双子・三つ子を妊娠した！ どのような支援が受けられる？

待ち望んでいた妊娠がわかり、初めての妊婦健診で「双子（三つ子）です！」と告げられたとき、喜びはもちろんのこと、しっかり育てていけるかさまざまな不安を感じることもあるでしょう。
 
多胎の子育てに対する不安もあるでしょうし、教育費はどのくらいかかるのか、共働きの場合は仕事との両立にも不安を感じるかもしれません。国や自治体からどのよう支援を受けられるのか、経済的支援を中心に調べました。

児童手当

中学校を卒業するまでの児童を育てている家庭が受け取れる「児童手当」は、子どもの人数に応じた金額を受け取ることができます。所得制限がありますが、所得制限に該当しない場合は次のようになっています。
 

（出典：内閣府　児童手当制度のご案内（※））
 
つまり、双子なら3歳になるまでは月3万円、3歳から中学校卒業までは月2万円、三つ子なら3歳までは月4万5000円、3歳から小学校修了までは月3万5000円、中学校卒業までは月3万円という計算になります。
 
所得制限は世帯主の年収で判定します。
 
例えば、子3人など3人の扶養家族がいる場合で960万円、妻と子3人など4人の扶養家族がいる場合で年収1002万円が目安となります。当然のこととはいえ、子どもの人数が多ければ所得制限の金額も少し緩和されるのはありがたいですね。
 
所得制限に該当すると、子ども1人に対し月5000円になるので、中学校卒業まで金額が変わることなく、双子なら月1万円、三つ子なら月1万5000円です。
 
なお、2022年10月からは世帯主の年収が1200万円（扶養親族が3人の場合）を上回る場合は、児童手当が支給されなくなります。
 

保育園の保育料

子どもが増えれば教育費も増えることが予想され、夫婦共働きを続けようと思うものの、仕事と子育ての両立ができるか、保育料が増えてかえって家計が苦しくなってしまうのではないかと心配する人もいるでしょう。
 
保育料は市区町村によって、また所得によって異なりますが、基本的に第2子は半額、第3子は無料と定められています。つまり、双子でも三つ子でも保育園に入園できれば、保育料は子ども1人の場合の1.5倍ということになります。
 

ミルク、紙おむつ

母乳で育てるつもりでも、赤ちゃんが2人、3人となればミルクを利用することもあるでしょう。例えば、多胎児を育てている家庭を支援するために、液体ミルクを一般より安い専用価格で販売するサービスもあります。
 
また、紙おむつも子どもの人数に比例して必要な数が増えます。紙おむつ購入の支援をしている自治体も少ないようですが、例えば金沢市では、双子や三つ子を育てている家庭を対象に紙おむつを月1回、無償で配達しています（2022年4月時点の情報）。
 

ヘルパー派遣などによる家事・育児支援

双子や三つ子がいると、家事・育児の負担が大きくなるのはもちろんのこと、健診などで外出するのも大変です。
 
自治体によってはホームヘルパーなどを派遣して家事・育児の支援をおこなうサービス、タクシー料金の助成、検診時のサポート、保健師の訪問など、双子・三つ子を育てる家庭のニーズに応える支援をおこなっています。
 
双子や三つ子を育てる家庭に対する支援があるかどうか、またどのような支援をしているかも自治体によって千差万別です。妊娠がわかった時点で、自分が住んでいる自治体ではどのようなサポートを受けることができるか調べておきましょう。
 
もしも家族が増えることで住み替えを検討するようなら、候補となる住まいの自治体で多胎児に対するサポートがあるかも、新居を決める条件として考えたいものです。
 

出典

（※）
内閣府　児童手当制度のご案内
金沢市　多胎児家庭紙おむつ給付事業
 
執筆者：蟹山淳子
CFP(R)認定者