更新日: 2022.06.07 子育て

公立と私立の違い! どのくらい子どもの学費がかかるの?(幼稚園~高校まで)

公立と私立の違い! どのくらい子どもの学費がかかるの?(幼稚園~高校まで)
小さなお子さんがいるご家庭では、これからどのくらい学費がかかるのかということは、気になるポイントですね。私立と公立、どちらの学校に行くかによっても学費は大きく異なります。
 
今回は幼稚園から高校まで、公立と私立ではどのくらい学費が違うのか、年収による学費の傾向、学費の準備などについても合わせて説明します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

幼稚園から高校までの学習費総額

文部科学省の「子供の学習費調査」(平成30年度)によると、幼稚園(3歳)から高校3年(全日制)までの15年間について、公立・私立ごとに各学年の平均額を単純に合計した学習費総額は、以下のとおりとなっています。

<幼稚園から高校まですべて公立の場合>

541万82円

<幼稚園から高校まですべて私立の場合>

1829万8324円

<小学校だけ公立の場合(幼稚園・中学・高校は私立>

1063万2988円

幼稚園から高校まですべて公立のケースと比べると、すべて私立のケースでは学習費総額が約3.4倍となっています。
 
また私立の場合、公立との金額の差が最も大きくなるのは小学校です。
 
公立小学校の学習費総額は6年間で192万6809円ですが、私立小学校では6年間で959万2145円となっています。
 
そのため、例えば小学校だけは公立の学校で、中学受験をして中学から私立に進学した場合、すべて私立にしたケースと比較して、15年間の学習費総額では約750万円少なくなります。
 
家庭によって教育方針は異なりますが、私立と公立の学費を比較し、幼稚園、小学校、中学校、高校の中で、どこにお金をかけるのか、事前に話し合っておくといいでしょう。
 

年収による学習費の違いは?

一般的に年収が高い家庭では、子どもにかける学費が高くなる傾向がみられます。高収入の家庭では、公立学校だとしても、塾や習い事など学校外でかける活動費も増えています。
 
前述の文部科学省の調査によると、例えば公立小学校の場合、年収400万円未満の家庭の年間での学習費総額は、約23万6000円です。
 
一方、同じ公立小学校でも年収1200万円以上の家庭では、年間で約54万3000円となっています。
 
ただし公立・私立に限らず、収入の増加に比例して学習費総額が高くなる傾向は、幼稚園から高校まで、すべてで共通してみられました。
 

学費を貯めるためのマネープラン

子どもにはしっかり勉強をさせてやりたいと考えているご家庭は多いと思います。子どもの学費の目安としては、まず1000万円をめどに準備するといいでしょう。
 
先ほど説明したとおり、幼稚園から高校まですべて公立の場合でも、550万円ほどの学費がかかります。
 
受験の結果などから、幼稚園から高校まですべて公立とはならない可能性もあり、高校卒業後は大学や専門学校へ進学するお子さんも多いと思うので、取りあえず1000万円くらいを見積もっておくと安心です。
 
ただし、子どもの学費だけを準備していても、自分たち将来のための老後資金が貯められない、万が一のときの貯蓄ができないなど、別のところで経済的に苦しくなってしまう可能性があります。
 
子どもの学費と並行して、そのほかに必要なお金もしっかりと貯めていくようにしてください。
 
また、貯蓄だけで学費を準備できない場合は、大学などへの進学時に奨学金を利用することも検討してみましょう。
 
奨学金は卒業後の返済が必要ですが、子どもが自身で学費を支払うことにより、学習意欲や自立心が増すことも考えられます。
 
これから子どもの学費がかかるご家庭では、今回紹介した学習費の総額などを参考にしながら、現在の貯蓄のペースは適切なのか、家計を見直してみてはいかがでしょうか。
 

出典

文部科学省 結果の概要―平成30年度子供の学習費調査
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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