更新日: 2022.06.29 子育て

子どもに対する医療費補助制度にはどのようなものがある? 併用はできる?

執筆者 : 新井智美

子どもに対する医療費補助制度にはどのようなものがある? 併用はできる?
子どもに対する医療費補助制度は、自治体が行っているものがほとんどで、自治体によって助成内容が異なります。

今回は、一例として横浜市の制度を取り上げ、どのような内容なのかを紹介するとともに、それぞれの制度の併用が可能なのかついて解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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小児医療費助成制度

横浜市では、横浜市内に住所があり、健康保険に加入している子どもが、病気やけがで医療機関を受診した際、その子どもの年齢に応じて医療費の自己負担額を助成する制度を設けています。
 
■0歳児
0歳時の場合、自己負担分は通院および入院ともに全額助成されます。所得制限はありませんので、0歳児であれば、医療費の自己負担は0円です。
 
■1~2歳
1~2歳の場合も所得制限はありません。そして、通院においては、保護者の所得が一定の所得基準以上の場合、1回500円までの負担が発生します。入院や院外薬局は全額助成されます。
 
■3歳~小学校3年生
3歳からは所得制限が設けられます。その内容は図表1のとおりです。
 
【図表1】


 
所得制限未満であれば、入院そして通院の際の自己負担分が全額助成されますが、所得制限額以上の場合、助成の対象外です。
 
■小学校4年生~中学校3年生
通院の場合、1回につき500円までの負担が発生します。ただし、保護者の市民税が非課税の場合は全額助成されます。入院の場合は、所得制限未満であれば、保険診療の自己負担額分が助成されます。所得制限額以上の場合は助成の対象とはなりません。
 
また、全体を通じていえることですが、入院における差額ベッド代や文書料、健康診断などの保険給付とならないものは、助成の対象とはならない点に注意が必要です。
 
また、重度障害者医療費助成制度や、ひとり親家庭等医療医助成制度との併用はできないことも覚えておきましょう。子どもの年齢に応じて確認する所得の年が異なる点も注意が必要です。
 

ひとり親家庭等医療費助成

健康保険に加入している母子家庭や父子家庭など、ひとり親家庭などの人が病気やけがで病院にかかった場合、一部負担金を市が代わって負担してくれる制度です。
 
■対象者
横浜市内に住所があり、何らかの健康保険に加入し、以下のいずれかに該当する児童と、その児童を監護する母もしくは父、または父母以外の人で児童を養育している人
 

●父もしくは母が死亡した
 
●父母が離婚した
 
●父もしくは母が重度の障害者である
 
●父もしくは母の生死が明らかでない
 
●父もしくは母が引き続き1年以上遺棄している
 
●父もしくは母が裁判所によるDV保護命令を受けている
 
●父または母が法令によって引き続き1年以上拘禁されている
 
●母が婚姻によらず妊娠した
 
●父母ともに不明である

 
さらに、一定の所得基準を超えていないことが要件です。
 
また、児童とは、年度年齢が18歳に達する年度の3月31日までの間にある人を指します。中程度以上の障害がある場合、もしくは高等学校などに在学中の場合は、20歳未満までです。
 
【図表2】


 
ただし、ほかの医療費助成制度を受けている場合は、対象とはならない点に注意が必要です。
 

小児慢性特定疾病の医療費助成制度

子どもの慢性疾患のうち、特定の疾患については治療に必要な期間が長く、総じて医療費も高額になります。
そのため、特定の疾病にかかっている児童などにおいて、家庭の医療費負担の軽減を図る目的で、医療費の自己負担分の一部が助成されます。
 
■対象者
小児慢性特定疾患にかかっており、厚生労働大臣が定める疾病の程度である児童(18歳未満。ただし、18歳時点で制度の対象となっており、以後も引き続き治療が必要と認められる場合は20歳未満)
 
■対象となる疾病
「悪性新生物」「慢性腎疾患」「慢性呼吸器疾患」「慢性心疾患」「内分泌疾患(甲状腺機能低下症など)」「膠原(こうげん)病」「糖尿病」「先天性代謝異常」「血液疾患」「免疫疾患」「神経・筋疾患」「慢性消化器疾患」「染色体または遺伝子に変化を伴う症候群」「皮膚疾患」「骨系統疾患」「脈管系疾患(脈管奇形など)」の16種類
 
■自己負担上限額
世帯所得および症状により、図表3のように決められています。
 
【図表3】


 

まとめ

一般的に、医療費助成制度は併用できません。ただ、ひとり親の場合、子どもが18歳まで助成されるため、ひとり親家庭等医療費助成制度を選ぶ方がよいでしょう。
 
また、制度の内容そして所得制限については、自治体で異なるため、自分が住んでいる自治体の公式サイトなどで詳細をしっかりと確認しておきましょう。
 
これらの制度を利用するためには、申請を行い、受給者証を取得する必要があります。手続方法も自治体によって異なりますので、公式サイトを確認のうえ、必要書類を持参し、各自治体の窓口にて申請を行ってください。
 

出典

(※)小児慢性特定疾病情報センター 医療費助成
横浜市 ホームページ

 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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