更新日: 2022.07.08 その他暮らし

【もうすぐ参院選】各党の「経済政策」と「私たちの暮らし」に与える影響って?

執筆者 : 柘植輝

【もうすぐ参院選】各党の「経済政策」と「私たちの暮らし」に与える影響って?
各政党の政策を見ていくうちに、どの政党に投票すべきか迷ってしまっている方もいらっしゃることでしょう。そこで、投票の参考となるよう、各政党が今回の参院選にて掲げる経済政策と私たちの暮らしへの影響をまとめました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

自民党

自民党は、大きく分けて日本を守ることと、未来を創ること、この2つの観点から政策を掲げています。そのうち、私たちの暮らしに影響を与える内容として注目したいのは、原油高・物価高への対応です。自民党においては、原油価格の高騰による緩和措置を継続するとともに、便乗値上げやエネルギーコスト上昇分の価格転嫁への対策にも取り組むとしています。
 
また、未来を創ることという観点からは「新しい資本主義」をスローガンに国民の所得が増加するよう経済政策を打ち出す模様です。具体的には、最低賃金の引き上げなどで25年ぶりの賃金増加時代を作るとともに、規制緩和や税制を変化させ貯蓄から投資へお金が回る仕組みを作って国民の所得と資産を増加させることを目標としています。
 

公明党

公明党は、持続的な賃上げを政策の1つとして掲げています。その中で注目すべきは最低賃金の引き上げです。2020年代前半には全国加重平均で1000円超、2020年代半ばには半数以上の都道府県で1000円以上へ引き上げ地域格差を是正するとしています。
 
雇用される方の賃上げだけではなく、フリーランスなど雇用保険に加入できず、雇用保険に基づく育児休業の対象とならない方に対し、育児期間中の支援を検討するなど雇用形態を問わず安心して働ける多様で柔軟な働き方を推進するようです。
 
また、「誰もが安心して暮らせる日本へ」と銘打ち、ヤングケアラーやダブルケアラー支援の推進、教育の無償化の拡充、年金受給開始年齢の多様化、家族や社会の変容に併せた税制と社会保障制度など各種制度の在り方も検討するとしています。
 

日本維新の会

日本維新の会の政策最大の目玉は減税によって物価高への対策と経済回復を狙うという点です。具体的には、消費税の軽減税率を現在の8%から3%への段階的な引き下げを目指し、場合によっては0にすることも視野に入れているとしています。
 
そして、軽減税率だけにとどまらず、2年以内を目安に消費税本体の税率も今の半分である5%にまで減少させるとし、ガソリン税、揮発油税、地方揮発油税、軽油引取税の税率の特例を廃止するという対策も打ち出しています。
 
それに加え、新型コロナウイルスの位置づけをいわゆる「5類」に指定して経済活動の再開を目指し経済の回復を図ります。また、併せて教育の完全無償化と出産費用の無償化といった教育および子育てへの投資も政策の1つとして掲げています。
 

国民民主党

国民民主党は、給付と所得税還付を組み合わせた日本型ベーシックインカムの創設、最低賃金を全国どこでも時給1150円以上への引き上げの早期実現などを通じた、給与の上がる経済の実現を目指しています。
 
さらに、積極財政と銘打って税・社会保険料の減税に加えて一律10万円の「インフレ手当」による現金給付の実施をするとしています。必要な財源は富裕層への課税強化や教育国債の創設などで財源確保をするとしています。
 
また、子育てや教育支援策における所得制限の撤廃、高校卒業までの教育費負担がゼロとなる教育無償化の実現、地域包括ケアシステムの取り組み拡充を通じた人生100年時への対応によって多くの人が安心して生活していける国づくりを目指しています。
 

日本共産党

日本共産党においては消費税を直ちに5%に引き下げる緊急減税によって国民の暮らしを守り、さらに中小企業支援をした上で最低賃金を時給1500円に引き上げ、30年間賃金がほとんど上がらない国からの脱却を図るとしています。
 
また、インボイス制度の導入も即刻中止し、納税が困難な事業者には消費税の減免措置を講ずるなど雇用されて働く方だけではなく、零細事業者とフリーランスも守る。また、年金生活者の生活を守るとともに、若者の年金制度への不信感払拭のため年金削減を中止する。その上で、全額国庫負担での最低保障年金の導入も目指すとしています。
 

れいわ新撰組

れいわ新撰組では、社会保険料の引き下げ、消費税廃止、インボイスの廃止、ガソリン税ゼロなどとともに、季節ごとの一律10万円の現金給付、所得制限を設けない児童手当を毎月3万円支給するなどの政策を掲げています。
 
教育費については大学院卒業まで無料、既に奨学金を利用してる方はその返済を免除するなど教育についても大きく拡充する内容を政策に盛り込んでいます。
 
また、国が企業の賃上げ分を補填した上で、最低賃金を全国一律1500円まで引き上げるなどして日本中どこでも一定以上での給与を受け取れるようにし、本物の地方創生を目指すともしています。
 

社民党

社民党は、大企業への内部留保への課税を財源に新型コロナウイルス感染症からの生活再建のために消費税を3年間ゼロとすることを掲げています。また、生活困窮者へ特別給付金10万円を実施するなど生活困窮者の支援策も。格差解消のため派遣社員など非正規雇用者の正規雇用への転換、最低賃金1500円への引き上げと同一労働同一賃金の徹底と法整備を図るともしています。
 
また、生活保護において申請者の同意のない扶養照会の廃止するとともに、申請受理担当の職員が窓口で申請者を追い払うことなどを防止し申請が確実に受理されるようにするため、オンライン申請の導入についても検討を進めていくようです。
 

NHK党

NHK党では減税は無駄な支出を減らすことにつながると考え、政府に社会保険料含む税の引き下げを求めることを挙げています。その他にも生活保護についてNHK党へ相談できる体制の整備を整えたり、児童手当の所得制限の撤廃を求めたりするなどの公約に掲げています。
 
また、経済活動に対する規制緩和策として、2対1ルール(新しい規制を1つ作るには2つの規制緩和をすること)の導入などによって、国民の経済活動を自由に方向転換するよう国会に提案するともしています。
 

まとめ

今回、各政党が掲げる経済政策について、私たちの暮らしに影響を与える部分を中心に紹介しました。しかし、今回紹介した政策は各党の掲げる経済政策のうち一部です。今回の参院選によってどの政党が政権を獲得するか、それによって私たちの暮らしが変わります。自分がどの政党に投票するのか、各政党の掲げる政策を確認し、十分に検討する必要があるでしょう。
 

出典

自民党 令和4年政策パンフレット
公明党 参院選政策集
日本維新の会 2022政策パンフレット
国民民主党 政策パンフレット
日本共産党 2022参院選政策平和でも、くらしでも、希望がもてる日本に
れいわ新撰組 れいわ新撰組参議院選挙2022緊急政策
社民党 重点政策2022発表について
NHK党
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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