業料に充てるため、国において高等学校等就学支援金を支給します。」と定めています。
 
以前は国公立にしか適用されていませんでしたが、2020年4月から支援金の引き上げ給付が決定しました。受給資格には以下の2点に該当していることが必要です。

・日本国内に住んでいて、高等学校に在学していること
・所得要件が世帯で定められた年収以内であること

所得要件は世帯での年収が約590万円未満の加算額と、約910万円未満の支給限度額があります。必ず年収未満でないといけないわけではなく、世帯構成や課税状況で決まります。
 
◆実際の所得要件の計算式
保護者等の課税標準額(課税所得額)× 6% ― 市町村民税の調整控除額 = 32万4200円未満
 
出典:文部科学省 高等学校等就学支援金制度
 

高校進学の学費無償化の年収例

文部科学省が発表している就学支援金を受けられるモデルケースをまとめます。
 
支給限度額に該当している場合、公立と私立であれば日額9900円が給付されます。国立の場合、支給限度額は日額9600円です。加算額に該当する場合は日額2万3100円支給されます。
 
まずは共働きの世帯で確認します。
 

所得基準に相当する目安年収 支給限度額の対象 加算額の対象
両親が共働き 月額9900円 月額3万3000円
子1人 高校生 ~約1030万円 ~約660万
子2人 高校生・中学生以下 ~約1030万円 ~約660万
子2人 高校生・高校生 ~約1070万円 ~約720万
子2人 大学生・高校生 ~約1090万円 ~約740万
子3人 大学生・高校生中学生以下 ~約1090万円 ~約740万

出典:文部科学省 所得基準に相当する目安年収より筆者が作成
 
続いて、両親のうち一方が働いている場合です。
 

所得基準に相当する目安年収 支給限度額の対象 加算額の対象
両親のうち一方が働いている 月額9900円 月額3万3000円
子1人 高校生 ~約910万円 ~約590万
子2人 高校生・中学生以下 ~約910万円 ~約590万
子2人 高校生・高校生 ~約950万円 ~約640万
子2人 大学生・高校生 ~約960万円 ~約650万
子3人 大学生・高校生中学生以下 ~約960万円 ~約650万

出典:文部科学省 所得基準に相当する目安年収より筆者が作成
 
高校の授業料が実質無料化される点は、学費を考える上で非常に大きなアドバンテージといえます。
 
しかし、国の支援金の適用を受けられる世帯構成や収入状況なのかを、しっかりと踏まえておくことが大切です。
 

高校の学費は公立と私立で大きく違うので前もって準備が必要

高校の学費は、公立と私立で大きく負担が変わります。高校の授業料が実質無償になる制度をうまく利用すれば、学費を抑えながら高校に進学させることもできるでしょう。
 
しかし世帯年収による所得制限が定められているので、全員対象にはなりません。
 
子どもが公立と私立のどちらの高校に進学してもいいように、前もって準備が必要です。
 
出典
全国私立学校教職員組合連合 私立高校生の学費滞納・中退割合は過去最低に コロナを理由とする滞納・中退も調査
文部科学省 平成26年度 子供の学習費調査
文部科学省 平成28年度 子供の学習費調査
文部科学省 平成30年度 子供の学習費調査
文部科学省 高等学校等就学支援金制度
公益財団法人 生命保険文化センター 高校生にかかる教育費はどれくらい?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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