更新日: 2022.04.25 暮らし

2022年4月、高校で金融教育が必修になる。何を学ぶ?

2022年4月、高校で金融教育が必修になる。何を学ぶ?
学習指導要領の改訂により、高校で金融教育が行われることになりました。なぜ金融教育が導入されるのか。それは、変化の激しい社会に必要な「生きる力」を育むためです。
 
「金融の知識が無くて苦労した」
「もっと早くからお金を貯めておけばよかった」
「こんなに税金をひかれるなんて知らなかった」
今までに、そんな経験をした方は多いと思います。
 
大人も学びたいと思うような内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
 
 
FINANCIAL FIELD編集部

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高校で金融教育が必修化された背景

高校で金融教育が行われる背景には、以下の3つが挙げられます。
 

・老後の生活保障が減少する可能性があること

少子高齢化が進み、今までの社会保障制度が揺らいでいるのが理由です。2020年、年金制度が改正され、出来るだけ長く働くことが求められています。老後資金は、ある程度自分で貯めておかないと安心できないということです。
 
そのために、早いうちから人生設計をして老後のお金を貯める必要があるのです。
 

・成人年齢が18歳に引き下げられたこと

2022年4月から、18歳になると親の承諾なしにさまざまなお金の契約が出来るようになります。それにともない、お金のトラブルが増加することが予想されています。自分の責任で正しい判断力を、高校で身に付ける必要があります。
 

・諸外国に比べて金融教育が遅れていること

日本では、家計の金融資産の半分は現預金です。一方、アメリカやイギリス等の諸外国では、株式等の資産が多くを占めています。幼少期からお金の教育を受けることで、資産形成の方法を学んでいるからだと考えられます。
 
日本でも、安定的な資産形成のために、貯金から投資へとシフトする目的があります。一人ひとりの豊かな資産形成が、日本の経済を豊かにするのです。
 

金融教育で学ぶこと

高校の金融教育は、おもに家庭科の授業で学ぶことになります。文部科学省の高等学校学習指導要領解説では、以下のように書かれています。
 

生活における経済の計画
 
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。  
(ア)家計の構造について理解するとともに生活における経済と社会との関わりにつ いて理解を深めること。  
(イ)生涯を見通した生活における経済の管理や計画、リスク管理の考え方について 理解を深め、情報の収集・整理が適切にできること。
 
イ 生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について、ライフステージごとの課題や社会保障制度などと関連付けて考察し、工夫すること。

 
では、具体的にどんなことを学ぶのでしょうか。
 
重要なのは、金融リテラシー(お金と上手に付き合うために必要な知識や判断力)を高め、「生きる力」を養うことです。金融リテラシーを高めることで、計画的に将来設計ができ、やりたいことが実現できる可能性が高まります。そして、経済的に自立し、良い暮らしが送れるようになるのです。
 
金融庁はホームページで、高校生に向けて、動画で金融教育について解説しています。
 
・家計管理とライフプランニング
働いてお金を稼ぎ、収入の範囲内で生活することが、家計管理の基本です。
 
どんな職業に就きたいか、何歳で結婚したいのか、どんな家に住みたいのかなど、自分なりのライフプランをたて、将来設計する事を学びます。ライフプランに合わせ、いくらお金がかかるのかを考えることで、将来的にどれくらいお金が必要になるのかを予測します。
 
・お金の使い方
賢いお金の使い方は「必要な物」なのか「欲しい物」なのかを区別し、「必要な物」に優先的にお金を使う方法です。また、クレジット、電子マネー、QRコード決済などのキャッシュレス決済についても学びます。現金との違いや、メリットとデメリットを細かく理解します。
 
・資産形成
株式、債権、投資信託等、幅広く資産を増やす方法を学びます。リスクとリターンの関係や、投資の効果、注意点についてを理解します。金融商品の選択や運用は、自己責任であることを知ることが大切です。
 
・社会保険と民間保険
保険はどんな仕組みなのか、保険にはどんなものがあるのかを学びます。社会保険はどんな時に使えるのか、民間保険は必要なのかを考えます。
 
・クレジット・ローン
クレジット・ローンは借金であることを学びます。
 
例えば、リボ払いやクレジットカードのキャッシングサービスを、借金と知らず気軽に利用してしまうことがあります。借金は、金利や手数料がかかる事を理解し、お金を借りることが大切です。
 
・金融トラブル
金融トラブルに合わないためには、正しい知識を身に付ける必要があります。どんな詐欺やトラブルがあるのかを具体的に学びます。
 

今後の課題

高校生が学ぶ金融教育の内容には、投資や保険など専門的な知識が必要なものがあります。そのため、家庭科の教師がすべて教えるのには、不安があります。
 
金融の専門機関が作成した教材の活用や、専門知識のある外部講師による授業が必要だと思います。実践的にお金について学び、社会とつながっていることを実感できるかが、ポイントです。
 
さらに、お金について、どれだけ家族で話し合いができるかも重要。日本では、お金の話を子どもにすることを避ける親も少なくないと思いますが、お金に対する価値観を共有することはとても大切です。子どものライフプランに合わせた資産形成を一緒に考えることで、子どもの将来の夢の実現につながる可能性が高まるのです。
 
ぜひ、大人も一緒に学び、家族でお金について話し合ってみてはいかがでしょうか。
 
出典
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
金融庁 委託調査:「諸外国における家計の安定的な資産形成の促進に向けた政策的取組みに関する調査研究報告書」について
金融庁 基礎から学べる金融ガイド
金融庁 高校生向け授業動画・教員向け解説動画
文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 【家庭編】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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