更新日: 2022.04.25 その他暮らし
未払いの残業代を請求したい! 自分で記録していた勤怠の記録は役に立つ?
この記事では、自分で勤怠を記録していたケースでも、残業代を請求できるのかどうか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
残業代の未払い分はいつまで請求可能? 時効はあるのか
未払い分を請求する際には「時効」があるので要注意です。以下、請求の期限を解説します。
・消滅時効に気をつけよう
残業からある程度の時間が経過すると、その分の残業代を請求できなくなってしまいます。この原則が「消滅時効」です。もしも残業代が払われていないと気付いたなら、時効を迎える前に請求しましょう。
・消滅時効はいつ適用されるのか
2020年4月に改正された労働基準法では、賃金請求の期限は「5年」となっています。つまり、残業から5年経てば、残業代は消滅時効を迎えるといえるでしょう。なお、消滅時効の起算点は「客観的起算点」です。すなわち、本来残業代が支払われるべきだった日から数えて、5年が経てば時効は成立してしまいます。
未払い分の残業代を請求する方法! タイムカードは重要なのか
基本的に残業代の請求は、労働者が自ら行わなくてはなりません。以下、おおまかな手順を解説します。
・残業代を計算する
まずは、残業代を正確に計算します。社則や労働基準法に従い、労働時間と未払い分の残業代をはっきりさせましょう。金額が判明したら、企業側に請求します。通常は、この時点で未払い分が支払われる仕組みです。万が一、雇用者が支払いに応じなかった際には、労働基準監督署に申告することも可能です。それでも交渉が決裂したのであれば、裁判所の労働審判を利用しましょう。
・タイムカードの証拠能力は高い
企業との交渉や裁判を見据えたとき、タイムカードの証拠能力は非常に高いといえます。タイムカードによる勤怠管理は信頼性があるので、労働基準監督署も裁判所も重要視してくれます。残業代の未払い分を請求するのであれば、タイムカードで労働時間を確認するのが理想的です。
もしもタイムカードで残業代を確認できなければ?
タイムカード以外でも、残業代の証拠になるものはあります。以下、例を挙げていきます。
・自分で記録していた勤怠管理や日報
労働者自身の勤怠管理、日報にもある程度の証拠能力はあるといえるでしょう。ただし、自分で自由に記入できる部分も多いので、タイムカードほどの信頼性はありません。ほかの証拠と一緒に用意するのが得策です。
・メールやログインの記録
仕事のメールや、社内システムへのログイン記録も証拠になりえます。これらの時間帯を確認すれば、「定時を過ぎても働いていた」と主張できるでしょう。
・交通ICカード
公共交通機関のICカードをチェックすることで、退勤時間がどうなっていたかの証拠を集められます。
・社内IDカード
オフィスの入館と退館にIDカードを使っていたなら、残業時間の目安になるでしょう。
タイムカードがなくても未払いの残業代は請求できる!
未払いの残業代を請求する際、タイムカードが有力な証拠になるのは事実です。ただし、タイムカードがなければ請求できないわけでもありません。メールやログインデータ、日誌や社内IDなど、証拠になるものはたくさんあります。自分で勤怠管理を行っていた場合も、参考資料の1つにはなりえます。
タイムカードがないからといってあきらめず、しっかり残業代を請求しましょう。
出典
厚生労働省 労働基準法の一部を改正する法律案の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部