更新日: 2022.07.12 暮らし

社会人になってうつ病を発症。こころの病気に対する助成制度には、どのようなものがある?

執筆者 : 新井智美

社会人になってうつ病を発症。こころの病気に対する助成制度には、どのようなものがある?
うつ病を始めとするこころの病気については、公的な助成制度が設けられています。助成制度を利用するためには要件を満たす必要があるほか、制度の対象となるものとならないものがあります。
 
今回は、こころの病気に対する助成制度の内容について紹介します。
 
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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自立支援医療

自立支援医療とは、うつ病など精神科の病気で治療を受ける際の、外来通院や投薬、訪問看護などにおいて、健康保険の自己負担の一部を公的に支援してくれる制度で、精神通院医療費の公費負担といわれます。通院医療費が対象となるため、入院治療費は対象外です。
 

■対象者

精神疾患によって、通院治療を継続して行う必要がある状態の人です。対象となる精神疾患はすべての精神疾患で、代表的なものに以下の病気があります。


・うつ病、躁うつ病(気分障害)
・不安障害
・知的障害
・統合失調症
・薬物などによる急性中毒症や依存症
・強迫性人格障害
・てんかん

など

 

■対象となる医療の範囲

精神疾患や精神障害によって生じた病気の状態に対し、病院もしくは診療所に通院して行われる医療が対象です。
 
精神障害によって生じた病気の状態とは、躁状態や抑うつ状態、行動障害、幻覚、行動障害などによって生じた病気の状態のことを指します。ちなみに以下の医療は対象外です。


・入院医療費
・公的医療保険の対象外となる治療や投薬
・病院や診療所以外の場所で行われるカウンセリング
・精神疾患や精神障害とは関係のない疾患に対する医療費

 

■自己負担額

助成される医療費には、図表1のとおり、ひと月あたりの上限が設けられています。上限に満たない場合は1割負担になります。上限額は世帯の所得に応じて異なります。
 
【図表1】


 
また、高額な治療を長期間にわたって続けなければならない「重度かつ継続」に当たる場合は、1ヶ月あたりの上限額が以下のとおり低くなります。ちなみに、「重度かつ継続」に該当するのは以下のような人です。


●直近1年間で高額医療費の支給を4回以上受けた

●以下の精神疾患にかかっている
(1) 症状性を含む器質性精神障害(認知症・高次脳機能障害など)
(2) 精神作用物質使用による精神および行動の障害(アルコール依存症や薬物依存症など)
(3) 統合失調症、妄想性障害など
(4) 気分障害(うつ病や躁うつ病など)
(5)てんかん

●3年以上精神医療を行っている医師から、情動および行動の障害、または不安および不穏状態を示すことから入院によらない計画的かつ集中的な治療が継続して必要であると判断された

 
【図表2】


(出典:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト こころの病気への助成について ※1)
 

自立支援医療の手続き

自立支援医療の制度を利用するためには、以下の書類を用意したうえで、市区町村の担当窓口(障害福祉課もしくは保健福祉課)にて手続きを行います。
 

■申請に必要な書類

・自立支援医療(精神通院)支給認定申請書:市区町村窓口(医療機関で用意してくれるところもあります)
・医師の診断書:通院している病院で入手
・世帯の所得状況確認資料:課税証明書や生活保護受給証明書、住民税非課税証明書など
・健康保険証、など
 

■注意点

自立支援医療制度を受けるためには、通院先の病院が指定自立支援医療機関である必要があります。また、助成を受けるためには、通院の都度、受給者証(自立支援医療受給者証)および自己負担上限額管理表を病院の窓口に提出しなければなりません。
 
投薬がある場合は、薬局も指定されます。指定された薬局以外で薬を処方してもらっても、助成の対象にはならない点に注意が必要です。受給者証の有効期限は1年間です。そのため、毎年更新手続きが必要です。また、治療方針に変更がなければ、2回に1回は医師の診断書の省略ができます。
 

重度心身障害者医療費助成制度

自立支援医療とは別に、自治体で実施している制度です。障害を持っている人とその家族の経済的負担を軽減するために、医療機関を受診した際の医療費の自己負担分を助成してもらえます。申請は居住地の市区町村の担当窓口にて行います。
 

■対象者

・身体障害者手帳(1~3級)を交付されている
・療育手帳(マルA、AおよびB)を交付されている
・精神障害者保健福祉手帳(1級)を交付されている

 

■助成対象医療費

医療機関に通院、および入院した際に支払う一部負担金額(医療費および薬代、治療用装具の一部負担金など)

 
(出典:埼玉県 重度心身障害者医療費助成制度 ※2)
 

まとめ

社会人になって精神疾患を患った場合には、その治療のための通院費、および薬代を助成してもらえる制度があります。助成額には上限があり、上限額は世帯の所得状況によって異なります。
 
精神疾患の通院期間は長期にわたるケースが多く、薬代も高額になりがちなことから、このような助成制度があると非常に助かります。毎年更新手続きが必要ですが、該当するならば申請しておくべきでしょう。
 
申請の際には医師の診断書が必要になることから、申請の前に一度、通院先の医師に相談することをおすすめします。
 

出典

(※1)厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイトより「こころの病気への助成について」
(※2)埼玉県 重度心身障害者医療費助成制度
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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