更新日: 2022.04.20 その他暮らし
突然の失業。日々の暮らしのためにまず確認したいお金まわりのこと
そこで、今回は突然の失業でも落ち着いて対応ができるよう、まず確認しておきたいお金まわりの事項について紹介します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
まずは貯金の額を確認
突然の失業という場合、多くの方が次の就職先が決まっていない状態での失業となるでしょう。そのため、まずは現在の貯金額を確認します。
その後、毎月の生活費をある程度洗い出し、今の貯金額でどれくらいの期間、失業状態が続いても生活できるかを計算します。そうすることで、今やるべきことを順序立てて考えることができます。このとき、半年間から1年間くらい生活できるだけの貯金があると、ある程度は安心して生活を立て直す準備ができます。
貯金が少し心もとないと感じるのであれば早期に再就職を目指す、就職活動と並行してアルバイトをする、急いで雇用保険の受給手続きなどを進める、生活費の見直しをするなど今後の計画を綿密に立てていく必要があります。
雇用保険の受給手続きを進める
失業状態となったら、できるだけ早く雇用保険の基本手当の受給手続きをしましょう。雇用保険の基本手当とは、離職前の2年の間、雇用保険に12ヶ月以上加入していれば受け取れるものです。
基本手当の額は上限があるものの、おおむね収入に比例しており、毎月の給与が20万円の方であれば、おおよそ毎月13.5万円程度受けることができます。倒産や解雇、契約が更新されなかったなどで突然失業した方が基本手当を受け取れる期間は年齢や加入期間によって90日から330日間となります。
※ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数より引用
受給手続きはハローワークで行い、そのときには以前の勤務先から発行される離職票が必要になります。雇用保険の基本手当は手続きが遅れると支給開始時期が遅れるため、できるだけ速やかに手続きをするべきです。
当月や来月には生活費が不足するという場合
貯金がほとんどなく、当月や来月にも生活費が枯渇する、あるいは既に枯渇している、または枯渇しかけているような場合は、住宅確保給付金や、総合支援資金の利用について検討することになります。
住宅確保給付金は貯金額が各市区町村で定める額を超えていないなど一定要件を満たし、住宅を失う恐れがあると認められることで原則3ヶ月間、市区町村が定める額を上限に家賃相当額が給付(返還不要)されるものです。住宅確保給付金についての相談や申請はお住まいの市区町村を管轄する自立相談支援機関ないしコールセンター(0120-23-5572)へお問い合わせください。
総合支援資金とは、新型コロナウイルスの影響によって失業などとなり、日常生活の維持が困難となる場合、2人以上の世帯で月20万円以内、単身世帯では月15万円以内で原則3ヶ月間分、無利子無担保で借りることができる制度です。総合支援資金についてはお住まいの市区町村に存在する社会福祉協議会へご相談ください。
健康保険の手続き
失業して新たに再就職するまでに1日でも日が開く場合は、市区町村役場で国民健康保険への加入手続きが必要となります。この手続きが遅れると、万が一ケガや病気があった際に有効な保険証が手元になく、医療機関での受診がスムーズにいかないことや医療費が一旦全額負担となる可能性があります。
なお、国民健康保険の加入理由が倒産や解雇、契約が更新されなかったなどの場合は保険料が軽減・減免されることもあります。
突然失業状態となっても、落ち着いてお金まわりの確認を
日本には多くのセーフティーネットが用意されており、突然の失業があったとしても冷静に状況を整理して行動することで、生活を安定させることができるようになっています。
失業状態になってしまったら、生活を守るためにまずは落ち着いて貯金の確認をして今後の計画を立て、雇用保険の基本手当のための受給申請をしつつ、健康保険の手続きや必要に応じて住宅確保給付金の利用などから確認して手続きを進めていってください。
出典
ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 住居確保給付金 制度概要
厚生労働省 総合支援資金について
ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
執筆者:柘植輝
行政書士