更新日: 2022.04.13 その他暮らし

移住の失敗例。都会にいたほうが節約になるケースとは?

移住の失敗例。都会にいたほうが節約になるケースとは?
都会から田舎に移住すれば生活費などが減って節約になる、そう考えていませんか?
 
移住先にもよりますが、都会にいたときのほうがお金は貯まっていたということもあるようです。
 
そんな移住の失敗例について紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

田舎への移住によって節約になるとはかぎらない

意外に思われるかも知れませんが、メディアで言われるほど移住によって簡単に支出が減り、節約できることで都会に住むよりもお金が貯まるというものではありません。
 
地域にもよりますが、田舎であっても物価が都会とあまり変わらないこともありますし、田舎特有の負担などがあるからです。
 
田舎への移住を検討する際は、まず移住先の地域についてしっかりと調べ上げ、実際に移住した場合の毎月の収支についてシミュレーションし、都会に住んでいる現在と比較することが大切です。
 
下調べやシミュレーションをせずに移住をすると、場合によっては都会にいたほうが節約になっていたという結果にもなり得ます。移住に失敗してしまう例としては、次のようなケースがあります。
 

車の維持費についての考えが甘い

都会に住んでいて車を所有したことがない方の場合、移住後に始めて車の維持費を知り、驚かれることもあります。
 
車検に任意保険、自動車税や自動車重量税、もろもろのメンテナンス費用、場所によっては駐車場代など、毎日乗らなくても一定の出費が生じます。もちろん、乗れば乗るほどガソリン代もかかります。
 
田舎はどこへ行くにも車というのは珍しくありませんし、一家に1台ではなく、一人1台が当たり前という地域もあります。利用頻度や駐車場所などにもよりますが、軽自動車1台であっても、維持費について少なくとも年間40万円程度はかかります。
 
移住によって家賃や生活費が下がったとしても、車の維持費がその分を上回り、かえって支出が増えるということもあり得ます。
 

子どもが大学進学を控えている

子どもが大学進学を控えているという場合は、田舎への移住を慎重に考える必要があります。
 
進学のための予備校の選択肢は、圧倒的に都会のほうが多いです。また、都会と田舎では、実家から通える範囲の大学数が大きく異なります。
 
進学する大学によっては子どもが一人暮らしをすることになり、仕送りなどで都会に住んでいる頃よりも家計の支出が増えてしまいます。その結果、移住に失敗したと思ってしまうことにもなりかねません。
 

家に関する支出が意外と多い

最近増えているのが、田舎にある空き家を格安で購入後、リフォームして移住をするというパターンです。
 
しかし、安く購入できるというのは何かしらの理由があります。例えば、湿気が多い場所で通常よりも建物の劣化が早く修繕費がかかる、水漏れや基礎部分のひび割れなど重大な欠陥があって多額のリフォーム代が発生するなどです。
 
安い物件があるからと、場所や建物についてよく調べずに飛びついて移住すると、後々、思いもよらない出費が生じて移住を後悔することになるかもしれません。
 

そもそも移住をしても生活費は大して下がらない

厳しい現実ですが、田舎の物価が安いというのは都会の人の幻想に近いです。確かに田舎は土地や家賃、生鮮食品の価格などは都会に比べて安いでしょう。しかし、コンビニやチェーン店の物の価格、通信費などは都会と一緒です。
 
また、プロパンガスしか利用できない地域では、都市ガスが利用できる都会よりもガス代が2倍以上になったり、冬の寒さが厳しい地域では暖房のための光熱費が毎月3万円近く必要となったりすることもあります。
 
また、基本的に田舎は都会よりも給与水準が低く、自営業や起業でもしないかぎり、収入が下がることが考えられます。
 
田舎に行けば生活費が下がって節約できると安易に考えて移住すると、都会にいるよりも意外に出費が増えて、収入も減ってしまったという結果にもなりかねません。
 

移住に失敗しないためには今と移住後の支出を比較すること

移住に失敗しないためには、移住先について徹底的に調べ、移住後の生活によって生じる支出についてシミュレーションし、今の生活費と比較してどう節約になるのか把握しておく必要があるといえます。
 
都会から田舎への移住を考えている方は、今一度、本当に移住して問題がないのかしっかりと検討してみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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