ウクライナショックで普通預金が危険!? 今すぐすべきインフレ対策とは?
配信日: 2022.04.27
今回は、知っておきたい経済用語「インフレーション」について解説します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
ウクライナショックでインフレが起こる理由
ロシアによるウクライナへの侵攻により世界経済が大きく揺れていますが、物価が上がる、インフレーションもその一つです。今回のウクライナショックがインフレにつながる理由は、幾つか考えられます。
まずロシアは、世界の中でも有数のエネルギー国家です。ロシアの原油が世界中に行き渡らなくなると、原油の需要(原油が欲しい人)が、供給(原油を売る人)を上回るようになり、原油価格が上昇し、インフレーションにつながります。
また、ロシアの通貨であるロシアルーブルへの信頼度が下がっています。そのため、ロシア国内では物価が急激に上昇し、野菜や果物などの日用品や電化製品、車などの価格が上がっています。例えば、日本円でいうと、今まで1個100円で購入していたパンが、1個200円に値上がりしてしまいます。
このようなロシア国内のインフレが世界に波及し、世界的にインフレになる恐れがあるといわれています。
インフレが起こると私たちの生活はどうなるのか
インフレが起こり物価が上がると、私たちの生活はどのようになるのでしょうか。
まず、日々の生活が経済的に苦しくなってしまう方もいるでしょう。インフレとともに私たちの給与や収入も上がれば困らないのですが、今回のように他国の侵略行為を起因としたインフレでは、私たちの給与は直接すぐには上がりません。そのため、例えばガソリン価格の上昇などが、私たちの生活を直撃する可能性があります。
また、インフレが進むと、私たちが普通預金に貯金しているお金の価値が下がってしまうというリスクもあります。昔からコツコツ貯めてきたお金も、インフレが起こると一気に価値が落ちてしまいます。これから老後の生活を迎える方などは、不安な気持ちになるかもしれません。
今からできるインフレ対策
今回は、ロシアによるウクライナ侵攻により急激にインフレが進んでいますが、侵略行為がなかったとしても、実際は日々少しずつ物価は上がる傾向があります。今回のウクライナショックをきっかけに、今まで特に意識していなかった方々も、普段からインフレ対策を行っておくことが大切です。
私たちができる、最も有効なインフレ対策は「資産運用を行うこと」です。現金をそのままタンス預金としてただ「置いて」おいたり、銀行の普通預金に「置いて」おいたりした場合、インフレが進んで物価が上がっても、手元のお金は増えないため、資産価値は下がってしまいます。
お金を運用して市場で「動かす」ことで、インフレの波に乗って手元の資産も増えていく可能性があります。
インフレに対応するための資産運用は、ハイリスクハイリターンな投資である必要はありません。例えば、世界のインデックス投資信託はさまざまな商品に分散され、手数料が低く、比較的安定した運用が期待できますが、このような投資信託を購入することでもインフレ対策は十分可能です。
投資は損をするのが怖いとなかなか挑戦できない方もいますが、実は、そのまま手元に「置いて」おくだけでも、資産価値が下がってしまう大きなリスクがあるのです。
いかがだったでしょうか。遠い国で起こっている侵略行為ですが、実は私たちの生活にも大きな影響を与えています。今回ご紹介した内容を参考にしながら、インフレーションのリスクについて再確認し、自分のインフレ対策を見直してみてはいかがでしょうか。
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者