更新日: 2022.04.26 子育て

コロナ前に比べ、子どものおけいこ事は増えている!?

執筆者 : 宮﨑真紀子

コロナ前に比べ、子どものおけいこ事は増えている!?
コロナ禍の生活も3年目に突入しました。その中での子育ては大変だと思いますが、在宅時間の増加など、子どもとの接し方にも変化があるようです。
 
「おけいこ事調査」の結果から、子どもたちの生活を考察します。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

コロナ禍でもおけいこ事は健在

「リモートワークの導入で在宅時間が増えたので、子どもと過ごす時間が増えた」との意見があります。一方で密を避けるために、保育園や小学校の行事が縮小されることも多いです。この環境下での子どもたちの生活が気になります。
 
アクサダイレクト生命保険は2013年から、0~9歳児の母親に対する「子どものおけいこ事に関する調査」を行っています。継続調査の利点を生かし、コロナ禍で子どもたちの生活がどのように変化しているのかを知る情報の1つとして取り上げたいと思います。
 
今回の「第8回子どものおけいこ事に関する調査」は、2022年2月25日~27日にインターネットで行われ、調査対象は0~9歳までの子どもを持つ25~44歳の母親2080人です。
 
2019年10月に消費税が増税され、幼児教育・保育無償化(幼保無償化)が導入されました。その後2020年からコロナの影響を受けるようになり、現在に至っています。調査では、2019年終盤と2022年2月のおけいこ事の数を比較して、社会情勢による影響の有無を探っています。
 
(図表1)

図表1

「外出を避ける動きから、おけいこ事は減らす傾向にあるのでは」と予想していたのですが、すべての年代で「減らした」よりも「増やした」が上回っています。調査結果報告でも、「幼保無償化の対象以外の小学校低学年家庭でも平均値より増やしている」としています。
 
その理由をたずねた質問の回答が下記の図表です。
 
(図表2)
図表2

おけいこ事を減らした理由の4割が「コロナの感染リスク回避」というのは、とても納得できます。
 
逆に増やした理由として、3割近くが「休園や休校による学力低下や運動不足等を補いたい」を挙げています。定員が少人数で感染対策がしっかり確認できれば安心、と判断しているのかもしれません。増加の陰には、レッスンのオンライン化の整備も理由に考えられます。
 

期待が高まるオンラインレッスン

オンラインレッスンといえば、英語や通信講座などの学習系が本流です。
 
オンラインレッスンの導入・切り替えに関する質問では、「ある」の回答が前回調査(2020年11月)より増加し、特に小学校低学年では7.5%から13.0%に上昇。学校が休校になったことなども影響していると考えます。
 
しかしコロナが長引いていることもあり、オンラインレッスンはピアノなどの芸術系や水泳などの運動系にまで裾野を広げています。大人の私たちがZoomを使ってセミナーを受講したり会議に参加したりするのと同様に、子どもたちはダンスのレッスンに励み、コーチから指導を受けるなどしているのです。中には、オンデマンド機能で繰り返し復習することもあるようです。
 
同調査では、オンラインレッスンに対する考え方もたずねています。前向きな意見としては、

(1) 送迎の負担がなくなった
(2) 新型コロナの感染予防の観点でよい
(3) レッスンの様子を間近で見ることができる

という意見があります。
 
一方で、

(1) ずっと家の中だと気持ちの切り替えが難しい
(2) 視力の悪影響が心配
(3) 細かなコミュニケーションがとりづらく質問がしにくい

という問題点もあるようです。オンラインレッスンのバリエーションが増えることに加えて、これらの問題点をいかに改善するのかも期待したいところでです。
 
子どもにおけいこ事をさせている母親の割合は55.9%、子ども1人当たりのおけいこ事の数は1.53、家計におけるおけいこ費用の平均月額は1万3395円という調査結果も報告されています。
 
オンラインレッスンが充実すると、自宅などに居ながらにしてたくさんのレッスンを受講できることになります。FPとしては、簡単に申し込めるがゆえに、おけいこ事の数が増えて費用がかさむ点が心配です。子どもの可能性を育てることは大切ですが、アレもコレもと欲張らず絞り込むことが肝要と考えます。
 

出典

アクサダイレクト生命保険 「第8回子どものおけいこ事に関する調査」結果
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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