更新日: 2022.03.30 暮らし

熟年離婚の原因は何が多い? お金まわりで困るのはどんなとき?

熟年離婚の原因は何が多い? お金まわりで困るのはどんなとき?
長年連れ添った夫婦が、配偶者の退職や子どもの就職などを契機に離婚したという話を聞いたことがありませんか。しかし熟年を過ぎて一人で暮らしていくのは、お金の面で不安もありますね。
 
そこでこの記事では、熟年離婚の原因と共にどんなときにお金で困るのか解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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熟年離婚は増えている? 離婚の原因は?

熟年離婚とは、長年連れ添った夫婦が、お互いの不満がたまった結果などに離婚することを指すことが多いです。
 
熟年離婚は本当に増えているのでしょうか。また何が原因で離婚するのでしょうか。
 

・熟年夫婦の離婚は増えている

「熟年離婚」には、明確な定義はありません。ただし「熟年」とは、広辞苑によると「人生の経験を積み円熟した年ごろ。『老年』の前に当たり、中高年に相当」とあります。
 
本稿は、日本人の平均初婚年齢夫31.2歳・妻29.6歳(厚生労働省「2019年人口動態統計月報年計(概数)の概況」)を基準とし、婚姻期間が20年以上経過している夫婦が離婚した場合を熟年離婚であるとの想定のもと、述べていきます。
 
厚生労働省の2019年の人口動態統計によりますと、20年以上連れ添った夫婦が離婚したケースは4万395組あり、前年と比べて1858組増えています。同居期間が短い夫婦の離婚の多くが減少する中、熟年夫婦の離婚が特に増えています。
 
図表1


 

・離婚の原因の大半は「性格の不一致」

最高裁判所の「2017年度婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」によりますと、主な離婚の原因は図表2のようになっています。1位は、男女とも「性格が合わない」でした。
 
図表2

男性 女性
1位 性格が合わない 性格が合わない
2位 精神的に虐待する 生活費を渡さない
3位 その他 精神的に虐待する
4位 異性関係 暴力を振るう
5位 家族親族と折り合いが悪い 異性関係
6位 性的不調和 その他
7位 浪費する 浪費する
8位 同居に応じない 家庭を捨てて省みない
9位 暴力を振るう 性的不調和
10位 家庭を捨てて省みない 家族親族と折り合いが悪い

(注)離婚の動機は、3点まで挙げる方法で重複集計されています。
 

お金まわりで困るのはどんなとき?

離婚するにはお金が必要だといわれますが、どんな場面で必要になるのでしょうか?
 
金銭的に離婚後の生活にも影響することとして、以下のような出費が考えられます。
 

・新たな住まいを見つけるにはお金がかかる

離婚する際には、新たに住まいを探さなければなりません。マンションの1LDKを購入しようとすれば、東京の郊外で3〜4千万円程度必要になります。
 
また同様に東京の郊外で1LDKのマンションを借りる場合には6〜10万円程度の家賃を見込んでおく必要があります。
 
また次のような初期費用が必要なので、50万円程度のお金を用意する必要があります。

●敷金…家賃1ヶ月分程度
●礼金…家賃1ヶ月分程度
●前払い家賃…家賃1ヶ月分程度
●仲介手数料…家賃0.5~1ヶ月分
●保証料…家賃1ヶ月分程度
●引越し代金…10万円程度

 

・子が未成年なら熟年離婚であっても養育費が必要

熟年離婚でも子どもが未成年の場合には、養育費が必要になります。
 
未成年の子どもがいるケースでは、夫か妻のいずれかを親権者にしなければなりません。子どもの親権者になった親は、親権者でない親に対して養育費を請求できます。
 
養育費とは、単なる扶養義務ではなく、親権者でない親が生活するのと同等の生活を子どもにさせる義務(生活保持義務)があります。
 
厚生労働省が行った2016年度全国ひとり親世帯等調査結果報告によりますと、母子世帯では 4万3707 円、父子世帯では 3万2550 円の養育費を受け取っています。したがって自分が親権者にならなかった場合にも、相応の負担が必要だといえるでしょう。
 

・離婚の原因を作った側には慰謝料が請求される場合も

慰謝料は、精神的な苦痛に対して支払われるお金で、離婚原因を作った側に請求される性質のものです。
 
浮気や暴力、悪意の遺棄などがあれば請求は可能ですが、「性格の不一致」などのようにどちらが悪いとはいい切れないケースなど、認められない場合が多いです。
 
とはいえ、慰謝料を請求されたために弁護士に依頼すれば、どのみちお金がかかることになります。
 

離婚の際に夫婦で分けるお金にはどんなものがあるの?

若い人の離婚と異なり、熟年者は老後の生活費がより現実的な問題となってきます。そのため、今まで二人で築いてきた財産をどのように分けるのかということは、重要なポイントです。
 

・財産分与

離婚の際には、夫婦が二人で築いてきた財産を分けることになります。妻が専業主婦であっても基本的には貢献度を50%と考え、2分の1の財産を分与します。
 
主な財産としては、住宅や預貯金、株や債券などの有価証券、退職金などです。結婚前に一人で蓄えた預貯金などは対象になりません。
 
まだ支払われていない退職金は、今退職したらいくら支払われるかを計算して分配します。
 

・年金の分割

妻が専業主婦の場合には、年金保険料の納付実績に応じて二人の結婚期間中の厚生年金を分割できます。
 
これを年金分割制度といいますが、対象となるのは厚生年金および共済年金の部分に限られ、国民年金や厚生年金基金、国民年金基金については、分割の対象外になります。そのため夫が自営業や自由業・農業従事者などの場合には、制度の対象にはなりません。
 
なお年金分割は、離婚届を出せば分割されるわけではなく、近くの年金事務所または年金相談センターに標準報酬改定請求書を提出して手続きする必要があります。また入籍前、離婚後の年金については分割の対象にはなりません。
 

まとめ

熟年になって離婚することになると、老後の生活を現実的に見据える必要があります。
 
長い時間をかけて二人で築いてきた財産を、どのように分けるかが大きなポイントになります。若い人の離婚と比べて、お金まわりで解決すべき問題が多いといえるでしょう。
 
出典
厚生労働省 2019年人口動態統計月報年計(概数)の概況
最高裁判所 2017年度 婚姻関係事件数(申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所)
厚生労働省 2016年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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