更新日: 2022.05.30 子育て

今からでも間に合う? 高校と大学、子どもの教育資金準備していますか?

執筆者 : 勝川みゆき

今からでも間に合う? 高校と大学、子どもの教育資金準備していますか?
「教育資金って、どれくらい準備しておけばいいの?」
「子どもを高校、大学まで行かせてあげられるか、経済的に不安」
「授業料が高い高校、大学へ進学したいと言われたらどうしよう」
 
親なら誰しもが、教育費に不安を感じることがあると思います。しかし、分からないから不安になるのです。しっかり知って、将来に備え計画する事で、不安は解消されます。
勝川みゆき

執筆者:勝川みゆき(かつかわ みゆき)

ファイナンシャルプランナー2級・AFP

高校受験で必要なお金

公立高校へ進学するのか、私立高校へ進学するのかによって、大きく変わります。

費用項目 公立 私立
検定料 2200円
(一部の県では2100円)
2万3119円
入学金 5650円
(一部の県では2550円)
25万1637円
授業料(初年度) 11万8800円 94万5522円

※ 私立の値は、都内私立高校(全日制)の平均値
 
これは、高校の入学にかかるお金のみです。実際にはこのほかにも、塾に通ったり、教科書や参考書を買ったり、通学費がかかってきます。
 
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、1年間にかかった学習費総額(保護者が子どもの学校教育および学校 外活動のために支出した経費の総額)の平均は、公立高等学校で45万7000円、私立高等学校では97万 となっています。
 
公立の高校へ進学してくれれば経済的に助かりますが、私立高校への進学も視野に入れ、お金の準備をしておく必要があります。
 

大学受験で必要なお金

大学受験には、高校受験以上にお金がかかります。

費用項目 国公立大学 私立理系 私立文系
入学費用 67万2200円 88万8000円 81万8000円
在学費用(年間) 103万5000円 183万2000円 152万円

 
入学費用には、受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金が含まれます。在学費用には、学校教育費(授業料・通学費・教科書代など)と、家庭教育費(塾の月謝、お稽古ごとなど)が含まれます。さらに、県外の大学へ進学し自宅外から通学する場合の仕送り額の平均は、年間約96万円です。
 
これは親の老後資金にまで、影響が出てしまいそうな大きな額です。相当年収が高い家庭でない限り、準備がなければ払うことが難しい額になってきます。ある程度目標をたて、早いうちから準備しておく必要があります。
 

お金の準備方法

世帯年収や職種、家計のお金の使い方や考え方によって、ベストな方法は異なります。教育資金は、使う時期がある程度予測でき、将来必ず必要になるお金です。そのため、確実性と安全性をキーワードに考えていくとよいと思います。無理なく貯めることが大切です。
 

・預貯金

一番身近で、安心してお金を貯めていく事ができます。例えば、児童手当を使わずに貯めるだけでも、ある程度のお金になります。
 
0歳から3歳未満でもらえる1万5000円(月)×3年で、54万円。3歳から中学卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)もらえる1万円(月)×約13年で、156万円。(第3子以降は児童手当の金額が変わります)高校入学までに、およそ210万円を用意することができます。
 

・学資保険

学資保険は、子どもの教育資金のための保険です。子どもの進学のタイミングに合わせて、一時金を受け取ることができます。
 
「子どもの教育資金といえば学資保険」と思う方も多いと思いますが、返戻率(支払った金額よりどれくらい多く戻ってくるかを表したもの)はそれほど高くありません。
 

・終身保険

親自身が、終身保険に入るという方法もあります。
 
契約内容によっては、実際に払い込んだ保険料以上の解約返戻金(保険を解約したときに戻ってくるお金)を受け取る事ができます。払い込み満了後、時間の経過とともに解約返戻金が増えます。保険なので、払い込みさえ満了してしまえば、元本が減ることはありません。
 
安全性という面では、良い方法だと思います。また、いざという時の保障にもなります。
 

・積立投資

積立投資で代表的なものに、つみたてNISAがあります。
 
預貯金に比べ、流動性が低い(現金に変えたくてもすぐには変えられない可能性がある)のがデメリットです。しかしリスクがある分、高い利回り(いくらもうかったかを表す値)が期待できます。一定期間、一定額が非課税になるので、節税効果もあります。長期投資で成果が出やすい為、期間に余裕をもって始める事をおすすめします。
 
ただし、注意点としては、投資なのでお金が減る可能性もあるという事です。しっかりと調べ、自分にあったものを納得して始める事が大切です。
 

・すぐにお金が必要な場合

お金の準備に時間の余裕がないという場合には、以下の方法もあります。

・就学支援制度
(優秀な学生は、学生支援機構や大学から給付型のお金をもらえる可能性がある)
・日本学生支援機構の奨学金
・国の教育ローン
・祖父母からの援助(最大1500万まで非課税)(2023年3月3日まで)

高校、大学に必要な費用は、数年前に比べ上昇傾向にあります。お金の準備方法としては、預貯金と投資を組み合わせる方法がおすすめです。安全に、そしてインフレ(物の値段が上がり、お金の価値が下がること)にも対応したお金の準備が出来ます。
 

お金が貯まるのは子どもが小さい時期

子どもが成長すれば、必ずやってくる進学費用の悩み。なるべく早いうちから準備した方が、確実に無理なく貯めることができます。
 
そして最もお金を貯めやすいのは、子どもが小さい時期です。なぜなら、中学生以降は教育費にとてもお金がかかるからです。また、貯める期間が長い方が、余裕をもって計画がたてられます。
 
家計に合った方法で、無理のない範囲で貯めるのが一番です。将来焦らないためには、子どもが小さいうちから、コツコツと貯めておくことが大切です。
 

出典

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
東京都 令和4年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況
東京都きょう都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について
日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 ~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
内閣府 児童手当制度のご案内
 
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP

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