奨学金や給付金、大学2年から申し込めるのはどんな種類がある?
配信日: 2022.04.13
大学入学後、家計の状況が変わったことにより、奨学金や給付金の利用を考える人もいるのではないでしょうか。
今回は、大学在学中でも利用できる奨学金や給付金について紹介します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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日本学生支援機構の奨学金
日本学生支援機構の奨学金には、大学進学前に申し込む「予約採用」と、大学進学後に申し込む「在学採用」が用意されています。進学前の予約採用で不採用となった人も、在学採用に申し込むことができます。
在学採用には、予約採用と同様に、返還不要の「給付奨学金」と、返還が必要な「貸与奨学金」があり、給付奨学金は毎年春に、貸与奨学金は原則として毎年春と秋の2回募集を行っています。
貸与奨学金には無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があり、併用もできます。
2022年度においては特例として、貸与型についても春と秋の2回募集を行うことが決定しており、希望する人は申し込んでみましょう。
■申し込み手続きの流れ
在学中に奨学金への申し込みを行う場合、在学している大学で申込書類を入手します。ちなみに2022年4月から支援を受ける際のスケジュールは、以下のとおりです。
1.在学中の大学で申込書を入手します(その際、文部科学省や日本学生支援機構のサイトで、自分が利用基準を満たしているか確認しておきましょう)。
2.4~5月にかけて申し込みを行います。その際には以下の手続きが必要です。
●学校へ申込書を提出する
●インターネットで申し込む
●マイナンバーを日本学生支援機構に提出する
3.学校側にて学業の成績や学習への意欲を審査し、日本学生支援機構へ推薦します。
4.日本学生支援機構にて審査を行い、採用された場合は4月分からの支援が開始されます。
ただし、審査を受けて通知が来るのは7月ですので、さかのぼって支援が行われることになります。
■利用できる人
給付型、そして貸与型どちらにも学力基準と家計基準が設けられています。
1.給付型
住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯が対象です。さらに、学ぶ意欲がある学生であることが要件となっています。
2.貸与型
貸与型に申し込む場合、「本人の属する学部(科)の上位1/3以内であること」もしくは住民税非課税世帯であることなどのいずれかが要件です。
また、年収・所得の上限額の目安は、図表1のとおりです。
図表1
(日本学生支援機構:「学びたい気持ちを応援します」、日本学生支援機構「2022年度在学者用 貸与奨学金案内(大学等)を参考に筆者作成」
■支援金額
1.給付型
住民税非課税世帯の中でも第I区分に該当する場合、最高で図表2の金額が給付されます。
図表2
(*)住民税非課税世帯においては支給額拡大
(日本学生支援機構:「学びたい気持ちを応援します」、日本学生支援機構「2022年度在学者用 貸与奨学金案内(大学等)を参考に筆者作成」
2.貸与型
貸与型は第一種と第二種で金額が異なります。
図表3
(日本学生支援機構:「学びたい気持ちを応援します」、日本学生支援機構「2022年度在学者用 貸与奨学金案内(大学等)を参考に筆者作成」
<第二種奨学金>
2万~12万円までの間で、1万円単位で選択
授業料の減額および免除
ちなみに給付金奨学金の対象者であれば、授業料の減額もしくは免除を受けることができます。その額は図表4のとおりです。
図表4
まとめ
奨学金は通常、大学進学前に申し込み、採用を受ける流れになりますが、大学進学後2年生になってからも申し込むことはできます。
特に、コロナ禍において家計の状況が急変した世帯に対しては、年間を通じて随時申し込みを受け付けています。
ただしその場合、申し込めるのは給付型の奨学金であるため、家計基準を満たす必要がある点には注意しておきましょう。
また、貸与型の奨学金については、社会人になってから返還する必要があります。
ただし、勤務先の状況や自身の状況によって返還が難しくなるケースも散見されます。その際の返還を支援する取り組みを各自治体が始めています。
例えば、奨学金を利用し、大学卒業後にその自治体の企業に就職した場合、返還すべき奨学金の一部を補助してくれる(※)などです。
それぞれ、自治体によって補助内容や申込期間が異なりますが、このような制度もあるということを知っておき、就職の際の企業選びに参考にしてみることをおすすめします。
出典
(※)
佐世保移住サポートサイト 「SASEBO Lifeをはじめよう!」佐世保市奨学金等返還サポート制度
日本学生支援機構
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員