海外通販の注意点。手数料や関税、送料はどのくらいかかる?
配信日: 2022.03.30 更新日: 2022.04.25
手数料や関税、送料の金額といった海外通販を手がける際の注意点をご紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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海外通販には主に5種類の費用がかかる
海外通販を始める際にかかる主な費用として次のものがあります。
・関税:外国から物を輸入するときにかかる税金
・消費税:外国から物を輸入し、国内に運び込む際にかかる税金
・通関手数料:通関業務を行っている人に対して支払う手数料
・国際送料:外国に輸出入する際にかかる送料
・保険代金:外国から輸出入する物にかかっている保険の代金
もし関税が免税になる場合、消費税や通関手数料はかかりません。
1万6666円以下の買い物は免税になるというのは本当?
個人使用目的の輸入の場合、1万6666円以下の場合、免税といわれています。これには根拠があります。
・個人使用目的の輸入が1万6666円以下の場合の免税理由
まず関税定率法第14条第18号に基づいて、商品の課税価格の合計が1万円以下の場合、免税となります。
次に関税定率法第4条の6第2項と関税定率法基本通達4の6-2に基づき、個人使用目的のものについては、海外小売価格の0.6倍で課税価格を算出します。つまり個人使用目的の輸入であれば、特例措置として海外小売価格の0.6倍の課税価格になります。
商品代金1万6666円×0.6=9999.6円
1万円以下が免税になることから、実際に1万6666円以下の買い物の場合免税になるわけです。
・1万6666円以下の免税適用外の商品
関税を免税しない商品として、革製のカバンとハンドバッグ、手袋等、編物製衣類(Tシャツ、セーターなど)、スキー靴、革靴、本底が革製の履物類などが挙げられます。これらは営利目的だけでなく、個人使用目的においても免税適用外となるため注意しましょう。
実際に関税はいくらかかるのか
実際に関税がいくらかかるのか、個人使用目的と営利目的の2つの例を挙げて計算をしてみましょう。例として、50万円の金製アクセサリーと35万円の革製ハンドバッグを購入したとします。関税率は次のとおりです。
・アクセサリーの関税率:5.2~5.4%
・ハンドバッグの関税率:8~16%
関税率のうち、一番低い値と高い値それぞれで計算してみましょう。
・個人使用目的の輸入の関税
個人使用目的の場合、海外小売価格から0.6倍の課税価格になります。
50万円×0.6×関税率5.2%=1万5600円
50万円×0.6×関税率5.4%=1万6200円
35万円×0.6×関税率8%=1万6800円
35万円×0.6×関税率16%=3万3600円
商品によって関税率が異なります。ご紹介した例の場合、35万円のハンドバッグよりも50万円のアクセサリーの方が、関税が安くなることが分かります。
・営利目的の輸入の関税
営利目的で輸入する場合の計算式は次のとおりです。
(商品代金+国際送料+保険代金)×関税率=課税価格
国際送料が3000円、保険代金が2000円とします。
(50万円+3000円+2000円)×関税率5.4%=2万7270円
(35万円+3000円+2000円)×関税率8%=2万8400円
(35万円+3000円+2000円)×関税率16%=5万6800円
個人使用目的と比べると金額が大きくなるのが分かります。なお注意点として、次の場合関税率が変わります。
・課税価格が20万円以下の場合、簡易税率が適用
・課税価格が20万円を超える場合、一般関税率の適用
今回は一般関税率を適用して計算しました。簡易税率の場合、一般関税率よりも安くなるため、覚えておくとよいでしょう。
まとめ
海外通販を始める場合、営利目的となるため関税や消費税、通関手数料、国際送料、保険代金の5つの費用がかかります。また個人使用目的の場合に適用される0.6倍の特例措置がないため、関税率が高くなることも覚えておくと良いでしょう。
出典
e-Gov法令検索 関税定率法
税関 関税定率法基本通達
税関 主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部