更新日: 2022.04.25 その他暮らし
マンション価格は変化する? 変化の要因はどんなもの?
これから自宅の購入を考えられる方で、マンションをご希望という方もいらっしゃると思います。また、マンションに住まれている方で売却を考えられている方もいらっしゃると思います。本記事では、中古マンションの価格の変化に焦点を当て、どのような要因によって価格が変わるのかを解説します。
なお、新築マンションの価格については、価格決定要因が中古マンションとは多少異なるため、本記事では触れておりません。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
価格は需要と供給の関係で決まる
マンションの価格は、需要と供給の関係で決まります。需要(量)より供給(量)の方が多ければ、価格は下がります。反対に、需要より供給の方が少なければ、価格は上がります。ここでいう需要とは「マンションを買いたい」という買い手の数です。供給とは流通している(“売り”に出されている)物件の数です。
需要に一番大きく影響するのは、人の流れ(人口流入、人口流出)です。ある地域に住みたいという方が多ければ、不動産(土地、建物のこと)の需要が増えます。不動産の需要が増えれば、分譲マンションの需要も増え、価格が上がる要因となります。反対に、その地域から人口が減っている場合、不動産の需要が減るため、価格が下がる要因となります。
供給に大きく影響するのは、マンション開発(建築)です。マンション開発をした場合、供給量が大きく増えます。「自宅を売却したい」という方が多い場合も供給量が増えるといえます。理論的にいえば、供給量の増加は、価格が下がる要因となります。「2020年問題」といわれた問題がありましたが、これは供給量増加に伴う不動産価格の下落を懸念したものでした。
価格を知るためのひとつの目安として「相場」というものがあります。相場とは「直近で取引されている価格帯」のことです。需要と供給のバランスが取れているところともいえます。中古マンションの場合、多くは相場を基準に価格を決めます。
マンションごとの価格変化の要因
マンションの価格は、主に需要と供給のバランスが取れているところで決まるのは先述のとおりです。人気エリアにあるマンションは価格が高いというのは、不思議なことではありません。しかし、同じエリアであっても価格が異なる場合があります。これは、マンションの個別要因によるものです。
立地
一言で「立地」といっても、エリアごとにその捉え方は異なります。例えば、都心部では駅に近いところが、評価として高くなります。電車の利便性が高く、普段利用するのは電車と考えられるからです。一方、都心部から少し離れたところは、駅までの距離は都心部ほど影響がありません。駅の利便性が低く、普段利用するのは自動車と考えられるからです。
築年数
マンションの価格は、建物の価格と土地(敷地)の価格の合計額になります。マンションの場合、建物の価格の割合が大きく、土地の価格の割合は小さいのが特徴です。一般に、時間の経過とともに建物の価格は低く評価されていきます。建物の価格の占める割合が大きいマンションは、築年数による影響を受けやすいといえます。
管理状況
マンションには、「専有部分」と「共有部分」があります。専有部分は個人が管理し、共有部分は管理組合(所有者全員で構成)が管理します。共有部分を管理する費用は、マンションの区分所有者から「管理費」や「修繕積立金」といった名目で毎月徴収しています。
管理費は主に日ごろの管理のための費用です。修繕積立金は大規模修繕計画にのっとって徴収されます。これらの費用が適切に徴収、活用されているマンションは、安心して暮らせるマンションと判断されます。価格に直接影響のある要因ではないのですが、購入者の心理に影響を与えますので、場合によっては価格に影響があるといえます。
まとめ
マンションの価格は変化します。マンションの価格は相場を基準に決まります。相場は、需要と供給の関係で決まります。買いたい人の「買っても良い」と思う価格と、売りたい人の「売っても良い」と思う価格が一致したところが価格であり、相場です。買いたい人が売りたい人よりも多くなれば価格は高くなります。反対に買いたい人が売りたい人よりも少なければ価格は低くなります。
マンションごとの要因も、需要面で影響します。マンション購入を考える場合、一般にはいくつかのマンションを比較検討することになります。希望に添ったマンションであるかどうか、価格は内容に見合ったものかどうかなどが検討されます。「立地」「築年数」「管理状況」は、買い手であればチェックすべき項目です。これらの内容が価格に見合っていれば購入されますし、そうでなければ購入は見送られます。購入が見送られた場合、価格が下がる可能性があります。
マンションの価格は、以上のような要因によって変化します。マンション購入を考えられている方、マンションの売却を考えられている方の参考になれば幸いです。
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー