1人暮らしをしながら国立大学に通うために、いくらぐらい必要ですか?

配信日: 2022.05.08

この記事は約 4 分で読めます。
1人暮らしをしながら国立大学に通うために、いくらぐらい必要ですか?
大学進学の費用は、自宅から通う場合と自宅外通学(1人暮らし)の場合で、必要となる金額が異なります。
 
実際に1人暮らしをしながら国立大学に通うためには、どのくらいのお金が必要になるのでしょうか。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

国立大学の入学金および授業料

国立大学の入学金そして年間授業料は全国一律です。文部科学省(※1)によると、令和元年の国立大学の入学金は28万2000円、年間の授業料は53万5800円です。
 

■国立大学の学費総額

国立大学に4年間通ったとすると、入学金そして年間の授業料の合計で243万6000円必要ということが分かります。さらに、医学部もしくは薬学部だと履修期間は6年間ですので、合計で349万6800円掛かることになります。
 
ただ、ここで計算している学費は授業料と入学金を合計したものであり、それ以外に「学校納付金」や「修学費」「課外活動費」「通学費」が別途加わります。
 

学生の1人暮らしに掛かる費用

1人暮らしに掛かる費用は地域によって異なりますが、日本学生支援機構が調査(※2)を行っており、それを基に平均額を知ることができます。
 

■学生の生活費用

ここでは平日昼間に大学に通う学生の生活費について解説します。1人暮らしをしている学生の収入そして支出の内訳は図表1のとおりです。
 
【図表1】

図表1

(日本学生支援機構の資料を基に著者作成)
 
図表1をみると、国立大学へ自宅外から通う場合の生活費は年間約114万円掛かっていることが分かります。
 
生活費に含まれるものは「食費」「住居費」「光熱費」「保険衛生費」「電気通信費(携帯・Wi-Fi)」などのほか、娯楽費なども含まれますが、中でも大きな割合を占めているの が住居費、そして光熱費です。
 
また、学費および生活費の合計額は、地域別に以下のように異なることも分かっています。

<国立大学・平日昼間>

・東京圏:189万2200円
・京阪神:181万7300円
・その他:169万9600円

地域によって異なるものの、最低でも約170万円は必要となっていることが分かります。学費は地域によって差が発生しないことから、単純に住居費や光熱費の差があらわれているといえるでしょう。
 

アルバイトをしている学生の割合は?

学生の収入減は主に家からの仕送りのほか、奨学金、そしてアルバイトによる収入です。昼間の学部に通っている大学生で、実際にアルバイトをしている学生の割合は80%を超え、同じく大学昼間部に通う学生で、家庭からの仕送りがない割合は全体の5%を超えることが分かっています。
 
日本学生支援機構は2年ごとに調査(※3)を実施しており、前回の平成30年の調査と比較すると、アルバイト収入が減少している点、さらに奨学金の額が増加している点も、新型コロナウイルス感染症拡大による家庭の収入やアルバイトの機会の減少などが影響していると予想されます。
 

自宅から通う場合の費用はいくら?

では、同じ国立大学で、自宅から通う場合の生活費はどのくらいなのでしょうか。
 
国立大学の平日昼間に通う場合で比較すると、アパートなど自宅外での生活費が上で紹介したとおり、平均して114万円掛かっているのに対し、自宅通学だと35万4200円とおよそ3倍の開きがあることが分かります。4年間で計算すると、その差は約315万円です。
 
自宅通学だと住宅費、そして光熱費が不要となることからも、1人暮らしに掛かる家賃や光熱費の負担は、かなり大きいといえそうです。
 

まとめ

自宅通学だと、子どもに掛かる大学の費用は少なくてすみますが、希望する進路によっては自宅外通学となることも十分に予想されます。自宅外通学になると、入学の際の部屋探しの手間がかかるほか、まとまった敷金や引っ越し費用も必要となります。ここで紹介した金額はあくまでも平均値ですので、場合によってはそれ以上の費用が掛かるケースもあります。
 
教育資金の準備にあたっては、進学先が国立なのか私立なのか、また自宅から通うのか自宅外になるのかで大きく異なる点を改めて知っておく必要があります。そのうえで、余裕を持った金額を設定し、それに向けて早めに準備に取り掛かかる必要があるといえるでしょう。
 

出典

(※1)文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
(※2)独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果よりⅣ.集計表
(※3)独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果
独立行政法人日本学生支援機構 ホームページ
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集