更新日: 2022.04.01 子育て

高校入学の子どもがいる家庭が新学期に支払うお金の合計は? 私立と公立の差は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

高校入学の子どもがいる家庭が新学期に支払うお金の合計は? 私立と公立の差は?
日本における高等学校進学率は98.9%です。近い将来、進学を予定している子どもをもつ親にとっては、入学時に一体どれくらいの費用がかかるのか気になるところでしょう。そこで今回は子どもが高校入学時に支払うお金の合計を、文部科学省の調査をもとに、公立・私立それぞれに分けて紹介します。さらに国の支援策についても解説します。
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公立高校入学時にかかる費用

文部科学省では、教育費に関する実態と今後の施策の指針を目的として、隔年で子どもの学校教育のために支出した経費を調査しています。これを「子供の学習費調査」といいます。
 
2018年度の子供の学習費調査によれば、公立高校1年生が年間で必要とする学校教育費は37万374円です。そのうち授業料が2万6010円、入学金などにあたる学校納付金が3万2794円です。
 
さらに新入生は制服や通学用品を新たにそろえる必要があるため、余計に費用がかかります。制服費が5万5516円、通学用品費が1万7916円です。ほかには修学旅行・遠足費が1万4511円、生徒会費が2万3275円、PTA会費が7360円、寄付金が297円、教科書費が3万4550円、学用品・実験実習材料費が3万5903円、教科外活動費が6万2805円、その他4600円です。
 
ただし学校教育費のなかには、通学費5万4837円が含まれています。したがって自宅と学校の距離が離れていなければ、かかる費用を抑えることができます。
 

私立高校入学時にかかる費用

次に私立高校入学時にかかる費用を見ていきましょう。2018年度の子供の学習費調査によれば、私立高校1年生が年間で必要とする学校教育費は95万6333円です。そのうち授業料が24万1755円、入学金などにあたる学校納付金が31万3129円です。公立高校と比較して授業料・入学料ともに高いことが見て取れます。
 
さらに新入生特有の制服費が7万1546円、通学用品費が1万8607円です。加えて修学旅行・遠足費が3万3648円、生徒会費が1万9619円、PTA会費が1万2567円、寄付金が5057円、教科書費が3万5680円、学用品・実験実習材料費が3万4363円、教科外活動費が8万6258円、その他5366円です。また通学費7万8738円も含まれています。
 

国の支援策

以上のように子どもが高校入学時に公立で約37万円、私立で約96万円かかります。かかる負担を軽減するために、国はいくつかの支援策を用意しています。それは、「高等学校等就学支援金」と「高校生等奨学給付金」です。以下でそれぞれ見ていきましょう。
 

・高等学校等就学支援金

高等学校等就学支援金とは「高校無償化制度」とも呼ばれています。高等学校等就学支援金は日本国内の高校に通う子どもを対象に、返還不要の支援金を支給する制度です。ただし所得要件が設けられ、世帯の所得によって支給額が変動します。
 
所得要件は家族構成・労働環境によって変化しますが、年収が約590万円未満の場合には、子どもが公立に通学していると年間11万8800円、私立に通学していると年間39万6000円の支援金を受け取れます。
また年収が約590万円~910万円未満の場合には、公立・私立ともに年間11万8800円の受給が可能です。なお、年収が約910万円以上の世帯は対象外です。
 

・高校生等奨学給付金

高等学校等就学支援金があくまで授業料の支援制度であるのに対して、高校生等奨学給付金は授業料以外の教科書費・修学旅行などの学校教育費を支援してくれます。
 
対象者は生活保護受給世帯と住民税非課税世帯です。生活保護受給世帯は、子どもが公立に通学していると年間3万2300円、私立に通学していると年間5万2600円支給されます。住民税非課税世帯は、第一子が公立に通学で年間8万2700円、私立に通学で年間9万8500円、第二子以降は公立に通学で年間12万9700円、私立に通学で年間13万8000円支給されます。
 

あらかじめ準備をしよう

上述したように子どもの高校入学時には結構な費用がかかります。将来の入学に備えて、教育費を貯金することが肝心です。
 
また高等学校等就学支援金・高校生等奨学給付金などの支援制度や、市区町村が独自に設けている奨学金制度があります。これらの制度は必ず自ら申告して受給する運びになっています。期限が設定されているので、対象世帯は忘れずに申し込みをしましょう。
 
出典
文部科学省 平成30年度子供の学習費調査
文部科学省 高校生等への修学支援
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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