更新日: 2022.03.31 その他暮らし

減り続ける自動車保有台数。原因は生涯コストの増加か

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

減り続ける自動車保有台数。原因は生涯コストの増加か
近年、自動車の保有台数が年々減少傾向にあります。その背景にはライフスタイルの多様化などさまざまな要因が推測されますが、自動車の保有にかかる生涯コストの高さも一因です。
 
この記事では、自動車の生涯コストをシミュレーションしてみました。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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乗用車の保有台数は毎年減少傾向

国土交通省の「自動車保有台数の推移」によると、2020年の乗用車保有台数は3万9060台となっており、前年対比162台の減少となりました。10年前の2010年は4万153台であるため、自動車の保有台数は年々減少傾向にあることが確認できます。
 
高齢者が自動車を手放していることや、若者のクルマ離れなどさまざまな理由が推測できますが、車の生涯保有コストも大きな一因と考えられます。
 

自動車にかかる生涯コストは約3600万円

自動車は購入費用だけでなく、税金や車検費用、ガソリン代などの維持コストがかかります。20歳から70歳までの50年間自動車を保有した場合の生涯コストについてシミュレーションをしてみました。以下で詳しく解説していきます。
 

自動車の生涯維持コスト

まずは自動車の維持コストを計算してみましょう。
 
「図表1」
排気量2.0リットルのミニバン(エコカー)を保有しているケース

車検費用 約10万円/2年
自賠責保険 約2万円/2年
任意保険 約7万3000円
※6等級新規、ゴールド免許、年間走行距離1万1000km以下、30代で試算
税金 自動車税:4万3500円/年
自動車重量税:2万5000円/2年
ガソリン代 約10万円
※ガソリン代1リットル=150円、年間走行距離=1万km、燃費15km/リットルで計算
駐車場代 1万円/月
合計 約40万9000円/年

 
自動車の年間の維持コストはおよそ40万円となりました。50年間の維持コストは40万9000円×50年=2045万円です。
 

自動車の生涯購入コスト

続いて、車の購入費用について確認しましょう。

(1)250万円の車を50年間で7回乗り換える
250万円×7回=1750万円
 
(2)乗り換え時の下取り価格が20万円
20万円×7回=140万円
 
(3)1750万円-140万円=1610万円

50年間でかかる車の購入費用は総額1610万円となります。
 
これを先ほどの生涯維持コストと合わせてみると
2045万円+1610万円=3655万円
 
自動車を50年間保有することによる生涯コストは3655万円です。もちろん車種や駐車場の有無、走行距離等によって金額は変動しますが、その場合でも決して安くはないことが分かります。
 

ライフスタイルにあったクルマ選びをしましょう

近年ではカーシェアリングやサブスクリプションの利用などが広がり、「車は所有するもの」という意識が変化してきました。ライフスタイルの変化に合わせて、車の乗り方も自由に選べる時代です。車を購入する場合もカーシェアリングを利用する場合も、しっかりとコストを確認し自分に合った選択をするようにしましょう。
 
出典
国土交通省 数字で見る自動車2021
国土交通省「令和3年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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