更新日: 2022.05.30 その他暮らし

「失業保険」をもらうにはどうしたらいい? 必要な手続きを詳しく解説

執筆者 : 東本隼之

「失業保険」をもらうにはどうしたらいい? 必要な手続きを詳しく解説
雇用保険の被保険者が倒産や解雇などで離職した場合、失業中の生活費として、「失業保険」が給付されます。失業保険は、正式には雇用保険の基本手当に該当します。雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定を支える日本の社会保険制度の一部です。
 
離職後の生活資金が準備できない人や、突然の解雇で生活が成り立たないという人は、失業保険の受給を検討しましょう。本記事では、失業保険の受給要件と手続き方法について紹介します。
 
※受給要件・金額は2022年3月のものとします。
東本隼之

執筆者:東本隼之(ひがしもと としゆき)

AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

金融系ライター・編集者 | SEO記事を中心に200記事以上の執筆・編集を担当 | 得意分野:税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続 など | 難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えるのを得意としている。

●難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えることが得意
●専門用語をなるべく使わずに説明します
●漠然と抱えている「お金の不安」を取り除きます
●お悩みに寄り添ったアドバイスを行います

失業保険の受給要件

離職した際に支給される失業保険ですが、受給には次の要件を満たす必要があります。


・ハローワークで求職活動を行い、再就職する意思がある

・病気やケガ、出産などで就職できない状態ではないこと

・離職前に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること

雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月に満たない場合であっても、「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に該当する場合は、受給対象です。
 
特定受給資格者とは、雇用されていた企業が倒産するなど、自己の責任でない理由で解雇された人のことです。特定理由離職者は、労働契約が期間満了後に更新されなかったケースや、両親の介護などの正当な理由がある人が該当します。
 
また、失業保険が支給されるまでは7日間の待機期間と、離職理由による給付制限があります。待機期間と給付制限の期間中は、失業保険の給付が行われません。
 
給付制限は、自己都合で退職した場合と解雇など会社都合で退職した場合とで、制限期間が異なります。会社都合退職には給付制限がなく、待機期間終了後すぐに失業保険給付が始まり、自己都合退職の場合は、待機期間終了翌日から2ヶ月間は給付されません。
 

失業保険を受けるために必要な書類

失業保険を受給するには、次の書類が必要です。


・離職票
・失業認定申告書
・雇用保険受給資格者証
・本人確認ができる証明書類(運転免除証・パスポート等)
・マイナンバーがわかる書類

離職票は、失業保険の受取口座申請や離職前の賃金状況を記載した書類で、退職後2週間程度で会社から配布されます。失業認定申告書と雇用保険受給資格者証は、ハローワークが発行します。
 

早く就職すると再就職手当がもらえる

失業保険を受給している人が、受給日数を残した状態で再就職した場合には、再就職手当が支給されます。再就職手当の支給には、次の要件を満たす必要があります。


・就職日前日までの失業保険給付残日数が3分の1以上あること

・失業保険受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職または事業を開始したこと

・再就職先で1年を超える勤務が確実であること

・失業保険手続き前に再就職が決定していないこと

・過去3年間に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと

・離職理由による給付制限がある場合は、待機期間終了時から1ヶ月以上経過していること

給付制限を受けている状況でも、待機期間を終了後にハローワークや職業紹介事業者の紹介で再就職すると、再就職手当が支給されます。支給金額は、失業保険給付残日数が3分の2以上ある際は70%、3分の1以上の場合は60%となり、次の方法で算出されます。
 


出典:厚生労働省
 
基本手当日額は、ハローワークが失業保険申込時の賃金日額や年齢によって決定し、失業保険の受給金額計算の基礎となります。
 

失業保険は労働者の生活を支える制度

失業保険は、倒産や解雇などやむを得ない理由がある場合に受給できる国の社会保険制度です。
 
突然の解雇などで生活資金が準備できない人は、失業保険を活用しながら生活の不安を取り除き、新たな仕事を探しましょう。
 

出典

ハローワークインターネットサービス:基本手当について
厚生労働省:再就職手当のご案内
 
執筆者:東本隼之
2級FP技能士

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