更新日: 2022.04.25 暮らし

自己都合退職でも給付制限なし? 特定理由離職者の条件や給付金額を解説

自己都合退職でも給付制限なし? 特定理由離職者の条件や給付金額を解説
自己都合で退職した場合、ほとんどの人は2〜3ヶ月の基本手当(失業保険)の給付制限を受けます。しかし、「特定理由離職者」に当てはまるときは、自己都合退職でも給付制限なしで給付金の受け取りが可能です。
 
今回は特定理由離職者の概要や条件、もらえる給付金額などを解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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特定理由離職者とは「雇い止めや正当な理由で自己退職した人」

特定理由離職者とは、雇い止めや正当な理由で自己退職した人のことです。契約更新がされなかった非正規雇用者や心身に不調を抱えてしまった人、通勤が困難になった人などが当てはまります。
 
特定理由離職者になると、一般の受給資格者と比べて、基本手当の受給要件や給付制限が緩和されます(求職の申込み後の待機期間7日間はなくならない)。
 

受給資格者 受給要件 給付制限
特定理由離職者 離職日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月以上 なし
一般の受給資格者 離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上 最大3ヶ月の給付制限

 
また特定理由離職者になると、失業してから一定の期間、国民健康保険料が減額される場合があります。多くの市区町村では「前年の給与所得を100分の30とみなして保険料を計算する」としています。詳しくはお住まいの市区町村の窓口や公式サイトにてご確認ください。
 

・特定理由離職者に当てはまる条件

特定理由離職者に当てはまる条件は主に次のとおりです。

●期間の定めがある労働契約が満了した後、更新の意思あり、なおかつ契約更新を明示する契約を結んでいるにもかかわらず更新されずに離職
●体力の不足や心身の障害・傷害、疾病、視力・聴力・触覚などの減退などが原因で離職
●父母の看護や扶養が必要になるなど、家庭の事情が急変したことが原因で離職
●配偶者または扶養すべき親族との別居が困難になり離職
●結婚による住所変更、保育所の利用や保育の依頼、事業所の移転、転勤・出向命令などによって通勤が不可能または困難となり離職 など

家庭の事情や通勤の都合など、多くの人にとっての身近な問題でも特定理由離職者の条件になります。
 

・所定給付日数・給付金額は原則として一般の受給資格者と同じ

特定理由離職者の所定給付日数(基本手当がもらえる日数)は、原則として一般の受給資格者と同じ日数です。例えば雇用保険に12年加入していた場合は、基本手当の日額×120日分が支給されます。
 
<図表1>

(出典:ハローワークインターネットサービス)
 

・特定理由離職者に該当するかはハローワーク等が判断

特定理由離職者に該当するかは、離職者・元雇い主の双方の主張や提出資料にもとづいてハローワーク等が判断します。意見がかみ合わないときは、ヒアリングや資料確認のお願いがくる場合もあります。
 
有期雇用の契約書や病院の診断書など、離職理由の証拠となるものは捨てずに残しておきましょう。また、離職理由をハローワークに伝えるときは、できる限り詳細に話してください。
 
なお、特定受給資格者の認定についても同様です。
 

特定受給資格者は「雇用先の倒産や問題で退職せざるを得ない人」

特定理由離職者とは別に、特定受給資格者に該当するケースもご紹介します。特定受給資格者とは、やむを得ない理由で離職を余儀なくされて離職した人のことです。
 
理由としては、「事業所が倒産・廃業した」「賃金が支払われない・著しく下げられた」「離職日前の6か月間のうち3ヶ月連続で労働基準法の限度以上(45時間以上など)の残業があった」などが当てはまります。
 
受給要件や給付制限の扱いは、特定理由離職者と同じです。しかし所定給付日数が最大330日となり、給付金額が増加する可能性があります。
 
<図表2>

(出典:ハローワークインターネットサービス)
 

特定理由離職者に当てはまらないときは給付制限がかかる

特定理由離職者・特定受給資格者ではなく一般の受給資格者と判断されたときは、「正当な理由なく離職した者」として基本手当の給付制限を受けます。
 
制度改正によって2020年10月1日以降で離職した人は、給付制限3ヶ月から2ヶ月に緩和されました。ただし、退職日から5年以内に、他の事業所で正当な理由のない自己都合退職を2回以上行っていたときは3ヶ月となります。
 
<図表3>

(出典:2020年10月1日から給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月になります|厚生労働省)
 
給付制限が緩和されたものの、2ヶ月以上も収入を得られないことを不安に思う方も多いと思います。退職前には自分が特定理由離職者または特定受給資格者に当てはまるのかどうか、事前にハローワークに問い合わせて見解を聞いておくのもよいでしょう。ただし現時点での見解になるため、実際は違う判断となる可能性がある点には注意が必要です。
 
出典
ハローワークインターネットサービス – 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
厚生労働省 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
厚生労働省 離職されたみなさまへ
厚生労働省 「給付制限期間」が2か月に短縮されます
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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