クレジットカードを盗まれて不正使用されたら? いざというときの補償や注意点
配信日: 2022.03.30 更新日: 2022.03.31
ある日突然、利用した覚えがまったくない買い物(購入履歴)を見つけたという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
誰にでも身近に起こり得る、クレジットカードの不正使用に対する補償や注意点について確認してみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
カードの紛失・盗難での基本的な対処
まず、紛失・盗難などでクレジットカード自体が手元から無くなってしまった場合の対処を確認してみましょう。
(1)速やかにカード会社に連絡し、利用停止の手続きをする
当たり前のようですが、いざ自分が盗難などの被害に遭遇すると冷静ではいられなくなる場合もあるため、普段から持ち歩いているクレジットカードのカード会社と枚数、可能であれば紛失・盗難の受付窓口の電話番号などを把握しておくことをお勧めします。
なお、カードが手元にある場合でも不正使用されている形跡を見つけたケースでは、カードの裏面に問い合わせ先の電話番号が記載されていますので、そこに連絡するといいでしょう。
(2)警察への届け出をする
カードの紛失や盗難に気がついた時点で、たとえ不正使用による被害の発生が確認できていない場合でも、必ず警察への届け出をしておきましょう。カードの紛失・盗難の場合は警察の届け出は必須です。
(3)カード会社への必要書類の提出と不正使用の確認
カード会社に所定の書類を提出し、クレジットカードが本人以外の第三者によって不正に使用されたことが確認された場合には、カード会社による補償が適用されます。
クレジットカードの不正使用による被害は、基本的な対処を行っていれば補償の対象となります。つまり、クレジットカードの場合は現金そのものが盗難に遭ったときよりも、その被害額を取り返すことができる補償があるといえます。
ただし、故意や重過失、家族による不正使用、虚偽などの場合には補償の対象となりません。
不正使用の補償に関する注意点
前述した以外にも、補償の対象外となるさまざまなケースがあります。以下は、その代表的な事例です。
(1)暗証番号を入力して不正使用があった場合は補償対象外
クレジットカードの暗証番号を入力して不正使用された場合には、原則、補償の対象外となります。
よくいわれるとおり、類推されやすい暗証番号(誕生日や連続した数字など)の利用は避けなければなりません。例えば財布ごと盗難に遭い、運転免許証などから誕生日が判明し、簡単に暗証番号がばれてしまうというケースがあります。最終的に補償の対象か否かの判断は、カード会社が決定します。
(2)カードの裏面にサインをしていなかった場合は補償対象外
カードの裏面の署名欄に本人がサインをしていなかった場合は、原則、補償対象外となります。単純に第三者がサインをすることで、署名したと見なされてしまうためです。
(3)車上荒らしで抜き取られたETCカードの不正使用は補償対象外
有料道路の自動料金支払システムに対応したETCカードと一体型のクレジットカードもありますが、ETCカードの管理は本人が手元で行う必要があります。
カードの抜き忘れや車内への置き忘れが原因の場合には、不正使用でも本人に請求が届くこととなります。
(4)カード会社への届け出から61日以前の損害は補償対象外
紛失や盗難、あるいは不正使用についてカード会社に届け出があってから、さかのぼって60日以内の損害が補償の対象となります。
カードの利用実績は、すぐに利用明細に掲載される場合と、少しタイムラグがあってから掲載されるケースがあります。いずれにしろ、60日以内という補償期間があるため、カード会社への届け出は迅速に行うことが重要でしょう。
まとめ
私たちは日々何気なく、便利にクレジットカードを利用していますが、その決済方法には前述の暗証番号や署名による本人確認のほかに、サインレス決済が使われています。
例えば、コンビニエンスストアやスーパーなどのレジ、高速道路の料金所などでは、時間や作業のロスを避けるなどの目的でサインレス決済が多く採用されています。つまり、カードが盗難されただけでも、セキュリティーが無い状態で不正に利用されてしまいます。
ふとした気の緩みや不注意から、クレジットカードを紛失してしまうことは誰にでもあり得ることです。いざというときにために、ご自身が利用しているカード会社の補償内容について確認しておきましょう。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー