更新日: 2022.03.31 子育て

高校無償化の対象世帯でも「お金を用意しなくてはいけない」項目とは?

高校無償化の対象世帯でも「お金を用意しなくてはいけない」項目とは?
日本には高校無償化の制度があり、条件を満たして手続きを済ませれば、授業料が免除されます。ただ、高校生活にかかる出費が全てタダになるわけではありません。そのため、まとまったお金をあらかじめ用意しておく必要があります。
 
では、具体的にどういった項目のお金を、用意しておかなければならないのかを解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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学校納付金

高校生活で授業料以外にかかる費用としては、まず学校納付金が挙げられます。そのなかでも代表的なのは入学金で、高校無償化の対象となっている家庭であっても支払わなければなりません。高校無償化の対象となるのは、授業料のみで、入学金は対象に含まれていないからです。都道府県によっては、独自の高校無償化制度によって入学金を支払わなくてもよいところがありますが、あくまでも例外です。
 
入学金は公立高校であれば1万円以下で済みますが、私立高校は10万円を超えることも珍しくはないため、あらかじめ用意しておかなければなりません。また、高校の受験料も無償化対象外となる学校納付金で、公立だと3000円程度、私立だと1~2万円ほどかかります。
 
そして、学級費やPTA費なども、無償化の対象外となる学校納付金です。PTAの加入はあくまでも任意なので、PTA費の支払いも必須ではありませんが、支払いがほぼ必須状態になっている高校は多いです。また、私立高校の場合は、学校納付金に施設整備費用も含まれます。校舎のメンテナンスや衛生管理などが名目となっている費用で、年間でおよそ15万円前後かかります。
 

通学関係費用

高校の出費で高額になるものとしては、制服の費用が挙げられます。そして、制服は原則として、無償化の対象とはならず、都道府県で独自に無償化を実施しているところも今のところありません。
 
制服は3年間着用するものを入学時にまとめて購入する場合が多く、夏服と冬服を合わせて5万円程度が相場です。公立と私立で、特に大きな差が出ることはありませんが、そこに通学用カバンの分も加算されます。
 
また、通学のための交通費も高額になりやすいです。徒歩や自転車で通学する場合、お金はほとんどかかりませんが、高校は義務教育とは違って、自宅の近くにある学校に通うとはかぎりません。電車やバスを利用して、毎日遠くまで通う場合も多いです。そのような制服やカバンと交通費を合わせた通学関係費用は、年間での計算だと8~12万円ほどになります。
 

教材関連と修学旅行の費用

高校では、授業で使用する教科書を購入しなければならず、教科書代は特別な支援を受けていないかぎり、無償にはなりません。そして、教科書は入学時だけでなく、毎年年度初めに購入する必要があります。
 
また、教科書以外にも、体育の授業で使用する体操服や、家庭科で使用する食材など特別な教材の分なども加算されます。さらに、現代ではパソコンやタブレットなどの購入を求めてくる高校もあります。したがって、予想以上の額を請求されるということになりかねません。
 
また、校外学習や修学旅行などの費用も、高校無償化の対象外です。校外学習と修学旅行、その他芸術鑑賞などを含めた総額は、公立高校だとおよそ10万円、私立高校は15万円程度が平均です。もちろん一括で支払うことはなく、毎月積み立てていく方式が基本ですが、月1~2万円程度になるので、あらかじめ把握していないと手痛い出費になりかねません。
 

全てが無償化されているわけではない

高校無償化という字面からは、高校生活に関わるひと通りの出費がタダになるというイメージをもつ人がいるかもしれません。しかし、無償化されるのはあくまでも授業料のみで、入学金や教材など、出費が必要になる部分は非常に多いです。特に入学する時点では、高校無償化の対象であっても、数十万円の出費が求められる場合が多いので、あらかじめ用意しておきましょう。
 
出典
文部科学省 高校生等への修学支援
文部科学省 令和3年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について
文部科学省 平成30年度子供の学習費調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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