更新日: 2022.07.14 その他暮らし

【どうなる夏休み?】海外旅行解禁も円安に加え……。燃油サーチャージ値上げの実態!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【どうなる夏休み?】海外旅行解禁も円安に加え……。燃油サーチャージ値上げの実態!
2022年6月に、日本政府は新型コロナウイルスまん延防止対策として実施していた海外からの入国制限を段階的に緩和しました。
 
それを受けて、これから海外旅行に出掛けようと予定を立てている人も多いのではないでしょうか。その一方で、円安や燃油サーチャージ料の大幅値上げが大きな話題となっています。
 
そこで今回は、「燃油サーチャージ」とは何か、どのような理由で価格が決まるのか、といったことについて詳しく解説します。
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そもそも燃油サーチャージとは

「燃油サーチャージ」とは、燃油費の高騰を背景として導入された渡航費とは別の料金です。正式名称は「燃油特別付加運賃」です。海運業界では1970年代に、航空、陸運業界では2000年代に導入されました。
 
燃油サーチャージ料がいくらになるのかは原油の価格の変動によって変わります。原油価格が高騰すれば燃油サーチャージ料も高くなり、原油価格が下がった場合には徴収されないこともあります。
 
重要なポイントは、燃油サーチャージ料は「出発日」ではなく「発券日」で決まる、ということです。そのため発券日によっては、同日に出発する別の人よりも燃油サーチャージ料が高くなってしまったり、もしくは安く済んだりします。
 
燃油サーチャージ料がいくらなのかは、各航空会社が料金表を発表していますので、海外に渡航する予定がある人は事前にチェックしておきましょう。また、燃油サーチャージ料は各航空会社によって異なります。格安航空会社(LCC)などでは燃油サーチャージ料を徴収しないことにしていることも多いです。
 

2022年は燃油サーチャージ料が大幅値上げ!

2022年4月、日本航空と全日空は2022年6月1日から7月31日に発券する日本発航空券の燃油サーチャージ料を発表しました。これによると、渡航する地域によっては燃油サーチャージ料がこれまでの2倍以上になることもあるようです。
 
例えば日本航空(JAL)の場合、グアムやパラオ行きの場合は5800円(片道、以下同)だった燃油サーチャージ料が1万2700円に、ハワイやインドネシア行きの場合は1万2700円だった燃油サーチャージ料が2万3600円になります。
 
全日空(ANA)ではグアムやフィリピン行きの場合は5700円だった燃油サーチャージ料が1万2500円に、ハワイやインドネシア行きの場合は1万2500円だった燃油サーチャージ料が2万3800円になります。
 
その後、8月1日から9月30日発券分につきましても、韓国行きではANAが5600円、JALが5900円、グアム行きもANAが1万6000円、JALが1万7800円と、さらに上昇しています。
 

燃油サーチャージ料の値上げの原因はロシアのウクライナ侵攻

燃油サーチャージ料はガソリン価格などと同じように原油価格の変動に連動します。
 
2022年2月にロシアがウクライナへの侵攻を始めた影響により、世界中で原油価格が高騰しているというニュースを目にした人も多いでしょう。2022年6月の燃油サーチャージ料大幅値上げの理由も、この原油価格高騰にあります。ロシアによるウクライナ侵攻の影響は日本人の海外旅行にまで及んでいるといえるのかもしれません。併せて、円安が続くと、輸入品である燃料の価格も相対的に上昇します。
 
しかし、2022年6月の段階では原油価格は下がってきていたじゃないか、と疑問に感じる人もいるでしょう。
 
実は、原油価格の変動が燃油サーチャージ料に反映されるには2~3ヶ月のタイムラグがあるので注意が必要です。そのため、2022年6月の段階で原油価格が下がっていたとしても、それが燃油サーチャージ料に反映されるのは10月以降の発券分からになるのです。
 

燃油サーチャージ料が気になる人は発券時期を選ぼう

燃油サーチャージ料は原油価格によって決まります。また、燃油サーチャージ料がいくらになるのかは、いつ航空券を発券するのかによって異なります。
 
そのため、少しでも安く渡航したいという人は、燃油サーチャージ料が安く設定されている時期に航空券を発券するとよいでしょう。もしくは、最初から燃油サーチャージ料を徴収していない旅行代理店や格安航空会社を利用するのもひとつの方法です。なお、国内線にはサーチャージが適用されません。
 

出典

日本航空 国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
全日空 燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について
資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和補助金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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