更新日: 2022.06.28 その他暮らし
これから注意の「線状降水帯」 予測はどこで確認できる? いざという時の「避難場所」も確認しておこう!
今回は、線状降水帯とはどのようなものか、予報はどこで確認できるのか、万が一、自宅が全半壊した場合の公的支援策などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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線状降水帯とは
「線状降水帯」とは、20~50km程度の幅、50~300km程度の長さにわたって線のように伸びる発達した雨雲のことです。線状降水帯という気象用語は、2014年に広島県で起こった豪雨に伴う災害の頃から用いられるようになりました。梅雨の時期に発生する集中豪雨は線状降水帯によって引き起こされることが一般的です。
特に、梅雨の終わりに近い7月は線状降水帯が発生し、集中豪雨など大規模災害が起こりやすい時期のため、警戒しなければなりません。線状降水帯が発生すると同じような場所に雨雲が次々と発生するため、特定の地域に集中豪雨が発生しやすくなります。
2018年の西日本豪雨、2020年の熊本豪雨も線状降水帯によってもたらされました。線状降水帯は、線状に伸びる梅雨前線がかかっている場所で発生しやすいことが特徴です。梅雨前線の活動が活発になり、雨雲が次から次へと発生することによって線状降水帯が形成されます。
線状降水帯が発生しそうな場合は予報が出されることに
梅雨の時期に発生する集中豪雨は線状降水帯と関連性があることから、2021年6月17日以降は、線状降水帯が発生したと思われる場合には「顕著な大雨に関する気象情報」として、気象庁が注意情報を発表するようになりました。また、2022年6月からは線状降水帯が発生する半日前に予報が出されることになっています。線状降水帯の発生予報は、警戒レベルを補足する情報として発表される予定です。
・線状降水帯の正確な予報は難しい
線状降水帯は厄介なことに梅雨前線の位置が少し変わるだけで、発生する位置が変わってしまいます。線状降水帯がかかる地域は大規模災害の危険性があるほどの集中豪雨になる一方で、線状降水帯にかかっていない地域は晴れている、という事態が発生しうるわけです。梅雨前線は台風と比べて幅が狭いため、的確な予報が難しく、大雨に対する備えが間に合わない可能性があります。
さらに、線状降水帯の特性上、狭い地域での集中豪雨が長く続く危険性もあるのです。一方、住民の避難を促す勧告・指示・命令を発令する主体である自治体にはさまざまなデータを蓄積している気象庁と異なり、避難誘導等の知見が乏しい場合があり、発令が遅れたケースも過去にありました。
そのため、住民側のスタンスとしては、気象庁が「顕著な大雨に関する気象情報」を発表した段階で、いつでも避難できるよう必要な荷物をまとめたり、家族と待ち合わせや移動ルートの想定などを「空振り」を覚悟で備えておく必要があります。
その際には、自治体が作成したハザードマップや避難場所・避難経路などを積極的に活用しましょう。避難が空振りに終わったとしてもそれは無駄ではなく、いざという時のための防災訓練にはなっているのです。
自宅が全壊・大規模半壊した場合の公的支援策
災害によって住宅が全半壊した場合、国の支援制度として「被災者生活再建支援制度」があります。支給額は基礎支援金(全壊の場合は100万円、大規模半壊の場合は50万円)と住宅の再建方法に応じて支給される加算支援金(建築・購入は200万円、補修は100万円、賃貸は50万円)の合計額です。このほか、住宅の応急修理、災害復興住宅融資などの支援制度もあります。
さまざまな情報を活用して集中豪雨への備えを心掛けよう
梅雨の時期には局地的な集中豪雨が起こり、大規模災害が起こる可能性があります。その原因となっているのが梅雨前線に重なるようにして発生する線状降水帯です。2022年6月から線状降水帯が発生しそうな場合は半日前に気象庁が予報を出すようになりましたが、線状降水帯の幅は狭く正確な予報は困難です。
そのため、住民側は発表があったら、まずは「空振り覚悟」で避難の準備を進めることが犠牲を出さないための上策であるといえます。、日ごろから地元自治体が作成したハザードマップや避難場所の確認をしておきましょう。
出典
防災ニッポン 7月に気をつけたい防災キーワード「線状降水帯」!
気象庁 線状降水帯に関する各種情報
気象庁 線状降水帯に関する情報について
内閣府 防災情報のページ公的支援制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部