更新日: 2022.04.29 その他暮らし
マネーリテラシーを高めるお勧め資格3選! 1年で何度も受験できるの?
「でも、目的がないと勉強する気が起こらない」とお悩みなら、お金に関わる資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか?
今回は「年に数回の受験機会がある」「受験資格が問われない」「数ヶ月程度の勉強時間で狙える」などの条件を満たす、お勧めの金融系資格を解説します。
執筆者:棚田将史(たなだ まさふみ)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種
お金を網羅的に学べる「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」
「ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下、FP)」とは、お金にまつわる知識を網羅的に学習できる国家資格です。
1~3級の中で、一番簡単なFP3級は、誰でも受けられます。
FPの学習範囲は図表1の通りです。
図表1
FPの学習範囲 | 概要 |
---|---|
ライフプランニングと資金計画 | ライフプランニングの手法、公的年金、公的保険、各種ローン制度など |
リスクマネジメント | 生命保険、損害保険、医療保険、保険にまつわる税金など |
金融資産運用 | 経済市場全般の知識、株式・債権・投資信託の基礎、金商法(金融商品取引法)など |
タックスプランニング | 各種税金・所得の種類、所得控除・税額控除など |
不動産 | 不動産関係の法律知識、不動産取引の仕組み、不動産にまつわる税金など |
相続・事業承継 | 相続税、贈与税、相続にまつわる税金、法定相続など |
※日本FP協会 3級試験範囲より筆者作成
図表1の通り、FPの学習範囲は私たちの生活・将来に密接に関わるものばかりです。「税金や年金の仕組みがよく分からない」とお悩みの方に、ピッタリの学習内容といえます。
日常生活レベルでのマネーリテラシーを身に付けたい場合は、3級レベルでも十分です。3級の合格率は約80%で推移しており、2~3ヶ月勉強すれば合格を狙えるでしょう。
試験は原則として、5月・9月・1月の年3回開催されます。年に1回しかチャンスがない国家資格が多いことを考えると、気軽にチャレンジできる点もFPのメリットです。
投資関係の仕組みが理解できる「証券外務員」
証券外務員とは、金融商品の販売や勧誘などを行える外務員登録に必要な資格です。国家資格ではないものの、日本証券業協会が認定する公的資格に該当します。
学習内容は、FP3級の金融資産運用をより特化させたイメージです。
具体的には経済の基礎、株式、債券、投資信託、財務分析、会社法などが挙げられます。「投資に興味がある」という人にお勧めの資格です。
もう1つのお勧めポイントは、原則として平日であれば、いつでも試験が実施されていることです。
お住まいの地域での試験会場や受験の予約方法は、基本情報技術者試験なども担当する、プロメトリック株式会社のサイトにて確認できます。
試験はCBT方式(パソコンを使って回答する試験)で実施されます。試験終了後には、すぐに合否を確認できるのもうれしい点です。
証券外務員には1種と2種があり、1種はデリバティブ商品(先物取引やスワップなど)が試験範囲に加わる分だけ高難易度ですが、いきなり1種からでも受験できます。
金融の基礎は2種でも十分に網羅できますが、合格率は1種・2種のどちらも60~70%で推移していることを考えると、最初から1種に挑戦するのもありでしょう。
ビジネスでのお金の流れが分かる「日商簿記検定3級」
「日商簿記検定(以下、簿記)」とは、ビジネス関連の経理知識を証明できる公的資格です。1〜3級まであり、どの級からでも受験できます。
一番簡単な3級では、簿記の基本や取引処理の方法、決算などの経理業務に必要な知識を学習できます。勉強すれば一通りの会計用語や決算書が読めるようになるでしょう。合格率は40~50%で推移しているものの、30%弱に落ち込む回もあります。
簿記3級の試験は、原則として6月・11月・2月の年3回開催です。2022年現在では、証券外務員と同じようなCBT形式でのネット試験にも対応しています。
「ネット試験の簿記は価値が低いのでは?」との噂を耳にしますが、ネットと紙の試験では優劣がなく、どちらも同じ扱いです。試験内容も変わりません。日本商工会議所の検定試験WEBサイトでも、下記のように記載されています。
ネット試験の合格と統一試験であるペーパー試験の合格は同じ扱いとなりますので、履歴書等には「日商簿記検定試験(●級)取得」と記載していただけます。
※紙媒体、カードタイプの合格証の発行はございません
出典 商工会議所の検定試験 日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験について
今回紹介した資格には、それぞれ上位資格や類似資格があります。FPや簿記なら1~2級が狙えますし、証券外務員なら証券アナリストへの足掛かり資格としても有効です。
マネーリテラシーの向上に加えて、将来的なキャリアアップ用の資格としても、FP・証券外務員・簿記の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
出典
日本FP協会 FP技能検定とは
日本証券業協会 外務員資格試験制度
日本商工会議所 商工会議所の検定試験 簿記
執筆者:棚田将史
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種